国連南スーダンミッション(UNMISS)の開始に伴い、司令部要員として派遣される中村晋士1陸尉と細川拓彦1陸尉が11月28日、成田空港から民航機で出国した。2名は隣国のウガンダで研修を受けたあと、12月4日に南スーダンの首都・ジュバにあるUNMISS司令部に向かった。現地で中村1尉は物資の補給についての調整などを行う兵站幕僚、細川1尉はデータベースを管理する情報幕僚として、それぞれ任務に当たる。
防衛省で見送り行事
出国に先立ち、11月25日に防衛省で出国見送り行事が行われ、防衛省・自衛隊の幹部を前に中村1尉が出国を申告。これを受けた折木良一統幕長は「新しい任務の先駆けとしてしっかり頑張ってもらいたい」と激励の言葉を述べ、2名と固く握手を交わした。続いて渡辺周防衛副大臣から「2人が与えられた任務を完遂し、南スーダン共和国の国づくり、ひいてはアフリカ全土の安定に寄与されることを心から祈っています」と期待の言葉がかけられた。最後に、中村1尉は「日本のため、また南スーダンのために精一杯勤務してまいります」と力強く挨拶した。
見送り行事後、2名は報道陣のインタビューに臨んだ。輸送部隊の勤務経験があり現地で兵站業務に当たる中村1尉は、「日本のため、南スーダンのために勤務できることは非常にうれしく思います」と述べ、また、ネパールとハイチで国際平和協力活動に従事した経験のある細川1尉は、「今までの自衛隊の訓練を通じて得たものをそのまま活かせば、問題なく勤務できると確信しています」と抱負を話した。
【南スーダン共和国】
今年7月にスーダンから分離・独立したアフリカ大陸54番目の国。20年以上に及ぶ内戦で貧困や治安問題など多くの課題を抱えている。特に道路や空港の整備といったインフラ整備が遅れており、日本政府は11月に国連からの要請を受けて、道路の維持・補修や瓦礫撤去などを行う施設部隊の派遣準備指示を発出した。 |