海上自衛隊の最新鋭艦艇が命名・進水式を行った。10月31日には「そうりゅう」型潜水艦の6番艦として「こくりゅう」が、12月6日には「えのしま」型掃海艇の3番艇として「はつしま」が、防衛省・自衛隊関係者、建造会社社員・関係者、来賓や招待者多数が見守る中、記念の日を迎えた。
そうりゅう型6番艦
川崎重工(株)神戸工場第1船台で平成22年度計画潜水艦(22SS/番号506)の命名・進水式が10月31日に行われ、艦名「こくりゅう」が発表された。同型1番艦である「そうりゅう」から引き続き、瑞祥動物の名から選出された。(※1)三木伸介呉地方総監を執行者とした式典には河野克俊海上幕僚長、菊地勝海幕装備部長、鎌田昭良装備施設本部長等が出席。命名に続き、安全装置の取り外しなど進水作業が行われ、河野海幕長が支綱を切断。自衛艦旗などで華やかに装飾された「こくりゅう」の傍らで呉音楽隊の演奏が響く中、水しぶきを上げ進水が完了、その勇姿を湾内に現した。進水の瞬間を見届けようと遥か遠くにも人垣が出来ており進水時には歓声が上がっていた。
えのしま型3番艦
ジャパンマリンユナイテッド?横浜事業所鶴見工場5号船台(艦艇船台)で平成23年度計画掃海艇(23MSC/番号606)の命名・進水式が12月6日に行われた。発表された艇名は「はつしま」。掃海艇は島の名、海峡の名を付与することを標準とすることから、同型1番艇から引き続き「島の名」から選出された。(※2)式典には、執行者の武居智久横須賀地方総監、菊地<INLINE NAME="" COPY=OFF>勝海幕装備部長、市川武彦装備施設本部副本部長等が出席。サイレン吹鳴を合図に式典が始まり横須賀音楽隊が国歌などを吹奏し彩りを添える中、命名、進水作業が滞りなく進行。武居総監が支綱を切断すると華やかに装飾された「はつしま」は夕焼け染まる東京湾に進水していった。
(※1)「こくりゅう」は、四龍の一つ、北方を守護する神聖な「黒龍」に由来。
(※2)「はつしま」は鎌倉時代の和歌にも詠まれた、静岡県熱海市の由緒ある「初島」に由来。
▽「こくりゅう」(ぎ装員長・伊藤裕雅2海佐)は基準排水量2950トン、全長84m、速力20ノット(水中)、乗員約65名。機関形式はディーゼル・スターリング、電気推進1軸。主要装備は水中発射管1式。「そうりゅう」型は、スターリング機関採用による潜航能力の向上、各種システムの自動化、高性能ソナー装備による索敵能力の向上、ステルス性能向上、安全対策の強化などの特長を持つ。2015年3月頃竣工予定。
▽「はつしま」(ぎ装員長・鈴木厚志3海佐)は基準排水量570トン、全長60m、最大速力14ノット。機関形式はディーゼル2基(2軸)。主要装備は20ミリ機関砲1基、掃海装置1式。「えのしま」型は船体材料に海自として初めてFRP(繊維強化プラスチック)を採用。従来の木造に比べ大幅に耐用年数が延長された。船体を分割して建造し、後で接合する「ブロック建造法」を採用。「はつしま」はFRP製掃海艇として世界最大級で遠隔管制の機関砲を装備する特長を持つ。2015年頃3月頃竣工予定 |