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   2003年1月1日号
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寄せ書き 新年を迎えて
年男に想う
第4特科群本部中隊 陸曹長 田中 勇進

 私は昭和30年生まれの年男です。節目の年を迎え、先ず想うことは五体満足で自衛官として一社会人として今あることに感謝の気持ちで一杯ということです。特に入隊以来29年の間、お世話になった上司・同僚に深くお礼申し上げます。
 色々な面で自衛隊に期待される事項が年々大きくなってきている中、今年は自衛官として大きな節目の年と捉えています。
 定年まで約6年となり、これから貴重な年を重ねていく私にとって必要なことは「気力の充実」にあると思います。
 今年は初心に還り自らを磨くため「学ぶ」「体を鍛え直す」そしてカンフル材として自分の趣味を織り交ぜて充実感のある年にしたいと思っています。

中堅陸曹として
第101特科直接支援大隊 2陸曹 井内 隆司

 私は今年で36才の年男となりました。
 私が中隊の中堅陸曹として日々心掛けている事は「明るく」「柔軟に」「常に前向きに」です。これは私が2曹に昇任した時、中堅陸曹として掲げた目標です。
 自衛隊の仕事、特に後方関係は一人では絶対に成り立ちません。特に人間関係が非常に大切な所です。その中でこの目標を心掛けることによって道が開けてきたと思っています。
 これからも「明るく」「柔軟に」「常に前向きに」を日々心掛け、自分の能力を信じ常に前を見て全力を尽くす決意です。

年女の抱負
第344会計隊 3陸曹 万丈 雅子

 私は昨年の1月に3等陸曹に昇任し、8月上富良野駐屯地に転属してきました。不安と緊張の中業務に追われながら毎日を過ごし、気が付けばもう新年を迎えています。
 私は未年の24歳、今年は年女にあたります。そこで自分自身を見つめ直す良い機会と思い、年女の抱負を述べたいと思います。
 今年は「どんな小さな事でも常に目標を持つ」「墓本を忘れずコツコツ努力する」「休日は趣味を満喫しリフレッシュする」この3点を常に意識して1日1日を大切に過ごし、来年の今頃は心の満足感、充実感が得られるように頑張っていきたいと思っています。

年男としての抱負
第120特科大隊本管中隊 陸士長 片岡 裕智

 私の目標は陸曹候補生になることです。年男としての抱負は中・大隊、強いては群に必要不可欠な「要」になることです。
 そのために毎日を全力で訓練する事が「要」になる近道となり陸曹候補生指定へ向けての第一歩につながる道と信じています。また、それがこれまで私を成長させてくれた部隊に対する貢献でもあると思っています。
 周りから信頼を得るのは大変難しい事だと思いますが、各種競技会において陸曹として活躍し優勝している自分の姿を想像しながら年男として決意新たに頑張る決意です。

出会いに感謝
国分駐屯地業務隊 2陸曹 福満由美子

 年女を迎えるこの機会に、入隊から現在までに転勤や入校、教育など様々な形で出会った上司や同期、先輩、後輩をはじめ多くの人達を思い出してみようと思い、時間を追って顔を思い浮かべてみました。
 出会った人の中には、顔を思い出せても名前の出てこない人もいて、なんだか申し訳ない気持ちになると同時に、思い出せないほどの歳月が流れたことを感じました。
 多くの人達を思い出すうちに、懐かしさが込み上げ、温かく包まれている様な穏やかな気持ちになっている自分に気がつきました。
 このような気持ちになる事が出来るのもこれまでに出会った人達に支えられ、助けられたからであり、恵まれた環境の中で勤務出来たことに対し、今更ながら感謝しています。
 これから先も、多くの人と出会う事になると思いますが、良い影響を受けながら成長したいと思っています。

