砕氷艦「しらせ」(艦長・松田弘毅1佐、乗員約170名)は、12月9日、第46回衆議院議員選挙における不在者投票(洋上投票(※))を実施した。
「しらせ」はオーストラリアのフリーマントルで第54次南極地域観測隊員73名が乗艦、11月30日、同地を出港した。外洋に出るとすぐに強い風と高い波が乗艦直後の観測隊員を苦しめたものの、予定通りに海洋観測等を実施しつつ南下した。12月5日には、南緯57度で今次行動初の氷山を視認し、翌6日、南緯60度30分に達したところで針路を西に転じた。
12月9日、西航中の「しらせ」は海上自衛隊としては初となるファクシミリを使用した洋上投票を午前8時から南緯60度15分東経86度40分付近の南極海において実施した。
投票者は士官室で投票用紙を受け取り、必要事項を記入した後、公衆電話室に臨時に設置されたファクシミリからインマルサットの回線を使用して投票を実施した。
洋上投票は、事前に説明を実施していたため、順調に終了した。
今後、「しらせ」は12月中旬に昭和基地のあるリュツォ・ホルム湾の氷海に進入し、来年1月上旬に昭和基地沖接岸を目指す。
※洋上投票制度とは、遠洋区域を航行区域とする船舶等に乗船して日本国外の区域を航行しようとする船員がファクシミリを利用して、外洋から直接投票ができる不在者投票制度の一つである。
平成18年11月に公職選挙法が一部改正され、洋上投票が利用できる指定船舶に「しらせ」が指定された。今回、12月4日に公示された第46回衆議院議選挙での投票を実施したものである。 |