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   2004年11月15日号
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防衛協力・自衛官募集で貢献
78個人、47団体に長官感謝状贈呈
 大野功統防衛庁長官は11月6日、自衛隊記念日記念行事の一環として防衛協力や自衛官募集で今年度功績のあった78個人、47団体に感謝状を贈呈した。
 贈呈式は午後2時からグランドヒル市ヶ谷で始まり、防衛庁・自衛隊の高級幹部をはじめ関係者多数が陪席する中、大野長官が受賞者一人ひとりに真心のこもった労いの言葉をかけながら順次感謝状を贈呈していった。
 引き続き、大野長官が挨拶に立ち、平素から防衛庁・自衛隊に対する格別の協力支援に感謝しながら米国の9・11テロや米軍の再配備問題などについて触れ「世界情勢の変化の中で、日本の安全保障を考え直す節目の時代を迎えている」ことを強調、また、新潟県中越地震の被災地を長官自ら視察した際、人命救助はもとより災害派遣活動中の隊員が作る温かい食事や風呂などに対して被災者は大変感激し、「自衛隊、ありがとう」と心から感謝している姿に接したことを披露するとともに「こうした自衛隊の活動ができるのも、常日頃から防衛庁・自衛隊を支えてくれている皆様のお力の賜」今後とも一層のご支援、ご協力を」と要望した。
 次いで、受賞者を代表して清水徳藏氏(東京都)が、国内の災害派遣や海外でのPKO活動などでの自衛隊の無心の努力に感謝しながら「防衛庁・自衛隊創設50周年の記念すべき年に大野長官から感謝状をいただき、誠に光栄です。この賞を恥ずかしめることなく、今後とも一層の支援を続けていきます」と挨拶し、式を終えた。
 受賞団体、個人名は次のとおり(敬称略、順不同)
 〈防衛協力功労(一般功労・団体)〉▽秋田県防衛協会(秋田市)▽日本通運(株)(東京都)▽(財)日本武道館(東京都)
 〈同(一般功労・個人)〉▽池田幹雄(兵庫県)▽石井昭(神奈川県)▽板谷利雄(北海道)▽伊藤誠一(愛知県)▽宇野保子(愛知県)▽大橋桂子(北海道)▽長田央(静岡県)▽小野幸正(兵魔県)▽開田吉廣(北海道)▽加納賢(石川県)▽藏當真徳(沖縄県)▽黒田勲(東京都)▽神徳通也(山口県)▽後藤文彦(京都府)▽小山正紀(東京都)▽里見弘(福岡県)▽清水徳藏(東京都)▽鷹架武一(青森県)▽高田賢一郎(福岡県)▽田久保忠衛(千葉県)▽照屋林英(沖縄県)▽當山忠茂(沖縄県)▽直野次郎(香川県)▽長沼冨士男(佐賀県)▽西澤哲夫(神奈川県)▽葉坂元義(兵庫県)▽福島信治(千葉県)▽本坊雄一(熊本県)▽前田直己(山形県)▽舛田金明(石川県)▽光武顕(長崎県)▽三村恪一(神奈川県)▽宮川一政(愛知県)▽宮坂真一(長野県)▽山下清美(東京都)▽山下武夫(広島県)
 〈同(就職援護・団体)〉▽阿波銀ビジネスサービス(株)(徳島県)▽(財)茨城県企業公社(茨城県)▽医療法人清仁会シミズ病院(京都府)▽熊本県果実農業協同組合連合会(熊本県)▽埼玉機器(株)(埼玉県)▽昭和メンテナンス工業(株)(福岡県)▽高鍋信用金庫(宮崎県)▽東北綜合警備保障(株)岩手支社(岩手県)▽東北第一物流(株)(山形県)▽(株)東北ダイケン秋田支店(秋田県)▽百五ビジネスサービス(株)(三重県)▽富士ゼロックス(株)(東京都)▽北海道計器工業(株)(北海道)▽(株)マルゼンシステムズ(北海道)▽丸の内熱供給(株)(東京都)▽三沢地域自衛隊退職者雇用協議会(青森県)▽明治安田生命保険相互会社(東京都)
 〈同(就職援護・個人)〉▽野沢謹五(新潟県)
