防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2011年7月15日号
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「三鉄の希望作戦」完遂
9師団
被災鉄道の復旧に貢献

 第9師団(師団長・林一也陸将)は6月1日から14日の間、東日本大震災で被害を受けた三陸鉄道南リアス線の復旧活動「三鉄の希望作戦」を実施、同17日に甫嶺駅(大船渡市)で終了行事を行った。
 この活動には第9施設大隊(八戸)を主力に、施設器材約30台を投入された。同鉄道の唐丹駅(釜石市)から盛駅(大船渡市)までの間を4つの工区に区分し、駅周辺及び軌道上の瓦礫を撤去・運搬するとともに、津波により流出したレールの切断・除去を行った。延べ約2000名が瓦礫約3000m及びレール等約1200mを除去した。
 終了行事には、釜石市及び大船渡市の関係職員、三陸鉄道職員、作業にあたった第9施設大隊長等約25名が参加。概要説明のあと記念品の交換等を行い、和やかな中にも盛り上がりをみせたセレモニーとなった。
 三陸鉄道は、約100年間を費やして完成した岩手県のシンボルであり、沿岸住民の生活における重要な交通手段であるため、その復興・復旧の希望を胸に隊員は活動を行った。


ともしび会
激励の千羽鶴贈呈

 6月30日、自衛隊遺族会航空部会「ともしび会」から航空幕僚長に千羽鶴が送られた。この千羽鶴贈呈は、東日本大震災で被災した宮城県松島基地、岩手県山田及び福島県大滝根山各分屯基地に勤務する隊員を激励したいとの「ともしび会」の発意から実現したもの。
 会員一人10羽を目安に約2週間をかけて最も多い人で170羽、合計で4300羽以上もの折り鶴が折られ、同会本部役員の手で千羽鶴に仕上げられた。これら折り鶴には一つひとつにメッセージが書かれており、中には「じしんでこまっているひとをたすけてくれてありがとう」(会員の7歳の孫)などの心温まるコメントが書かれている。
 贈呈当日、「ともしび会」会員8人が防衛省を訪れ、山本倫子会長から岩崎茂空幕長へ「昼夜を分かたず被災者のために頑張っている隊員の方々に励ましと恩返しの意味を込め少しでもお役に立てれば」との言葉とともに激励の千羽鶴が手渡された。岩崎空幕長は「素晴らしい千羽鶴をいただき、きっと隊員達の明日への希望と大きな力になります」とのお礼の言葉を述べ、被災した部隊を代表して受け取った。
 千羽鶴は松島、山田、大滝根山の各被災基地等に1組ずつ送られ、災害派遣に当たる隊員に感謝とエールが届けられた。


貴重な鉄道牽引車
関東補給処が修復

 陸自関東補給処(処長・平野治征陸将)が昨年12月から実施していた100式鉄道牽引車の修復が完成した。鉄道牽引車は1931年(昭和6年)に配備された装備品で、東京自動車工業(現在のいすゞや日野自動車の前身)で製作され、空冷ディーゼルエンジンを搭載した線路も走れる6輪車。現在では全国で1台となる牽引車だという。
 この100式鉄道牽引車は陸自輸送学校(朝霞) 前庭に約70年の時を経て展示されていたもので、車両全体にさび等の浸食が著しく、またキャビン等の木材が腐敗し、劣悪状態だった。今回、輸送学校から修復の依頼を受けた関東補給処は、修復を技能の向上と技術の継承の場と捉え、火器車両部工作工場の隊員吉田技官他10名で約3ヶ月間の期間を経て修復を完了した。修復作業は各部品を忠実に再現するため磨いてできるものと新たに作るものに区分して行われた。特にハンドルは修復が不可能な状態であったためアルミ材で芯部、木材でグリップ部分を作り、全体を樹脂でコーティングするとともに、グリップ裏の凸凹もピッチを計測して同じ数に再現した。曲線部は手仕上げとし、創意工夫の繰り返しと職人技により、当時の姿をほぼ完全に復元された。
 この鉄道牽引車は、輸送学校(朝霞)に近く戻され、展示される予定。関東補給所では「多数の皆様の見学を期待しています」と話している。


通信学校
徒歩行進で決意新たに
 陸自通信学校(学校長・時津憲彦陸将補=久里浜)は、第60期3尉候補者課程学生40名の幹部任官に伴い、幹部への昇任の喜びと幹部自衛官の重責を自覚させるとともに更なる団結の強化を図ることを目的として徒歩行進訓練を実施した。
 7月1日午前0時、3陸尉に任官した学生たちは、新しい階級章を縫い付けた迷彩服を着て、久里浜駐屯地を出発。鶴岡八幡宮を目標に約22kmを徒歩行進し、午前6時過ぎに到着した。汗だくの学生たちは通信学校長、副校長、第1教育部長に激励の言葉を掛けられ、幹部への自覚と新たな決意を胸に、思い出に残る徒歩行進訓練を無事終了した。

雪月花
 ふるさと納税制度は2008年5月から導入されているものの期待していたほどの広がりはなかった、が今回の大震災で急に浸透度が増したようだ。この制度は納税者が自分の意思でどこの自治体にでも寄付をすれば、いまの居住地で納めるべき住民税・所得税などの税額を算出する際に控除されるもの。さらに「教育に役立てて」とか「老介護施設に」などと使途も指定できる(詳しくはふるさと納税HPで)。利用者は当然ながらそこの出身が多いが、以前に勤務していたことがあったり観光に立ち寄って応援したくなったという人も結構いるそうだ。今回の震災で各団体への義援金は過去最高額になると思われるが日赤に集まったものだけでも1兆円を超えている。しかし報道されるように被災者へスムーズに届けられているようには見えない、仮設住宅で暮らすお年寄りは4ヶ月も経つのに1円ももらっていないという。あるテレビ局ではこの義援金を日赤本社の運営費に流用しているのではないかと同社の役員に直撃していたほどである。ふるさと納税も納付書のやりとりなど手間はかかるが本人の気持ちが直接伝わる。岩手県や宮城県、福島県には2009年度実績の95倍の3億3520万円が3ヶ月で寄せられた。「復興に役立ててほしい」「生まれ育った郷里のために使ってもらえれば嬉しい」などの添え書きがあったそうだ(共同)。税金と義援金を同列に語ることには違和感があるものの4ヶ月を過ぎても惨状を脱出できない様をみると被災地に肩入れしたくなるのは至極当然であろう。

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