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自衛隊ニュース   2011年2月15日号
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ソマリア海賊対処6次派遣隊
22空群11名、無事帰国
大村
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 第22航空群(群司令・渡邊剛次郎海将補)は1月18日、海賊対処法に基づくソマリア沖・アデン湾での護衛任務を終え母港(佐世保)に帰港した第3護衛隊所属の護衛艦「まきなみ」に派遣した、第22航空群所属隊員11名(搭乗員8名、整備員3名)の帰国行事を行った。
 午後1時30分、護衛艦「まきなみ」に搭載していた第22航空隊「SH—60K」哨戒ヘリ2機は、冬空の雲間を縫って約5ヵ月ぶりにその勇姿を大村航空基地に現した。
 長崎県防衛協会青年部会長(中島伸彦氏)ほか、多数の来賓、家族、基地隊員等を前に、派遣先任搭乗員(第22航空隊第222飛行隊・福本義大3海佐)以下11名は、第22航空群司令に対し、任務の完遂と無事の帰国を元気に報告し、群司令から、「正月を挟み長期の任務ご苦労であった」と、労いの辞があった。
 派遣隊員11名は、出迎えた多数の家族、来賓、隊員等の大きな拍手に迎えられ、長い任務を終えた安堵感と、久しぶりの親子・家族、友人との再会に緊張もほぐれ、寒さを忘れ「満面の笑み」で接していた。


1500時間
無事故飛行を達成
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 海上自衛隊徳島教育航空群第202教育航空隊(隊司令・向権次2海佐)は、平成19年8月から平成22年4月までの間に、運用機1機あたり連続1500基準時間の無事故飛行を達成し、このほど、海上幕僚長から第2級賞状を授与された。
 202教空では、昭和39年5月以降、無事故飛行を継続しており、平成23年1月1日までに、547330基準時間という世界に類を見ない連続無事故飛行記録を更新している。
 表彰を受け、列線班長・澤誠二2海尉(53)は、「隊員総員が基本に忠実にそれぞれの役割を果たしたことが、今回の表彰につながったものと考えます」と、これまでの任務への取り組みを振り返った。
 同隊は、今後とも向司令の指導方針「基本の遵守」、「即応態勢の維持」、「明るく風通しの良い隊風の醸成」を合言葉に隊員一丸となって、精強な学生の育成に邁進したいとしている。


外交安保分科会が大宮駐屯地を研修
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 大宮駐屯地(司令・山澤將人陸将補)は12月22日、「梅下村塾フォーラム21」の大宮駐屯地研修を支援した。
 梅下村塾フォーラム21とは、官界、経済界における指導者の育成等を目的に各企業及官庁等から幅広い人材が参加している団体企画で、今回は24期生「外交・安保分会」の7名が来隊した。
 駐屯地に到着した研修員は早速、山澤化学学校長に挨拶を受けた際、山澤校長は挨拶で、「大宮駐屯地は、地下鉄サリン事件で活躍した化学学校、第32普通科連隊、中央特殊武器防護隊が所在し、化学対処の経験豊かな部隊が集まっている、日本でも珍しい駐屯地であり、万が一何かあった場合には、いつでも皆様の役にたてるように準備しています」と駐屯地の特異性や重要性を述べた。
 引き続き、化学学校副校長による、NBCとCBRN等、化学関連の概要についてブリーフィングが実施された。質疑応答では化学剤への対応、派遣現場での行動・対処方法について活発な質問・意見が交わされた。
 その後、屋内訓練場を見学し会食を実施、ここでも国内外情勢や災害派遣時の自衛隊の行動対処等、活発な意見が交わされた。
 午後からは化学教導隊による化学防護車、除染車、個人用防護装備等の化学科器材の装備品展示及び第32普通科連隊による個人装備火器・対戦車誘導弾及び迫撃砲の展示が実施され、一行は化学科部隊及び普通科部隊の行動・対処等の基礎知識を深めた。


悪天候の中、2件同時
離島から緊急患者輸送
鹿屋
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 平成23年1月16日は寒気の流入により全国的に大荒れの天候で鹿児島県全域でも降雪が観測される悪天候だったが、第72航空隊鹿屋航空分遣隊は、鹿児島県知事の要請により第1航空群司令(池太郎海将補)の指揮のもと、同時に2件の緊急患者輸送を実施した。
 16日午後12時44分、UH—60J8961号機(機長・多田隆一3海佐以下4名)が、鹿屋航空基地を離陸した。16日午前、鹿児島県薩摩川内市上瓶町在住の男性(74歳)は、診療所で解離性動脈瘤と診断。至急専門医の緊急治療が必要とされたが、県防災ヘリは枕崎空港が降雪のため天候不良で待機中であった。61号は鹿屋基地離陸後、13時05分、鹿児島市内の谷山ヘリポートで医師を収容、14時01分に上瓶ヘリポートで患者、付き添いを収容し、鹿児島市内の谷山ヘリポートに搬送、鹿児島市消防局救急隊に引き継いだ。
 61号の離陸から約20分後の13時08分、鹿児島県奄美市名瀬井根町在住の女性(78歳)は、息苦しさと気分不良のため医療機関を受診し急性大動脈解離と診断された。心臓血管外科のある施設へ搬送し、至急専門医の緊急治療が必要と判断され、UH—60J/8974号機(機長・一瀬昭大3海佐以下4名)が、鹿屋航空基地を離陸した。飛行経路上の南西諸島においても降雪があり、奄美地方は昨年12月31日に約100年振りの降雪が観測され、今季2回目の雪の天候だった。14時27分、佐大熊ヘリポートで患者、医師、付き添いを収容し、同じく谷山ヘリポートまで搬送した。
 平成22年の鹿屋航空分遣隊における災害派遣の回数は43件で38名の緊急患者輸送を実施した。平成23年は1月16日現在で、既に6件の災害派遣を実施しており、昨年を上回る傾向で推移している。
 鹿屋航空基地においては、昼夜を問わず出動待機の態勢を維持している。


話題の新刊
小国と大国の攻防
ロシア帝国とソ連邦の国境が動いた時
鬼塚隆志 著
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 最近の国内外情勢をみるに、北方領土、竹島、尖閣諸島の諸問題について日本国民の多くは国の「主権」という最も重要な概念に気が付きはじめている。
 まさに本書は「国が行うべきことで最も重要なことは、完全な主権をもった独立国家としての存在を保障することである。」とし、著者は、本書がわが国の主権等を確保していく上で、特に今後ロシア及び中国等と関わっていかねばならない日本にとって、何らかの参考になれば幸いであると結んでいる。
 国家主権の姿を大国ロシアと国境を接する二つの小国、北欧のフィンランドとバルト三国の一つエストニアの例をもって国家の独立と安全保障追求の姿をその歴史に見出している。ソ連邦成立、第二次世界大戦という激動の二十世紀の時代に、両国が存亡の危機に直面し、いかに対応しソ連邦の崩壊までの興亡を鋭く分析・評価している。著者は元フィンランド兼エストニア防衛駐在官であった経歴からもその検証に強い説得力がある。その時、政治と軍事の指導層そして国民はどう動いたか。今まさに、わが国が直面する領土問題、安全保障、日米同盟の深化等に関わるいわゆる知識ではなく、真に主権に特化した安全保障の哲学ともいえよう。安全保障を学ぶものにとって必読の書である。〈榊枝宗男(前小平学校長、元陸将補)記〉


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