防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2011年11月1日号
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寄せ書き
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「魂の総合力」で勝負
第35普通科連隊(守山) 3陸曹 柳瀬知彦

 8月7日に開催された秩父宮記念第36回富士登山駅伝競走大会に35連隊の代表選手として出場しました。
 3月に発災した東日本大震災では約2ヵ月間にわたり宮城県名取市において災害派遣活動に従事し、富士登山駅伝に向けての本格的な練成は7月からの約1ヵ月でした。
 短い練成期間ではありましたが、過去の経験を活かし、いかに効率よく集中して練成できるかを追及しました。
 また、日本一過酷な山岳駅伝での活躍を通じて「我らの強さ」をPRできれば被災者の方々をはじめ、活動をともにした名取市職員、地元業者の皆さんに、復興へ向けて少しでも力を与えることができると思いました。
 大会当日、我々のタスキと富士山頂の浅間神社のお守りとともに、災害派遣活動で使用したステッカー「がんばろう! みやぎ!」を縫いつけ、選手全員静かなる闘志を燃やしました。
 レースは序盤から好調であり、私の中継点の山岳4区で1位と1分差の3位という好位置でタスキを受け取り、私も1秒でも早くタスキを渡せるようペース配分を入念にチェックして走りました。折り返し区間の山岳8区では、厳しい練成訓練と被災地を思い起こしながら急勾配の坂道を無我夢中で疾走しました。
 残念ながら現在のチームには区間賞を取れるエースが不在です。そのため各個人が1秒の重み、総合力で勝負することを常に意識し、「最後まで諦めない走りをすること」がチームの合言葉でした。この「魂の総合力」で選手全員が戦い抜き、連隊初の第3位入賞(自衛隊の部)という成果を残すことができました。3位を取ったという知らせを聞いたときは、いままでにない感動と達成感を感じることができました。
 これからも持続走を通じて我ら35連隊の強さを証明できるよう自らの地位、役割を理解し、チームの団結力と総合力で更なる上位を目指します。

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教える難しさを知る
第7普通科連隊(福知山) 3陸曹 丸谷智樹

 9月11日、青年会議所京都ブロック会員に対する隊内生活体験の班長を初めて受け持ちました。
 半日という時間的に制約の大きい中での訓練は、思っていた以上に大変で、特に基本教練を教える際の言い回しには苦労をしました。ふだん自分たちが使っている自衛隊用語で指導しても、民間の方には理解し難いと思い、噛み砕いて分かりやすく説明しようと試みましたが、なかなかうまくいきませんでした。
 また、隊員以外に基本教練を教えるのは初めてだったのですが、事前に十分な準備ができず、結果としてイメージ通りに指導できなかったのは反省すべき点であり、次回への教訓にしたいと思います。
 今回の体験入隊支援で改めて人にものを教えることの難しさを知り、自分自身の指揮・指導能力を再確認する良い機会になったと思います。

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主人のために努力
井上由紀 (第109教育大隊=大津、 井上浩樹3陸曹夫人)

 6月末に入籍し、7月から駐屯地がある大津市に大阪から来ました。
 主人が毎朝5時に起きて走ったり、仕事できついメニューをこなしているのを知り、自衛官は体力も精神面も強くないといけない過酷な仕事だと結婚してから近くで見ていて強く感じます。
 毎日頑張っている主人のために、栄養面を考えた食事を作り、休養をさせてあげ、家ではホッとできるような明るい家庭にしていけるよう努力していきたいと思います。

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元気な第2子が誕生
第15普通科連隊(善通寺) 3陸曹 渋谷 健

 5月1日の深夜0時を過ぎるころ、我が家に元気な第2子が誕生しました。1週間ほど早く生まれましたが、3300gのまるまるとした男の子でした。このたびの震災で出産には立ち会うことが難しいと思っていましたが、新たに陸曹候補生の二次試験練成の機会を得て教官として先発で帰隊し、また出産が夜間であったため立ち会うことができました。再び新たな命が産声をあげるその瞬間に居合わせることができたことは不思議な気持ちとともに、感動で胸が熱くなる思いでした。妻はきっとホッとした気持ちであっただろうと思います。
 この子が大きくなり言葉が解るようになったとき、「お前は日本で大きな震災があった年に産まれてきたんだよ」と教えてやり、命の大切さを理解させて、犠牲になられた方々の分も元気に大きくなるよう成長してもらいたいと思います。
 新たに役職も増え陸曹として与えられたことを確実にできるよう、日々努力していきたいと思います。家族に感謝し、まわりの人に感謝し、いま自分がこうやって成長できていることに感謝しながら、子どもが成長するようにさらに自分も成長できたらと思います。


「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ
仙台市消防局 平間 雄
培った知識と経験が活きる
平間氏は平成22年4月、東北方面航空隊を2陸佐で定年退職。56歳

 私は、平成22年4月、仙台市消防局に嘱託として再就職し、現在防災安全部防災安全課に勤務しております。この部署は、仙台市内に震度4以上の地震が発生、あるいは何らかの災害発生の恐れがある場合、市民の生命、身体または財産の被害を軽減するため、日・時別なく自動的に情報連絡体制を強化する業務を担当しております。
 私が、再就職して痛感したのは職場環境の違いでした。私の職場は、朝礼・終礼なし、指示はLANによるメールがほとんど、人と人との接点が少ない自己完結した場所でした。長年、航空運用で多彩な業務を経験し、どのような職域でも順応できると自負していたものの、これには少々戸惑いました。しかし、分からないことがあれば、皆さん親切に教えてくれるので、非常に助かっております。
 消防局員には、これまで業務上自衛隊と連携しながら業務を実施してきたので、当然自衛隊に関してある程度の知識はあります。しかし、防災関連の図上訓練に参加した際、結構間違った知識もあることが分かり、その都度訂正・助言を心掛けております。それ以来、自衛隊について質問されることが多くなったことから、これまで自衛隊で培った自分の知識・経験を活かして分かりやすく説明するよう努めております。
 私の主業務は、消防局と自衛隊との連絡体制の確保であります。再就職先が「自衛隊出身者に求めるもの」は、これまで培った規律心や責任感、行動力、さらに各種資格等、色々ありますが、自衛隊に関する知識を求める場合もあるでしょう。再出発に向け、資格の取得に挑戦して、老化しつつある脳を再活性化させることは大切ですが、退官前に自衛隊という組織を広い視野で今一度確認してみてはいかがでしょうか。
 今後は、自分に与えられた業務をさらに分析し、完璧な業務遂行により職場に貢献できるよう努力していきたいと思います。


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