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米空軍参謀総長と会談
〈稲田大臣〉 |
11月7日、稲田朋美防衛大臣は米空軍参謀総長デビッド・ゴールドフィン空軍大将の表敬を受けた。
冒頭、稲田大臣は7月に米空軍最高ポストに就任したことへの祝意を伝え、会談は和やかにスタートした。
稲田大臣は「日本を取り巻く環境は大変厳しく、このような時だからこそ日米同盟は強いということをしっかりと発信していく必要がある」と述べた。また9月にアメリカテキサス州でロールアウトされ、航空自衛隊に42機納入される予定のF-35戦闘機について「航空自衛隊の能力のみならず、日米同盟の深化に繋がるものと大変期待しているので、ぜひ協力して頂きたい」と述べた。
一方、ゴールドフィン大将は「米空軍参謀総長に就任して4ヶ月が経ったが、日本への訪問が私の最優先事項だった。杉山良行航空幕僚長とは非常に良い関係を築いている」と述べ、「私は、日米同盟に対してしっかりとしたコミットメントを持っている。その証として拡大抑止が日米同盟にも適用される」と述べ、今後の協力体制のさらなる深化を約束した。 |
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遠洋練習航海部隊が帰国 世界一周13カ国16寄港地を訪問 |
11月4日、「平成28年度遠洋練習航海部隊(司令官・岩崎英俊海将補。第66期一般幹部候補生課程修了者約190名を含む約750名)の帰国行司が横須賀基地逸見岸壁で実施された。
朝7時頃、雲ひとつない秋晴れの下、練習艦「かしま」(艦長・中村譲介1海佐)、練習艦「せとゆき」(艦長・酒井憲2海佐)、護衛艦「あさぎり」(艦長・寺岡寛幸)が5カ月半の航海を終えて、逸見岸壁に接岸した。
記念の60回目を迎えた今年度は東回りでの世界一周で、13カ国16寄港地を巡った(初訪問国はリトアニア。初寄港地は米国のジャクソンビル、ドイツのロストック、イタリアのチビタベッキア)。実習幹部は実地による知識技術の向上を図るとともに、国際感覚の涵養と諸外国との友好親善の増進にも寄与した。
艦艇から降りてきた乗組員は、早朝から行列をつくって帰国を待ち侘びていた乗組員家族・関係者約600名との再会を果たした。人混みの中、携帯電話で「今どの辺にいる?」と話しながら家族を見つける者、恋人と抱き合う者、赤ちゃんを抱きかかえる者、友人達と記念撮影をする者等、笑顔で溢れた岸壁ではあちらこちらから「お帰りなさい」「お疲れ様」の声が聞こえてきた。
帰国行事は、三笠宮崇仁さまの葬儀「斂葬の儀」が当日都内で営まれていたため、半旗を掲げ、音楽演奏もなく実施された。
岩崎司令官による帰国報告の後、武居智久海上幕僚長から訓示が行われ、初訪問国のリトアニア共和国での活動を例にあげ「各国との相互理解の促進や信頼醸成に大きく貢献した」と述べ、「海上自衛隊の全ての活動の基本が海上勤務にあることを肝に銘じて欲しい」と要望した。今後実習幹部は、各地の部隊に配属され幹部自衛官としての一歩を踏み出すこととなる。 |
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「エア・パワーの戦略的役割」をテーマに空軍大学セミナーを開催
〈空自幹部学校〉 |
10月5日及び6日の両日、航空自衛隊幹部学校(学校長・小野賀三空将)は「エア・パワーの戦略的役割」をテーマに「空軍大学セミナー」を開催した。本セミナーは、平成8年度から毎年、「国際航空防衛教育セミナー」として開催されてきたものだが、一昨年の航空研究センター設立に伴って、内容を拡充するとともに名称が改められ、今回で2回目の開催となった。
冒頭、小野空将は、「グレーゾーンやハイブリッド戦など軍事と非軍事が交錯する状況での柔軟な対応がエア・パワーの今日的な役割であり、その活動領域は宇宙、サイバー空間へ更に広がりつつある」、と研究の取組みへの重要性を強調した。
