地震・雷・火事・オヤジと日本で代表される怖いものという認識はあると思うが、今回の災害で、新たに加えておきたいフレーズがあります。それは、地震・雷・火事・津波です。あの3月11日の出来事は、日本を震撼させました。家や車、人までも飲み込んだあの大津波は、多くの命を一瞬で奪い去りました。私は自衛官であるとともに東北人でもあり、とても他人事とは思えませんでした。初めは待機任務につくことになり、被災者の悲痛な叫びを各メディアで見ることしかできず、今すぐにでも、現地に駆け込み、瓦礫の暗闇の中で助けを待っている人達を救出しに行きたい衝動に駆られました。
現在は、行方不明者の捜索に参加しておりますが、まさに山口連隊長が掲げている「大和一丸」をモットーに、日本人が本来もっている五心を携えて、どんな形でもいいので被災者の方々の支えになれればと思い勤務しています。メディア等の有名人や色々な方々の活動は、被災者に勇気や希望を与えており本当に素晴らしいことだと思います。人それぞれにできることからコツコツと、復旧に向け歩き出すためのきっかけ作りを被災者の方々へ送り続けています。
私たち自衛官もそれと同様、直接現場で、復興・復旧等、被災者の方々が今後笑顔を取り戻すための礎になれればと日々の任務に邁進したいと思っています。2ヵ月たった今ですが、これからが本当の正念場ですが、みんなが手と手を取りあい、この日本最大の窮地を乗り越え、流した涙の後には満面の笑みが見える、何があっても折れない心をもった強い東北を応援していきたいと思いました。
最後に、全自衛隊の皆さん、ともにどんな苦境にも屈せず「大和一丸」この事態を打開し、明るい日本の未来を必ず取り戻しましょう。今こそ日本国自衛隊としての真価を問われる時期、ともに見えない絆で結ばれています。未来の希望に向け一歩ずつ突き進みましょう。
※五心
「ハイと云う素直な心、すみませんと云う反省の心、私がしますと云う奉仕の心、おかげさまでと云う謙虚な心、ありがとうと云う感謝の心」
※大和一丸
・中央即応連隊の本災害派遣任務の作戦名
・「連隊は、東日本はもとより、今後の日本の浮沈を賭けた作戦と捉え、『大和一丸作戦』と命名した。」(中央即応連隊長)
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