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943号 (2016年11月15日発行) |
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桑原父子、空挺降下で初めての共同作業
〈入間基地航空祭〉 |
11月3日、約13万人が来場した入間基地航空祭で、父子隊員による空挺降下が行われた。
午前11時頃、上空を6機のC-1輸送機が編隊飛行で会場上空を通過。その後、旋廻してきた13号機から第1空挺団隊員が次々と落下傘降下すると、会場からは歓声と拍手が沸き起こった。父に肩車された少年は「これだよ、僕が見たかったのは!」と興奮気味に群青色の空に咲いた落下傘の花を指差していた。
その空挺降下で2番目に飛び出したのが、息子・桑原翼陸士長(陸上自衛隊第1空挺団=習志野)であり、ロードマスター(空中輸送員)として機内から息子を送り出したのが父・桑原裕則准空尉(航空自衛隊第2輸送航空隊=入間)だ。ロードマスター歴28年の裕則准空尉自身も「なかなか見ることのない組合せ」という父子の共同作業による空挺降下は見事成功を収めた。
警戒管制要員として入隊した裕則准空尉は「航空機に乗って勤務したい」という強い意志を持ち、一念発起して現職についた。ロードマスターとは、人員や物資を安全かつ迅速に運ぶために機内でコントロールをする「空の運び屋」だ。そんな父の後ろ姿を見て、自らも自衛官の道に足を踏み入れた翼陸士長は「父の仕事は難しく特別な仕事」だと語る。一方父は「空挺降下という厳しい環境を自ら望み、選抜試験にも受かり、目標を実現させた事がとても嬉しかった」と笑顔で語った。
降下前に「すこし照れ臭く、緊張するが、いつもどおり飛んで、空挺団の力強さを見せたい」と語った翼陸士長の抱負どおり、桑原父子初の共同作業による空挺降下の勇姿は観客の記憶に焼きついたことに違いない。 |
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