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自衛隊ニュース   第901号 (2015年2月15日発行)
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富士学校・開発実験団 原田政務官が視察
 原田政務官は、冬晴れの1月19日、富士駐屯地において、富士学校(学校長・武内誠一陸将)及び開発実験団(団長・手塚信一陸将補)を視察した。
 富士駐屯地に到着した政務官は当初、駐屯地の慰霊碑において献花を行い、殉職隊員に哀悼の意を表した。その後、学校本部庁舎において、学校長、普・特・機各職種部長、富士教導団長等と懇談、引き続いて富士学校が行っている教育・調査研究等について概況報告を受けた。
 富士学校は、10式、90式、74式の三世代戦車を有しており、政務官はこれら三世代戦車の性能を比較する展示を視察し、10式戦車の機動力の高さを確認した。
 引き続き10式戦車に試乗し、スラローム走行など最新鋭戦車の走行性能と旋回性能を実際に体感した。
 午後からは開発実験団を視察し、実験団本部庁舎において団長、装備実験隊長等と懇談、開発実験団の任務・編成等、機動戦闘車、水陸両用車等の試験実施状況について状況報告を受けた。開発実験団は、今後導入予定のAAV7(水陸両用車)を研究用に有しており、政務官はAAV7に試乗し、新装備の高い性能を確認した。

在日米陸軍下士官昇任式
〈座間駐屯地〉
 1月22日、キャンプ座間において在日米陸軍主催の下士官昇任式が執り行われた。自衛隊からは座間駐屯地所在部隊の1月1日付3等陸曹昇任者の5人(第4施設群・伊井3陸曹、七宮3陸曹、大槻3陸曹、斉藤3陸曹、第102直接支援大隊第1直接支援中隊・湖上3陸曹)と、下士官代表として第4施設群最先任上級曹長 倉橋准尉が参加した。
 昇任式では、在日米陸軍ドスティ最先任上級曹長等から下士官としての承認及び祝福を受けた後、「下士官としての信条」「陸曹の心構え」をそれぞれ暗唱し、米軍の伝統であるNCO(下士官)アーチ通過の儀式が行われた。その他、下士官に対する要望をテーマにした寸劇出演やケーキカット等が行われ、厳粛な雰囲気の中にも、終始華やかな米軍ならではの式典であった。
 座間駐屯地は陸自唯一の在日米陸軍と共存する駐屯地であり、当行事を通じて、日米の下士官同士の信頼関係を深めただけでなく、昇任者に対しては陸曹としての自覚を涵養させる良い機会となった。

新春防衛講話及び懇親会
〈東京都防衛協会〉
 2月2日、東京都防衛協会(佃和夫会長・兼東部防衛協会全国防衛協会連合会会長)による「新春防衛講話及び懇親会」がグランドヒル市ヶ谷で盛大に開催された。
 恒例となった「新春防衛講話」の今回の講師は陸上自衛隊第1師団長・永井昌弘陸将。講話開催前から会場に集まった会員達は「昨日のISILの件、何か言ってくれるかな」など楽しみに待っていた。「NATOの集団防衛と近年の欧州情勢及び戦後日本の安全保障体制について」を演題とした講話が始まると皆熱心にメモを取ったり頷いたり、あっという間の1時間だった。解りやすい図解を使っての講話に「今まで断片的に解った気になっていた事が、線になって繋がった」「ISILの背景が少し解った」と、興奮はいつまでも続いた。
 次いで行われた懇親会には、陸自幹部学校長・小川清史陸将、第1師団長・永井昌弘陸将、東京地本部長・竹本竜司陸将補、海自幹部学校副校長・北川文之海将補、空自幹部学校長・小野賀三空将を始め、多くの来賓が参加。また、会の始めには『海自二人目の歌姫』である横須賀音楽隊所属・中川麻梨子1海士が同じく横須賀音楽隊所属・為匡利幸1海曹のピアノ伴奏で「世界の約束」「アヴェ・マリア」「アメイジング・グレース」「Let It Go」「花は咲く」を熱唱。声楽家出身の中川1士の歌声に会場内はうっとりとした空気に包まれた懇親会。中盤では、佃会長・陸・海・空の代表による「新春福引き大会」の抽選を実施。自衛隊にちなんだ景品を引いた会員の笑顔に、一層和やかな雰囲気となった。
 「防衛意識の高揚」と「自衛隊の支援・協力」を目的とした防衛協会。会員全員で「今年も自衛隊の支援・協力をしていきたい」として会を締めくくった。

