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915号 (2015年9月15日発行) |
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雪月花 |
7月15日号当欄「碁盤の臍(へそ)」で囲碁の脚付きの碁盤の裏には大人の拳くらいの窪みが穿(うが)たれているのはなぜですかの呼びかけに何人かの読者から回答が寄せられた、ありがとうございました。10年ほど前に防衛施設庁長官をされたアマ6段のYさんからは、脚の形は梔子(くちなし)の実を模しており「助言無用」の「口無し」を表し、碁盤裏の窪みは「血溜り」とも言われ助言者の首を切って載せたときの血だめとも称されていると資料も添えて答えをいただいた。林野庁に勤める碁盤にくわしい友人にわざわざ聞いてみたといわれる自衛隊OBの方からは、昔の箱型に作られていた時代の音響のための名残ではないか、そして盤裏の表面積を増して乾燥を速め割れを裏面に導く昔の知恵が込められているのではないかとのご推察を頂戴した。前稿にも書いたが観戦者の助言は対局者にとっては一番の忌み嫌うものだ、局後の感想戦は大いにやるべきだが…。囲碁史研究家の南雄司先生に紹介していただいた「欄柯堂棋話(らんかどうきわ)は林元美(しげみ)(1778〜1861)という棋院四家(本因坊 井上 安井 林)の中の林家11世が19世紀のはじめに著したものだが、この中にも「弁慶、囲碁を傍観し助指の事」として対局した義経一門の兵にあの怖い武蔵坊弁慶が頬を激しく叩かれたことが書かれている。囲碁愛好家の気持ちは平安時代も現代も変わっていない。 |
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