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自衛隊ニュース   980号 (2018年6月1日発行)
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平成30年度 遠洋練習航海部隊が出国
163日間で10ヶ国12寄港地を西回りに世界一周
 穏やかな五月晴れで迎えた5月21日、平成30年度遠洋練習航海部隊(練習艦隊司令官・泉浩之海将補、第68期一般幹部候補生課程修了者約190名(うちタイ王国海軍少尉1名)を含む乗員約580名)が、総航程約58000km、163日間にわたる世界一周の航海のため出国した。
 海上自衛隊横須賀基地逸見岸壁で行われた出国行事には、小野寺五典防衛大臣、村川豊海上幕僚長をはじめ防衛省・自衛隊幹部や来賓、関係者、隊員家族等約1200名が遠航部隊の出国を見守った。
 小野寺大臣は訓示で「諸君は江田島の地で1年間鍛え抜かれたという自信と培った知識や技能、仲間との絆を持ってその困難を乗り越え将来海上自衛隊の中枢を担う隊員となる基盤を確立することを期待しています」と述べた。村川海幕長は「柔軟な思考と広い視野を養うとともに、長期かつ制約の多い艦内生活においても常に周囲の者への思いやりとユーモアを失わず仲間との間に真の信頼関係を築いてほしい」と壮行の辞を贈った。
 花束の贈呈を受けた泉司令官は「関係各位の激励の言葉、ご家族の方の声援を胸に元気に行って参ります」と力強く挨拶を行った。それに対し小野寺大臣は「無事の航海願っています。行ってらっしゃい」と練習艦隊部隊を送り出した。
 練習艦「かしま」(艦長・金子純一1海佐)、護衛艦「まきなみ」(艦長・大日方孝行2海佐)に分かれて乗艦した実習幹部は、「がんばってこいよ!」「無事に帰ってきてね!」という声援に対して帽振れで応えた。海風になびく真白な制服がきらきらと輝き、実習幹部の凛々しい姿が印象的だった。
 4月末に入籍したばかりだという女性実習幹部の夫は「幹部として成長できるようがんばってきてほしい」「帰ってきたら美味しいものを一緒に食べに行きたい」と笑顔で話してくれた。手作りの横断幕を手にした義母とともに2人は、小さくなる艦艇を最後まで見つめていた。
 今年度の遠洋練習航海は、インドネシアのジャカルタを皮切りに中東、ヨーロッパ、アメリカ等10ヶ国12寄港地を西回りに世界1周し、ハワイに寄港した後10月30日に帰国する予定だ。この期間に実習幹部は慣海性や国際感覚を実地に養い、幹部自衛官としての必要な資質を育成するとともに、訪問国との友好親善の増進に寄与する等重要な役割も期待されている。

タイ王国国軍司令官公式招待
河野統幕長
 5月17日、河野克俊統合幕僚長は、防衛省にタイ王国国軍司令官・ターンチャイヤン・スリスワン陸軍大将を公式招待し会談を行った。
 儀じょう広場で栄誉礼・儀じょうを受けた河野統幕長とスリスワン司令官は場所を第1応接室に移した。会談では冒頭、河野統幕長がスリスワン司令官の訪問を歓迎するとともに、タイからの留学生と同部屋だった防衛大学生時代の話をする等終始和やかに行われた。両者はインド太平洋地域における安全保障上の関心事項について意見交換を行い、防衛協力・交流に関する今後の方向性において認識を共有した。また、多国間共同訓練コブラゴールド、ソマリア沖アデン湾での海賊対処、教育交流や艦艇・航空機の寄港等、引き続き協力関係を進めていくことで一致した。
 スリスワン司令官は、会談後、習志野駐屯地で部隊研修、翌日18日は防衛大学校を訪問し、タイの留学生との懇談、授業風景の視察等を行った。

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