幹部候補生採用予定者による研修
〈空幹校〉
 航空自衛隊幹部学校(学校長・小野賀三空将)(以下、空幹校)は、幹部候補生採用予定者に対する研修を実施した。
 研修には、来春、航空自衛隊幹部候補生として採用予定の8人が参加し、空幹校総務課長(大石徹郎1空佐)が航空自衛隊及び空幹校の概要や任務等について説明を行った。
 説明を受けた参加者は、採用後の教育内容や部隊勤務について、総務課長の経験談などの内容を興味深く聞くとともに「どんな仕事がきつかったですか」などと質問するなど積極的な姿勢で研修に臨んでいた。空幹校の研修後、参加者は統幕学校、艦艇装備研究所及び防衛研究所を研修し、目黒を後にした。

魁の風
〜中央即応集団〜
Central Readiness Force
南スーダン派遣施設隊(第7次)
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道路整備起工式
 南スーダン派遣施設隊第7次要員(隊長・西村修1陸佐)は、1月17日ジュバ市内にあるハイガバット地区の道路整備起工式を行った。
 同地区は、排水状態が悪く、降雨の度に民家が冠水し、また、道路には約300を超える大小の穴が存在し、通行が困難な状態にあった。同道路は、ジュバ市民及び国連で使用される生活用水の運搬経路である理由からタスク(任務)化され、施設器材小隊(小隊長・山本和範1陸尉)が整備を担任する。
 整備は、ダンプ30台分180立米のマラム(赤土)を使用し、長さ約0・6q、幅約8mの道路の路面形成、転圧を実施する。同地区は住民の生活に欠かせない主要な道路であるため、じ前に住民等に通報するとともに、現地警察と連携して工事を実施する。
 起工式にあたり隊長の西村1陸佐は、「基本・基礎動作の確行を再徹底せよ」の点を挙げ今後の活動に当る隊員に対して訓示した。
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親子でPKO
 南スーダンの国際平和協力活動に安食恵吾陸曹長(47)安食悠哉陸士長(23)の親子が参加している(共に山形県東根市出身)。
 安食恵吾陸曹長は、南スーダン派遣施設隊(第7次要員)では警備を担当し、日々緊張感を持って勤務している。安食曹長は第4次イラク復興支援群に従事した経験をもち、今回の派遣で2回目の国際平和協力活動への参加になる。親子での派遣について、「心配な面もあるが、頼もしく感じています。息子も頑張っているようなので、お互い無事に任務完遂できるように努力していきます」と語った。
 安食悠哉陸士長は、派遣施設隊で補給を担当し、給水に係る任務を一所懸命にこなしている。今回が初めてPKOへの参加で、親子での派遣について、「特に意識はしていませんが、近くにいることで安心感はあります。自分の任務を責任をもってやり遂げたいです」と語った。
 第7次要員で親子での派遣は、安食親子のみ。過去の国際活動でも親子での派遣は極めて珍しい。共に南スーダンの国づくりに日本代表として頑張ってもらいたい。
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兄弟で

 南スーダンの国際平和協力活動に兄弟で参加している隊員がいる。
 兄の煖エ猶輝2陸曹(39)と弟の藤田洋平3陸曹(34)である(共に秋田県由利本荘市出身)。
 2人とも施設科隊員で今回の派遣では、ともに油圧ショベルやブルドーザ等の重機の操作を担当している。入隊の動機は兄の影響という藤田3陸曹は昨年6月に長女が誕生したばかり。兄弟での派遣について「特に意識していません。お互い自分の任務を確実にこなすだけです。任務完遂して帰国したら一緒にお酒を飲みたいです」と語った。
 兄の煖エ2陸曹は、兄弟での派遣について「弟は子供が生まれたばかりなので、よく派遣参加を決心したなと感じました。家族のことは心配だと思いますが、派遣されたからには集中して南スーダンのために精一杯頑張ってもらいたいです」と同じく子を持つ父親として、弟にエールを送った。
 南スーダンでの施設活動は、UN施設内の道路整備などの敷地造成等を実施しているが、1月からはUN施設外の活動が始まるため、これからの2人の活躍が期待される。


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