防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
スペーサー
自衛隊ニュース   874号 (2014年1月1日発行)
-
1面 2面 3面 4面 5面 9面 10面 12面

新年のご挨拶を申し上げます
-
「即応機動防衛力」実現へ
陸上幕僚長 岩田清文 陸将
 新年あけましておめでとうございます。希望に満ちた輝かしい新年をお迎えのことと、心からお慶び申し上げますとともに、昨年中に賜りました御厚情に対し、深く御礼申し上げます。
 昨年陸上自衛隊は、ゴラン高原及びハイチでの国連平和維持活動終結に当たり整斉と撤収を行う一方で、南スーダンにおいては現地ニーズに応えるべく活動地域を拡大するとともに、伊豆大島での災害派遣及びフィリピンにおける国際緊急援助活動では統合任務部隊の主体として各種活動を行う等、国内外における様々な任務に対応して参りました。また、中国、北朝鮮及びロシアにおける軍事力の近代化、活発な軍事活動等により、我が国を取り巻く安全保障環境が、一層緊張感を増した一年でもありました。
 このような中、昨年末には、新たな「防衛計画の大綱」及び次期「中期防衛力整備計画」が策定されました。これらの構想を一言で表現するならば、将来の陸上自衛隊を「任務重視」かつ「即応機動型」に変えていくということです。即ち、統合運用の実効性向上のため、陸上自衛隊の運用を総括する陸上総隊を創設するとともに、島嶼防衛において重要な三段階である、「平素の配置」「機動展開」「奪回」を実効性あるものにするため、初動に任ずる部隊の配置、島嶼部へ機動展開する機動師・旅団の改編及び水陸両用部隊である水陸機動団の新編を推進していきます。これらの取組による新たな陸上自衛隊の姿を「即応機動防衛力」と呼称し、その実現を図って参ります。
 私たちは今年も、常に「真に戦えるか、任務を完遂し得る態勢になっているか」という意識を保持し、高い即応性を維持するとともに、部隊としての能力を最大限に発揮できるよう練度を積み上げ、何時如何なる任務が与えられようとも事態に即応して任務を完遂し得る「強靭な陸上自衛隊の創造」を目標に、奮励努力する所存であります。
本年一年の皆様の御多幸と御健勝を祈念申し上げますとともに、より一層の御協力を賜りますことをお願い申し上げ、新年の挨拶といたします。
-
真に「戦える」態勢を
海上幕僚長 河野克俊 海将
 皆様、新年おめでとうございます。海上自衛隊に対して旧年中賜りました数々の御支援、御協力に対しまして厚くお礼申し上げます。
 我が国周辺においては、昨年、北朝鮮によるミサイルの発射に備え警戒監視を強化いたしました。また、中国による海軍艦艇や公船の活動の急速な拡大・活発化に対する情報収集・警戒監視に万全を期しているところです。
 一方、昨年10月には台風26号に伴う災害派遣に、輸送艦等を伊豆大島へ派遣し、統合任務部隊としてその対応にあたりました。また、11月の台風30号の災害によるフィリピン共和国への国際緊急援助活動には、護衛艦、輸送艦及び補給艦を派遣したほか、第4護衛隊群司令が統合任務部隊指揮官として、その指揮にあたり、多大な成果をあげております。
 他方、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動は、昨年12月からより柔軟かつ効果的な部隊運用を行うため、水上部隊の一部を多国籍の統合任務部隊に参加させ、区域防護の任務を開始しました。このことは、自衛隊の歴史においても大きな節目であると認識しております。
 私は、海上幕僚長を拝命して以来、「真に『戦える』態勢づくり」にまい進して参りました。本年も引き続き、私の指導方針である「精強・即応」及び「伝統の継承」のもと、常に原点に立ち返り、足元を見据え、変えるべきもの、そして守るべきもののしゅん別を適切に行い、海上自衛隊員一丸となって「真に『戦える』態勢」を構築していく所存です。
 最後に、本年が皆様にとって幸多き年になることを祈念致しまして、年頭の御挨拶とさせていただきます。
-
精強、健全、明朗闊達に
航空幕僚長 齊藤治和 空将
 防衛ホームをご覧の皆様に、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 昨年、政府は、北朝鮮の核・ミサイル問題の深刻化や周辺海空域における軍事活動の急速な拡大・活発化など、一層厳しさを増す我が国周辺の安全保障環境を踏まえ、国家安全保障会議を創設するとともに、国家安全保障に関する基本方針を示した国家安全保障戦略を策定、併せて、自衛隊が求められる役割に十分対応できる実効的な防衛力を効率的に整備するための新たな防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画を策定しました。
 航空自衛隊におきましては、国内では対領空侵犯措置や災害派遣などの任務を着実に遂行しながら、国外でも南スーダン及びフィリピンにおける国際貢献等に関わる任務を着実に遂行してきたほか、国外訓練を含む訓練や演習等を通じ、統合運用・日米共同態勢の一層の強化に努めてきました。また、複数の大規模な組織改編を行ったほか、松島基地の復興についても、ブルーインパルスの飛行運用を再開させるなど、着実に進めております。
 本年、航空自衛隊は創立60周年を迎えますが、常に国民の皆様のために存在するとの我々の原点を片時も忘れず、精強にして健全、そして明朗闊達な部隊造りに努めてまいります。更には、新たな大綱・中期防に基づき、F—35Aの取得やF—15の近代化改修等を推進するほか、警戒航空隊の改編や固定式警戒管制レーダーの換装等、各種事態における実効的な抑止及び対処並びに安全保障環境の安定化に資する防衛力整備を着実に実施して参りますので、本年も宜しくお願い申し上げます。
 最後に、読者の皆様のご健勝及びご多幸を祈念して、新春の挨拶といたします。

NEXT →
(ヘルプ)
Copyright (C) 2001-2014 Boueihome Shinbun Inc