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2011年12月15日号 |
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雪月花 |
ソフトバンクが日本シリーズを制し、今年のプロ野球は終了した。これから、ストーブリーグが本格化する。今年のドラフト会議も選手にとっては悲喜こもごもだった。巨人の原辰徳監督の甥である東海大学・菅野智之投手が、巨人入りを熱望していたが、日本ハムが強行指名し、交渉権を得た。結局、菅野投手は、小さいころからの夢を実現するため、浪人して、来年のドラフト会議で、巨人の指名を待つと表明した。過去にも、元木大介氏などのように浪人などして、初志を貫徹し、希望球団に入った選手がいる。中でも、長野久義選手は、巨人一筋で、日本ハムからの指名を、その翌年にはロッテからの指名を、それぞれ拒否した。ようやく、2009年に巨人からの単独1位指名を受け、入団。1年目から活躍して、新人王となり、2年目の今年は、セントラルリーグの首位打者に輝くという快挙を成し遂げた。もともとドラフト会議は、球団の資金力の違いによる戦力の不均衡を是正するとともに、契約金の高騰を抑制するために、1965年から導入された。この背景には、選手は、個々の球団に就職するのではなく、日本プロ野球機構に就職するという考えがあるという。これはどこか、公務員試験に合格したら、その後、省庁や省庁内の機関に配属される国家公務員の採用試験に似ていると言えなくもない。ただ、決定的な違いは、採用される側の意思が一方的に無視されることや給料などの雇用条件が球団により異なることである。ドラフト制度に泣かされた菅野選手、長野選手のように、プロ野球で大活躍することを期待している。 |
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