 〈同(予備自衛官等・団体)〉▽青森綜合警備保障(株)(青森県)▽九州警備保障(株)(熊本県)▽極東警備保障(株)(北海道)▽光洋警備(株)(北海道)▽セントラル警備保障(株)(東京都)▽総合システム管理(株)長崎支社(長崎県)▽タイショウ警備保障(株)仙台支社(宮城県)▽中信総合サービス(株)(京都府)▽(株)テクノス北海道(北海道)▽東北綜合警備保障(株)秋田支社(秋田県)▽東洋ワーク(株)(宮城県)▽トヨタ自動車北海道(株)(北海道)▽奈良交通(株)(奈良県)▽日本通運(株)長野支店(長野県)▽不二精密(株)(熊本県)▽マツダエース(株)(広島県)▽山口綜合警備保障(株)(山口県)▽吉川工業(株)八幡支店(福岡県)
 〈自衛官募集功労(地方自治体)〉▽秋田県山本町▽大分県九重町▽群馬県太田市▽佐賀県鹿島市
 〈同(高等学校等)〉▽青森県立八戸工業高等学校(青森県)▽鹿児島県立鹿屋工業高等学校(鹿児島県)▽学校法人高宮学園専修学校代々木ゼミナール岡山校(岡山県)▽学校法人南光学園東北高等学校(宮城県)▽宮崎県立都農高等学校(宮崎県)
 〈同(募集相談員等)〉▽安蒜薫(千葉県)▽生駒耕作(北海道)▽石田秀明(香川県)▽泉本博(大阪府)▽市川充(茨城県)▽伊藤征一(北海道)▽裏田幸治(和歌山県)▽岡田知治(北海道)▽荻野諦然(東京都)▽尾関猛(愛知県)▽越智進(愛媛県)▽笠原昭三郎(埼玉県)▽栗田律子(北海道)▽黒木志津子(長崎県)▽小池明(宮崎県)▽小林徹(栃木県)▽齋藤尚一(山形県)▽三枝隆行(静岡県)▽島田秀夫(島根県)▽清水潤三(兵庫県)▽從二喜一(石川県)▽竹林武一(三重県)▽竹本強(島根県)▽田中澄子(大阪府)▽棚田静雄(福岡県)▽土井忠治(兵庫県)▽徳良一正(山梨県)▽永田洋二(富山県)▽中光二郎(広島県)▽新沼信一(岩手県)▽二宮淳一(鳥取県)▽福田勝治(山口県)▽辺土名一雄(沖縄県)▽松澤藤男(長野県)▽松原健次郎(京都府)▽松山洋三(大阪府)▽宮内英明(滋賀県)▽村瀬賢正(神奈川県)▽山田守志(愛知県)▽山野井正郎(神奈川県)▽横田今朝雄(福島県)

厳粛に中央追悼式
新たに12柱を顕彰
 平成16年度自衛隊殉職隊員追悼式が11月6日、防衛庁慰霊碑地区(メモリアルゾーン)で厳粛かつしめやかに行われ、殉職隊員のご冥福をお祈りした(=写真)。今年度新たに顕彰されたのは、陸自9柱、海自2柱、空自1柱の計12柱で、警察予備隊以降の顕彰者数累計は1,749柱。
 式には、小泉純一郎首相、大野功統防衛庁長官はじめ防衛庁・自衛隊の高級幹部、衆参国会議員、遺族会等部内外関係団体の長や来賓多数が参列した。午前10時、国歌斉唱に続いて音楽隊の荘厳な演奏の中、大野長官が新殉職隊員12柱の名簿を奉納した。次いで、特別儀仗隊の捧げ銃とともに参列者全員で拝礼、黙祷を行った。
 小泉首相は追悼の辞で「自衛隊殉職隊員追悼式に当たり、政府と国民を代表して追悼の誠をささげます。御霊は、我が国の平和と独立を守るという任務に志を抱いて自衛隊に奉職され、任務を遂行中に不幸にして殉職されました。このたび新たに祀られた御霊は12柱であり、訓練中や作業中の事故などにより殉職された方々です。自衛隊員としての誇りと使命感を自らの行為によって示した隊員を失ったことは、自衛隊全体にとって大きな痛手です。御遺族の皆様に対し心からお悔やみ申し上げます。私どもは、このような不幸な事態が再び起こらないよう、今後とも最善の努力を尽くします。そして御遺志を受け継ぎ、常に国民とともにあり国民を守るという原点を守り続けて参ります。御霊の御冥福と御遺族の皆様の御平安を心からお祈り申し上げます」と述べた。
