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自衛隊ニュース   941号 (2016年10月15日発行)
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「ふゆづき」ダーウィン沖で日豪合同洋上慰霊祭
 護衛艦「ふゆづき」(艦長・織戸邦明2海佐)は、豪州海軍主催多国間海上共同訓練(KAKADU16)参加のため9月11日、オーストラリア・ダーウィン港に寄港、同14日、日豪間の友好親善活動を推進している豪日協会(副会長・小林麻子氏)の協力のもと、伊124号潜水艦で戦士された英霊と帝国海軍空母艦載機による同港の空幕で亡くなられたオーストラリア人戦没者に対する洋上慰霊祭を挙行した。
 伊124号潜水艦は、今から約75年前の大東亜戦争中、ダーウィン沖に機雷を敷設した後の哨戒中に、連合国軍艦艇の爆雷攻撃を受け沈没、司令・艦長以下80名全員が戦死している。
 来年2月には、同艦の慰霊碑を建立し、除幕式が行われる予定である。なお、この慰霊碑の建立、除幕式に対しては、オーストラリア国防省及び北部準州政府も予算を支出支援している。

「真珠の会」が絵本を贈呈
〈大村基地〉
 9月2日、海上自衛隊大村航空基地において「真珠の会」(会長・海上幕僚長夫人)から第22航空群大村航空基地海曹会(会長・丸野秀利海曹長)に対して子供向けの絵本が寄贈された。
 これは、大村航空基地が平成28年熊本地震発生時に深夜の緊急登庁支援として基地内に解説したキッズ・ルーム(隊員が緊急登庁時に子供の預け先がなく帯同して登庁せざるを得ない子供を一時的に預ける施設)に「真珠の会」が強い関心を持ち、「是非、子供のためにキッズ・ルームで絵本を使って欲しい」と、大村航空基地海曹会へ申し出があって実現したもの。
 当日、「真珠の会」佐世保地区役員(佐世保地方総監夫人)が絵本10冊を大村航空基地へ持参し、第22航空群司令(大町克士海将補)をはじめ、大村航空基地海曹会の主要メンバー、訓練に参加中の保護者隊員とその子どもたちが立会い、寄贈式、記念撮影などが実施された。
 また、当日、大村航空基地隊が防災訓練の一環として実施したキッズ・ルーム設営訓練において、早速、寄贈された絵本が活用され、保護者隊員と一緒に参加した子供たちも絵本を手に取ったり、隊員の膝の上で読んでもらったりと楽しいひと時を過ごし、大変喜んでいた。
 大村航空基地海曹会では、以前から各家庭で不要になった玩具などを隊員から寄贈を受けてキッズ・ルームに提供してきたが、会長の丸野海曹長は今回の寄贈について「「真珠の会」が大村航空基地の緊急登庁支援に関心を持っていただき、このような絵本を多数頂けたことは本当にありがたい。今後もより一層家族支援を充実させて小さな子供がいる隊員も任務にまい進できる環境にしていきたい」と語った。

「くろべ」が「しらせ」の初発着艦訓練を支援
 9月7日午前8時53分、まだ残暑厳しい瀬戸内海の伊予灘に浮かぶ訓練支援艦「くろべ」(艦長・横手正剛2海佐)の上空に「漆黒のオーロラ」が出現した。
 今年の8月10日に「しらせ」の搭載機として領収されたばかりのCH101の3号機(93号機)(機長・橋本直樹3海佐)が、艦艇における初の発着艦訓練のため、「くろべ」に飛来したのである。
 訓練支援艦「くろべ」は慣熟訓練期間中であり、第1海上訓練支援隊司令(日熏F次1海佐)の訓練視察を受けつつ「オーロラ93号機」の発着艦訓練支援を実施した。
 左見張員が緊張した声で叫ぶ。「航空機1機、左60度(距離)フタマルマル(約18q)、本艦に近接する!」
 接近する台風13号の影響で今にも泣き出しそうな曇り空を、力強いエンジン音で切り裂きながら、「漆黒のオーロラ」は「くろべ」に舞い降り、約2時間に及ぶ発着艦訓練を通じ、操縦員の技量と「くろべ」の発着艦関係員の技量を大きく向上させることができた。
 訓練修了後、一段と輝きを増した「漆黒のオーロラ」は、訓練基地である岩国へ向け、上空に姿を消した。「しらせ」の前艦長である日燻i令及び「くろべ」乗員一同は「オーロラ93号機」の南極での活躍を祈りつつ、母港へ帰投した。

練習員課程・一般海曹候補生課程修業式
〈佐世保教育隊〉
 佐世保教育隊(司令・杉山治1海佐)は、第365期練習員課程(8月22日)及び第9期一般海曹候補生課程(8月26日)の修業式を佐世保地方総監・山下万喜海将臨席のもと厳粛に挙行した。
 課程修了申し渡し後、司令式辞で「さらなる知識技能の修得及び自己の修養に努め頼もしい自衛官となれ」、総監からは「任務に全力を尽くし一人一人が輝け」と訓示を受けた。
 練習員課程109名及び一般海曹候補生課程159名総勢268名は、この5ヵ月間、海上自衛官としての基礎的な知識、技能を修得するため、様々な教育訓練を受け、体力を練成し心身の鍛錬に努めた。
 入隊当初は、指導に対応できない者、団体生活に馴染めない者なども散見されたが、同期でお互いに励まし合い、競い合い、修業時は社会人として、自衛官として立派に成長した。
 修業式及び壮行会終了後、多数の部内外来賓と家族及び職員に見送られ、元気な笑顔で、全国各地の任務に向けて旅立って行った。

練習員課程修業式
〈呉教育隊〉
 8月22日、呉教育隊において第365期練習員課程学生106名の修業式が、小村和年呉市長をはじめ部内外多数の来賓の出席を得て挙行された。
 修業式では、呉地方総監・池太郎海将が、「諸君に期待する事は何事に対しても『愚直たれ』ということである」「愚直さを追求するために、『最後まで「あ」きらめない』、『物事を「あ」などらない』、『人を「あ」ざむかない』、この3つの『あ』の実践を通して『愚直さ』を追求していってもらいたい」と訓示した。
 修業学生代表の東洋介2海士(山口県私立早鞆高校出身)は、「私たちが、この教育隊生活や訓練を通じて身につけたものは、どんな困難にも負けない不撓不屈の精神、そして団結心であり、同じ目的を持った者同士、喜びや苦しみを分かち合った経験は、私たちの人生にとって大きな宝です。呉教育隊第365期練習員としての誇りを胸に精一杯精進します」と決意を表明した。
 見送りに参列した学生家族の中には、入隊当時とは見違えるほどたくましく成長した息子が別れの帽子を振る制服姿に、涙を拭いつつ暖かい激励の拍手を送っている姿があった。

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