自衛隊退職予定者の再就職について防衛省と企業の人事担当者らが意見交換を行う人事援護研究懇談会が2月25日、日本工業倶楽部会館(東京・千代田区)で開催された。防衛懇話会主催で行われ、防衛省側は内局、陸海空各援護の人事担当者など約20名が出席、企業側は約70名が参加した。
はじめに主催者を代表して防衛懇話会の萩原事務局長が出席者の紹介を行い、続いて防衛省人事教育局援護企画室の松村室長が「ご意見・ご要望をいただいて反映していくことで、企業として採用して良かった、自衛官としても採用されて良かったと言えるような環境にしていきたい」と挨拶して研究懇談会が始まった。自衛隊の就職援護業務について空幕人事教育部援護業務課長の平元1空佐が説明し、定年退職者の再就職に関する現状の問題点と対策について述べた。また、隊員の再就職を支援する(財)自衛隊援護協会から柴田東京支部長が同組織の概要説明と退職自衛官に対する職業紹介の状況などを説明した。
防衛省側からの説明に引き続き、企業6社からの発表が行われ、昨今の厳しい経済状況における再就職先を探す難しさや自衛官への要望事項などが述べられた。特に自衛官について、組織行動や即戦力として高い評価を受ける一方で、言葉遣いなど組織風土の違いからくるマイナス面の指摘もあった。防衛省・企業双方の説明の後は懇親会に移り、防衛省側と企業側で忌憚のない意見交換が行われた。
今後、防衛省側は話し合われた意見を取り入れ、現場の隊員に活かしていくこととなる。
研究懇談会を主催した防衛懇話会は、昭和40年9月に経済6団体(経済団体連合会、日本経営者団体連盟、経済同友会、日本商工会議所、東京商工会議所、日本工業倶楽部)を発起人として、国防思想の普及高揚を図るとともに我が国の平和と繁栄に貢献することを目的として設立された。全国の有力企業、著名財界人からなる法人会員約700社、個人会員約150人を会員としている。 |