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   2004年1月1日号
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「美しき大空と共に」
空自50周年記念キャッチフレーズ、ロゴマーク各々決まる
 空自創立50周年記念のキャッチフレーズとロゴマークが、各々このほど決定した。応募総数はキャッチフレーズが359点、ロゴマークが131点で、「シンプルであること」「一般の人にも受け入れやすいこと」を条件に選考を重ねた結果、キャッチフレーズは阿部伸氏(会社員、42歳、福岡市)、ロゴマークは吉永淳3佐(空自3輸空隊、38歳、美保基地)の作品がそれぞれ最優秀に輝いた。
 キャッチフレーズ「美しき大空と共に」と太陽をイメージし、鮮やかな赤を基調としたロゴマーク「上図」は、空自創立50周年記念用のポスター、パンフレット、グッズ、名刺、航空機の記念塗装などに採用するとともに航空祭、開庁祭など50周年の各種行事にも活用していく。
 なお、イメージソングについては現在、選考中で年度末までに決定する予定。

インド洋で支援活動続く
補給艦「とわだ」「はまな」に1級賞状
 テロ対策特措法に基づく協力支援活動に2年間にわたって従事し、米海軍等10カ国の鑑艇にたいし洋上補給を実施してきた補給艦「とわだ」(艦長・小島英伸1海佐)及び「はまな」(艦長・深堀眞人2海佐)に対して12月11日、石破茂防衛庁長官から第1級賞状が授与された。
 「とわだ」は11月19日までに計435日間、「はまな」は8月22日までに計444日間協力支援活動に従事し、わが国が国際的なテロリズムの防止及び根絶のための国際社会の取組に積極的かつ主体的に寄与、我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資する上で多大な貢献を行うとともに自衛隊に対する国内外の理解と信頼を深めた功績により表彰された。
 この日は、海上幕僚長はじめ、前「はまな」艦長・間々田1佐(現大指隊司令)、前「とわだ」艦長・外村1佐(現舞監管理部)の立会いのもと、第1級賞状の授与式が行われ、引き続く懇談では、インド洋での活動状況や派遣中のエピソードに大いに盛り上がった。
 テロ対策特措法に基づく功績での部隊表彰は、今回が初めて。

平成14年度地連表彰 京都などに1級賞状
2級は14コ地連
 平成14年度地連表彰が12月16日に行われ、第1級賞状は京都、兵庫、宮崎の3コ地連に、また、第2級賞状は札幌、旭川、帯広、宮城、秋田、群馬、新潟、岐阜、大阪、岡山、徳島、愛媛、高知、熊本の14コ地連がそれぞれ受賞した。
 第1級賞状は石破茂長官にかわって守屋武昌事務次官が次官室で各地連部長に賞状を伝達、また、第2級賞状は先崎一陸幕長が陸幕長室でそれぞれ授与した。

舞地隊が大阪大学大学院生研修を支援
 舞鶴地方隊(総監・岡俊彦海将)は11月24日、大阪大学大学院国際公共政策研究科と自衛隊との国際安全保障に関する共同研究(WINS2003)を支援した。
 同研究参加者は、「多様な任務を担う自衛隊」をテーマとして、今回舞鶴地方総監部、第24護衛隊「みねゆき」、第2ミサイル艇隊及び舞鶴航空基地隊などを1日がかりで研修した。艦内ブリーフィリングの後、隊司令(茂原清二1佐)以下幹部とともに昼食をとりつつ懇談を行い、その後、艦内見学を実施した。
 参加者32名のうち、ほとんどの院生が自衛官見学末経験者で、みねゆきの搭載武器などに触れ、海上防衛の現場を理解しようとしていた。特に、日頃艦内公開を実施していないエンジンルームでは、機器の多さ、大きさに一同驚きの声をあげていた。
 また、みねゆきは、平成14年3月12日から4月28日までの間、東ティモール国際平和協力業務に従事しており、研究テーマに沿った質問も交わされ、現場の生の声に真剣に聞き入っていた。