 また、大野長官は「現在の自衛隊の活動は、わが国の防衛に加えて国際貢献や災害派遣など多岐にわたることとなり、日本国のみならず広く国際社会に貢献しているところでございます。これは隊員一人一人が、自らの使命を自覚し幾多の困難を乗り越え、より精強な自衛隊を目指して日夜精進してまいった賜にほかなりません。そのような中にあって、本日顕彰させていただいた方々をはじめ幾多の方々が、旺盛な責任感のもと身の危険をも顧みず任務の完遂に務め、思い半ばにして、その職に殉じられましたことを決して忘れることはできません。このようなかけがえのない方々を失ったことは、ご遺族はもとより自衛隊、ひいては国家にとって誠に大きな痛手であり悲しみに耐えないところであります。私どもは、このような不幸な事態が再び起こらないよう、今後とも最善の努力を尽くしてまいります。また、私どもは御霊の偉業を自衛隊員の鑑として永く顕彰するとともにご遺志を受け継ぎ、自衛隊の任務達成に全力で臨むことを、ここにお誓いするものであります」と追悼の辞を捧げた。
 小泉首相、大野長官、新遺族が順次献花したあと、関係者の献花、大野長官挨拶、遺族代表挨拶(中田貴士君=高校1年)、拝礼、特別儀仗隊による弔銃斉射などが行われ、故人を偲びつつ、その志の継承を全員で誓い追悼式を終えた。(金澤修治)

遺族代表挨拶
 遺族を代表して、一言ご挨拶いたします。
 本日は、お忙しい中、内閣総理大臣を始め、多数の来賓の皆様ご臨席のもと、防衛庁長官主催による殉職隊員追悼式を厳粛かつ盛大に執りに行って頂き、ありがとうございました。
 私の父は今年2月23日、操縦教官として伊勢志摩の山中で対戦車ヘリコプターの操縦教育を行っていた時、思いもしなかった航空事故で、帰らぬ人となりました。
 今、在りし日の父のことを振り返ると、いつどんな状況に陥っても冷静で自分のスタイルを貫き通し、大空に憧れ、操縦教官の仕事に誇りをもち、毎朝制服をしっかりと着て、愛用の緑のカバンを手にし、母と会話を交わし、元気に仕事に出て行ったあの後ろ姿が、つい昨日のように思い出されます。
 仕事から帰り、夕食の時には疲れた顔、嫌な顔もせず、いつも母や姉そして僕の話を優しい笑顔で聞いてくれ、父の温かさを身にしみて感じていました。
 土曜、日曜には、母とともに買い物に出かけたり、姉の陸上競技の大会を見に出かけたり、また僕の野球にも一緒につきあってくれました。何度か父とゴルフの打ちっ放しに出かけた時、「ボールがよく飛ぶ」と自慢げに僕の方を見ていた顔は、数ヶ月たった今もはっきりと思い出されます。
 無理なことだとは思いますが、一度だけでもいいから、父さんと話がしたい。そして父さんの優しい声で名前を呼んでもらいたいと思います。
 父が亡くなってからというものは、僕たち家族3人は、まるで灯りが消えてしまったかのような日々を送っていましたが、皆様の暖かいご配慮、ご支援のお陰で今日を迎えることができました。
 こうして追悼式に参列し、皆様が職務に励んでおられる姿に、父の姿と重なるものを感じ、勇気づけられました。
 後に残された私たちは、明るく逞しく生きることが、父の遺志に応える道であると、改めて感じているところです。
 最後になりましたが、地震や台風などの災害派遣や、イラクの復興支援活動など、毎日のように自衛隊の活躍を見ています。自衛隊への期待が高まってきていると思います。
 どうか自衛隊の皆様、お体には気をつけて、仕事、訓練に、ますますご活躍されることを願っています。
 簡単ですが、遺族を代表してご挨拶とさせて頂きます。本日はありがとうございました。
 平成16年11月6日 遺族代表・中田貴士


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