年女のチャレンジ
12普連重迫撃砲中隊 陸土長 蔵満まなみ

 月日が流れるのは早いもので、私の自衛隊生活も早5年目、今年は、12年に一度の年女を迎えることになりました。つい先日、成人式を迎えたばかりのような気もしますが、あれから3年も経っているんだなぁ…と思うと少しばかりの淋しさを感じます。10代の頃は、早く大人になりたくて、20歳になるのが待ち遠しくて仕方がなかったのに、20歳になってからは、毎年誕生日がこなければいいのに…と思うようになりそして、気が付けば今年は2回目の年女を迎えることになってしまいました。
 入隊してからの4年間は、自分にとって満足のいくものだと思っていましたが、今振り返ってみると、毎年、特別何の目標もなく過ごして来たような気がします。だから今年1年がもっと有意義な年になるように私は資格取得に挑戦し、将来のために役立てたいと思っています。挑戦してみたい資格は沢山ありますが、その中でも今、私が一番興味を持っているのが「パソコン」に関連する資格です。現在私は、事務室勤務で、パソコンを使う機会が多いのにもかかわらず、不得意です。
 パソコンに関しては素人同然なのでもっとパソコンに関しての知識を身につけたいと思い今年は「パソコン検定3級」に挑戦したいと思っています。
 今年1年に幸あれ!


「父と私の新年」
12普連本管中隊 1尉 横山秀次郎
「あなっつあん(あなた)は百歳まで生きるやろ」と、近所の人から言われていた程、元気だった父が昭和64年1月4日の深夜、入院加療中だった癌の激痛すら覚えることなく静かに77歳でこの世を去った。
 昭和の元号が、平成に替わる2日前のことだった。父は晩年、母方の記念写真を家に飾ったり、私に先祖の墓を案内し、記念の石碑の前で写真を撮らせたりと、今思えば死期を悟っていたのかもしれない。
 父の母は、享年23歳の若さで他界している。3歳の時に母を亡くした父は、悲しみに暮れた事だろう。祖母の位牌はあるが残念なことに写真が1枚もない。陸軍大将の血筋の娘として生まれた祖母は、祖父との結婚を随分反対され挙式も出来なかったらしい。父は祖母の他界後、里子に出され、幼少を過ごし、母親の愛情をほとんど知らない。
 父に外孫が誕生したとき、「子を残して絶対死んではならんぞ」と、私の姉に言ったらしい。明治・大正・昭和と激動の時代を生き抜いた父の77年、母親への恋慕の情は終生消えなかった事だろう。
 新しい年が始まるが、父の命日も近い。父を回想しながら静かに、新年を迎えようと思う。それにしても祖母は一体どんな女性だったのだろう。名は萩江という。

「頑張っています」新しい職場
<活躍するOBシリーズ>
JAたきかわ江部乙支店 原 秀夫
 私は滝川駐屯地を最後に定年退職し、「たきかわ農業協同組会江部乙支店農機自動車センター」に勤務する整備手です。
 これからお話しする内容は、私が定年退職直前に経験した体験談です。普段から退職後は自衛隊生活で培った技術を生かせる職場と考えてはいたものの、何が自分に適しているのか、そして厳しい不況の中、希望どおりの仕事に就けるのかといった一抹の不安がありました。援護センターで就職相談の末、「入隊前の経験と在隊間に経験した車両整備技術を生かす職場はどうだろうか」という援護担当官のアドバイスで決心したのがこの冒頭の職種です。
 退職3ヵ月前、再就職のための研修は人によりまたは部隊・企業の都合により経験したりしなかったりと聞きますが、私の場合は特別の日を除きフルに参加しました。理由は農機具の整備、つまり今回の研修期間中は農家にとって繁忙期、当然機械具の故障・トラブル等ネコの手も借りたい時期での研修だったからです。私は研修するには今が最高の時期だと直感したのです。年間で一番大変な時期を体験しておけば、この後怖いものはないと思ったからです。今振り返って見ても貴重な体験でした。大事な有給休暇・代休を研修で費やすのはもったいないと言う人もいますが、就職準備としての行動で有給休暇を無駄にしたとは考えていません。9月には予定どおり本採用になり、既に研修で世話になった先輩たちが暖かく迎えてくれました。農機自動車センター長からの信頼と職場での人間関係を築く事ができたのです。
 心残りだった妻との九州旅行も、農機自動車センター長のはからいで農閑期に入ってから、2週間の特別休暇をいただき帰省することもできました。最後に、再就職に一番必要なものは「やる気」です。やる気さえあれば不安も解消します。健康でやる気のある人を私の職場でも望んでいます。皆様のご健勝を祈念します。