<論陣>
賀正・2004元旦
防衛庁・自衛隊の真価発揮
イラク復興支援
見落とせない幹部の苦悩
 明けましておめでとうございます。「防衛ホーム新聞社」所谷尚武社長をはじめ、編集、営業部門などで日頃、ご愛顧を賜わっております防衛庁・自衛隊およびご協力いただいている皆さまに『2004年』が、本当に良い年でありますよう、新春にのぞんで、心から「祝」の言葉を贈らせていただきます。
 平成16年は、防衛庁・自衛隊関係者にとって、平年とは全く異なった年になろうとしております。自衛隊の真価を世界に誇ると同時に、隊員にとっては苦節をともなう年になるかも知れません。その節目を乗り越えてこそ自衛隊は「平和を守る国民の一員」であり「国際貢献集団の一員」となることは確実です。
 陸海空自衛隊員は、「小泉首相とブッシュ米大統領が約束したからそれを果たしにだけ行く」のではありませんし、「治安最悪なイラクの治安を武力で正常化するため」に行くのではありません。あくまでも、戦火で廃墟と化したイラクの復興を支援するのが目的で行くのです。学校がくずれ落ち、勉強もできずに日々を送っているイラクの子供たちのために、校舎を修復するのも、一見、小さな仕事に見えるかも知れませんが、イラクの子供たちにとっては、とても大きな仕事であり、神さまからの贈り物なのです。病院の修復もそうです。現にイラクで病魔と闘っている人たちには、満足な医療施設もなく、医薬品も不足しています。戦いは善良な市民に食さえ与えようとしていません。こうした人たちに病をいやす病院を直して使ってもらい、一日も早く、祖国イラクの再建に立ちあがってもらいたいのです。
 一滴の水――簡単なひと一言ですが、イラクの人たちは、たった一滴の水さえ満足に口にすることができないのです。その人たちに"命の水"を。これが自衛隊員の願いなのです。石破茂防衛庁長官はじめ内局高官、陸海空自衛隊最高幹部の苦悩は手にとるように分かります。批判する側は、推理と憶測を論点の中心に据えていろいろと論争をいどんできています。対して情報、それも的確な情報と作戦計画、将来像をも含めて「真剣勝負の場」に臨み、時として苦渋の決断もしなければならない幹部の方々の悩み、苦しみこそ、「将来の真の世界平和実現」への努力だと考えます。
 自衛隊は実動しはじめました。あとは派遣された隊員たちの安全をどう確保しながら、イラク再建のためにどう効率的に活躍してもらうかでしょう。自衛隊員とイラクの人たちの間にギクシャクしたものが芽生えてはなりません。「日本の自衛隊員のみなさんは、本当にイラクの人のために来てくれたのだ」と信じてもらうのが最善の道です。老人、子供、主婦、その一人ひとりと笑顔で接し、たまには、ともに遊び、ともに仕事をし、ともに食べる。顔の色、目の色、書葉が違っても"心と心"は必ず通じ合えるものです。
 サダム・フセイン元イラク大統領はイラク北方の小さな村落の地下に潜んでいたのを米軍に発見され、身柄を拘束されました。これが、かつてイラクの独裁者かと疑わせるような拘束時の姿でした。しかし、フセインが掴まったといっても、ゲリラ、テロが皆無になったわけではありません。フセイン直結のテロ小部隊の動きは弱小化するかもしれません。しかし、かつて、フセインの側近でぼう大な利権を得ていた者が、復権を狙って闘いを挑むかも知れません。そのほか、イスラム過激派アルカイダなどは、イラク政情と関係なくテロをくり返す可能性があります。
 もし、そうした冷血集団が自衛隊、日本公館などに刃を向けてきたら、断固、"自己防衛""正当防衛"しかありません。できるだけ善良な市民を守りながら「正義の弾」を射つ以外に道はありません。
 内地指揮官、現地指揮官の指示の下、粛々と派遣任務を遂行されることを祈ってやみません。
 2004年。日本にとっても、自衛隊にとっても、脳裏に残る年であることは間違いありません。いい"想い"が残ることが、世界平和の恒久化につながることは確実です。

陸自中音コンサート
1,500人が感動!!
野中隊長のトナカイ姿も
 陸自中央音楽隊(隊長・野中図洋和1佐)の定例演奏会が12月11日練馬文化センター・大ホールで開催された。第59回を数える。
 この冬一番の冷え込みと言われた雨の中にもかかわらず大ホールはほぼ満席の1,500人がつめかけた。
 第1部は菅原茂副隊長の指揮で初演の「雪の幻影」や日本のうたメドレーなどが演奏された。その中で、おそらく観客のほとんどが初めて聞いたのではないかと思われる、テルミングが竹内正実さんの演奏で披露された。これは2本のアンテナを立てラジオの電波を右手と左手で遮ったり、通したりして音階を作るもので悲しいようななつかしいような幽玄を想わせる音色だった。
 2部は野中隊長の登場で、黄色いリボンや聖者の行進がジャズにアレンジされての演奏。いつか見た映画のシーンをダブラせながらみんな熱心に聞き入っていた。アンコールでは昨年も好評を得た演奏者全員がサンタさんになって登場、野中隊長がトナカイ姿で指揮をとる楽しい場面もあった。
 会場に来ていた40代の女性は、からだ中が身震いするほど感動するこの音楽会にハマっています。毎回ハガキを出して楽しみにしています、と話していた。また一般観客にまじって、当日演奏した歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲を編曲した川辺真さんや「雪の幻影」を作曲した飯島俊成さんの姿もみえた。(所谷)

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