6月3日から浜田靖一防衛大臣はIISSアジア安全保障会議(シャングリラ会合)に参加した。IISS(英国国際戦略研究所)が主催するシャングリラ会合は、毎年アジア太平洋地域の国防大臣等が多数参加して地域の課題や防衛協力などを話し合う国際会議で、今年が20回目となる。浜田大臣は8名の国防大臣等と9つの会談を行ったほか、6月3日は「アジアの進展する海洋安全保障秩序」をテーマにスピーチを行った。
6月3日
日米韓防衛相会談(共同声明発出)、日米豪防衛相会談(共同声明発出)、日中防衛相会談、日米豪比防衛相会談、日シンガポール防衛装備品・技術移転協定署名式
6月4日
日豪防衛相会談、日ウクライナ防衛相会談、日韓防衛相会談、日ニュージーランド意図表明文書署名式(※)
※太平洋島嶼国地域における海洋安全保障、人道支援・災害救援および気候変動における防衛協力に関する文書
浜田大臣は4日、記者団に対し「あらゆる危機を回避するためには、常日頃からお互いの意思の疎通が重要であって、常に外交によって交渉していくことを念頭に置いてやっていくことが大変重要だ」と述べ「他の参加者のスピーチでも同じような内容であった。その意味では私たちの考え方というのが理解をされたと思う」とシャングリラ会合を総括した。
シャングリラ会合に先立って防衛省で日米防衛相会談
6月1日、浜田大臣はオースティン米国防長官と防衛省で防衛相会談を行った。1月の日米安全保障協議委員会(「2+2」)から間を置かずの開催に日米同盟の緊密さを印象付けた。会談は前日の北朝鮮によるミサイル発射、ロシアによるウクライナ侵略、中国をめぐる諸課題など、日米同盟を取り巻く安全保障情勢について議論された。
両閣僚は反撃能力の効果的な運用を含めた、日米同盟の役割・任務・能力に係る議論が進展していることを歓迎した。核を含めた拡大抑止についても率直に議論を行っていくことで一致した。防衛装備・技術協力については、無人機に関する協力、極超音速技術に対抗するための将来のインターセプターの共同開発の可能性に関する議論を前進させることを確認した。
共同記者会見で浜田大臣は「引き続き、オースティン長官とともに、日米同盟の強化に取り組む」と述べ、オースティン長官も「今後もさらに同盟関係は強まっていくと確信している」と応じた。 |