回想の70年代音楽(2)
「紅白歌合戦改革論」
 ひろか この原稿が載る頃にはNHK紅白歌合戦の出場者も決まって、NHKがやたらに前景気を煽ったりしてるんだろうね。
 だいき まあ、視聴率が70%を超えるのが当たり前だった70年代と比べて50%がやっとやっとな時代ですからね。
 ひろか うん、我が家だって去年の大晦日、一応ビデオに撮っていたけど、結局1回も見ないまま、ドラマを録画するのに新テープが無いからって、つぶしちやった…
 だいき 出場歌手の構成に難があるんだよ。若い方に媚びて最近のJポップ系、年寄りに媚びて演歌歌手をやたらに並べてるけど、まさに70年代に活躍していた30、40代向きの歌手が少ないんだ。特に紅組の方だな、問題は。和田アキ子くらいのもんだよ。
 ひろか 由紀さおりも常連になってるけど、姉妹で別の世界に入ってるもんね。それで今年は、白組はひろみ、秀樹と、今年は朝の連ドラ出演の功により五郎も入って、めでたく御三家が勢揃いするでしょうけど、紅組は…やっぱり朝の連ドラ出演の功により太田裕美の復活は有望よ。
 だいき それだけじゃ物足りないな。柏原芳恵、石野真子、伊藤咲子なんていう辺りにも出てほしいですね。
 ひろか 一体どういう組合わせだか…
 だいき またクイズにしようか。
 ひろか やめなよ。それよりパパのお気に入りは岩崎宏美。最近はミュージカル中心でやってきたけど去年くらいからコンサート活動に戻ってきたんでしょ。出場歌手の年齢、ジャンル構成のバランスを取るなら是非出すべきなのに、どうして去年は落選したのかな。
 だいき バツイチ…
 ひろか それなら石川さゆりも同じじゃない。まあ、今年はどうなるか大いに注目するとして、もう一人注目したいのは加藤登紀子ね。
 だいき 「知床旅情」(71年)を始め70年代を彩る大歌手ですね。新左翼の闘士藤本敏夫氏との獄中結婚(72年)でも話題を呼びましたが、そのご亭主が今年ガンで急逝しました。自然農法に取り組んでいたようなんですけどね。
 ひろか どうも皮肉が好きな人ですね、君は。『婦人公論』を始めいろいろな媒体で彼女はその辺の事情、残された者の思いを語っていますね。愛別離苦といいますか、一番身近のパートナーとの別れはえてして突然に来るものです。それを気丈に耐えてガンバることが今までは美徳であったように感じますが、そうではなく率直に感情を表出するのが当然なんでしょう。そういう価値観の転換を先頭きってやるのも彼女の使命でしょうか。
 だいき NHKの昼の番組(スタジオパーク何とか)にも出演して今の心情を彼女自ら作詞した新曲を披露してました。1年を締めくくる紅白にふさわしい歌だと思うな。

防衛ホーム俳句コーナー
星冴えて停泊船の灯を点す 島田 芳江
日を返すカも失せて真菰枯(まこもが)れ 岩崎 清子
二月はや嫁来る話に村が沸き 大平 光枝
くぐもれる船の汽笛も雲もよひ 中村憲一郎
句の出来るまで掃いてゐる落葉かな 北島 美保
遠富士のくっきり見えてゐて寒し 神吉 秋村
木枯を吸ひこむ谷の深さかな 天本宏太郎
着ぶくれてゐて見るべきは見てをりぬ 鶴 たけし
靖国の鳩の寄り来し初詣 畠山 征宇
一湾の富士大いなる初景色 安福 節子
除夜の鐘妻の水仕の終へる頃 香田 忠男
社会鍋喇叭(らっぱ)に映るネオンかな 松本 弘道
ちゅんちゅんと八幡様の初雀 棚橋 弘子
会ひたしと賀状の隅にさりげなく 徳永ひろ子
日々積る雪に怯える齢かな 井出かへい
人見知りする子と遊ぷ初雀 原 つたえ
手を叩く児に寒鯉の身動かず 金井 トミ
空蒼くあをく里山枯れ深め 畠中 草史
降りしきる初雪肩に戻りけり 渋澤 和之
靖国の大祓の儀子と拝す 松村久美子

選者吟
 初富士のほしいままなる伏屋かな 保坂 伸秋
             (「栃の芽」誌提供)

「栃の芽」誌をご希望の方は<栃の芽会連絡先=防衛庁技術研究本部第4研究所・畠中草史氏 TEL 042・752・2411>へご連絡下さい。


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