基調講演では、日本のエア・パワー研究の第一人者である防衛研究所国際紛争史研究室長の石津朋之氏が、「エア・パワーは、今日の時代精神を体現しながらも決して万能とはいえず、限界のある能力が国家戦略の中でいかに効果的に運用されるかが問題であり、日本には、土着性と普遍性の双方を備えた理論の考究が必要である」との指摘を行い、その後、米空軍参謀本部戦略研究グループ、米空軍大学ルメイ・センター、豪空軍航空開発センターからの参加者及び航空研究センター員による意見交換が、約100名に上る聴講者からの質疑も交えて活発に行われた。
なお、今回は、航空研究センターの研究成果を部内外により広く知ってもらうことを企図し、初めて会場を部外に設けて、大学や研究機関、企業等からの聴講者が募られたが、今後はさらにその幅を広げていきたいとしている。 |
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安全保障及び軍事法に関する国際シンポジウムに参加
〈陸幕法務官〉 |
陸上幕僚監部法務官・軽部真和陸将補(他1名)は、9月27日〜9月30日の4日間、韓国のソウル中心部から南東約20kmに位置するソンナム市の会議場で実施された「安全保障及び軍事法に関する国際シンポジウム」に参加した。
本シンポジウムは、安全保障及び軍事法に関するテーマについて、多国間で認識の共有を図る目的で2010年より開催されているシンポジウムであり、今年で7回目の開催となる。
参加者は、アメリカ、イギリス、ドイツ、オーストラリア、フィリピン、タイ、ミャンマー、モンゴル、シンガポール、イスラエル、レバノン、サウジアラビア、パキスタン、エジプト、ペルー及び韓国の17ヵ国の法務将校若しくは軍事法規又は国際法を専攻する法学者のほか、赤十字国際委員会等の組織が参加し、総勢約150名。
本シンポジウムは、「テロリズムと軍事の果たす役割」及び「法務部隊を巡る最近の法的問題」の2つのテーマについて、参加各国が発表・討議を行い、また非武装地帯の研修も行われた。
「テロリズムと軍事の果たす役割」については、テロに対する国際法の適用は難しく、国際法の見直しを含め検討が必要であること及び韓国の対テロへの取組みに係る現状と課題について認識を共有した。
「法務部隊を巡る最近の法的問題」については、参加国の法務組織の現状と課題について認識を共有するとともに、日本側からは、陸上幕僚監部法務官・軽部真和陸将補が、「技能公募予備自衛官(法務)」の概要を紹介し、事態生起時における法務分野の態勢について各国の理解を促進した。
また陸上幕僚監部法務官・軽部真和陸将補は、韓国陸軍法務室長・ホン=チャンシク准将と懇談を行い、陸上自衛隊と韓国陸軍の連携強化の重要性について、認識を共有した。 |
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鳥取中部地震で災害派遣
〈米子駐屯地〉 |
米子駐屯地(司令・福岡和博1陸佐)は、10月21日から28日までの8日間、鳥取県中部を震源とする地震(最大震度6弱)発生に伴い、県知事からの災害派遣要請を受け倉吉市、三朝町、湯梨浜町及び北栄町に給水支援及び公共施設等周辺整備のため部隊を派遣した。
給水隊は順次学校等に給水所を開設し水を求める住民に対し早朝から夜間まで支援を行った。
また倉吉市の清水病院では第13後方支援隊(海田市)の5トン水タンク車で病院の貯水槽に給水活動を行った。
給水にきた住民は「自衛隊が来てくれてとても心強い。本当にありがたいことです」と感謝していた。
また業務隊は、隊員に対する緊急登庁支援における子供の面倒を見る施設を開設し、子供を受け入れた。
8日間の災害派遣実績は人員約800名、車両約180両、延べ給水量約26トンにのぼった。 |
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