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護衛艦「まつゆき」で部外講話
「海上自衛官よ、現代の武士たれ!!」 |
第14護衛隊所属の護衛艦「まつゆき」(艦長・北川敬三2海佐 定係港・舞鶴)は、訓育の一環として2月10日に人間環境大学(愛知県岡崎市)の川口雅昭教授を部外講師に招いた。講話の演題は「武士の生き方 吉田松陰を中心として」であった。川口講師は、高校時代に幕末維新の志士である吉田松陰の生き方に感銘を受けて以来、約40年にわたり研究にその身を捧げる松陰研究の第一人者であり、著者も多数。
川口講師は、艦長の山口県立宇部高校時代の恩師で、現在も師弟関係にある。高校卒業時の艦長が、進学先に米国海軍兵学校を選択したのは、「男子たる者、成田を出て活躍する人間になれ」という教えによるところが大きい。
講話において、講師は「自衛官としていかに生きるべきか」について、生活のあり方から勤務、訓練等に至るまで、松陰先生の気持ちを代弁するがごとく熱い想いを乗員に伝えた。日々の研究を通じ、現代の武士である自衛官に最も伝えたいこととして、特に、次の3点が強調された。その一つは「風流、遊芸、奢侈に走る生活を絶対にするな(派手な遊びや贅沢はしてはならない)」である。次に、「権門勢家に奔走するな(偉い人の所に用もない限り行ってはならない)」である。その本旨は、国を想い手柄をたてようと焦ることなく、与えられた任務や訓練に全力を期し、日々武義を学び、武器の手入れを怠らず、修練に励むことである。
最後に、「学は、人たる所以を学ぶなり(学問とは、人間とは何か、いかに生きるべきかを学ぶこと)の言を挙げて講話を締めくくり、「自衛官である前に、立派な人間となること」を人生の先輩として伝えた。
また、終始乗員の笑いを誘う講師のユーモアは、講話を年齢、階級に関係なく、理解し易いものにしており、講和後の質疑応答も活発であった。この講話は、海上自衛隊を取り巻く環境が目まぐるしく変わる中において、我々隊員が何をなすべきかについて考える上で、一つの大切な指針を示してくれるものであった。
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第43回トーキングフェスティバル開催
〈横須賀上級海曹会〉 |
3月5日、横須賀上級海曹会(会長・菊地一彦海曹長)は、横須賀地方総監部基地内にある横須賀厚生センターで「トーキングフェスティバル」を開催した。
この催しは、年間3回(ゴールデンウィーク、夏休み後、クリスマスの時期)実施しており、横須賀上級海曹会に加入する部隊及び機関に勤務する、30歳以上の独身の自衛官(3曹以上)や事務官を対象として、一般女性との出会いを通じ、交友や社会見識を広げ、豊かな人生を育んでもらいたいとの願いから始めた集いであり、今回で43回目を数える。
当日は、晴天に恵まれ会場内は、若き男女総勢約160人の熱気で充満し、華やかな装飾が施された会場では、参加男性が女性を拍手で迎えて、トーキングフェスティバルは始まった。
参加者たちは、フリータイムやビンゴゲームなどで雰囲気が和み、会話をしながら気が合う相手を探していた。
パーティは、佳境に入り行動力と会話力が必要になってくるが、普段あまり話が得意ではない男性隊員でも積極的に行動し、女性との会話も弾み、パーティは大いに盛り上がった。
次回は、5月に実施する予定で、横須賀上級海曹会では、一人でも多くの隊員が良き相手と知り合い、良き社会人、良き自衛官となり、それを励みに日々の勤務に精励してほしいとしている。 |
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横監援護業務課が就職援護広報実施 |
2月25日、関東地方に春一番の南風が吹く中、海上自衛隊横須賀地方総監部援護業務課は、第4、21航空群の協力を得て、海上自衛隊厚木航空基地で「救難ヘリコプターの体験搭乗及び基地見学」の就職援護広報を実施し、雇用企業主等17人を招待した。
最初に、厚木就職援護室長から基地概要等の説明を受けた一行は、航空部隊の多種多様な任務や海上自衛隊の役割の重要性を認識した様子だった。次に航空機整備を担当する第4整備補給隊で航空機の整備作業、エンジン整備場などを見学した際には、担当者にエンジンの作動原理等について熱心に質問する企業主も見られた。
午前中の見学を終え、第73航空隊所属(館山航空基地)の救難ヘリコプター(UH—60J)で横浜、鎌倉方面の体験搭乗に臨んだ。離陸後、ヘリコプターの振動や騒音に驚く人もいたが、ランドマークタワー、大桟橋等の観光スポットを発見するたびに感激する様子を見せるなど、刻々と変化する眼下の大パノラマをカメラに収め束の間の空の旅を満喫していた。
また、体験搭乗のほかに管制塔、着陸誘導管制所を見学し、管制官が航空用語を駆使し航空機を安全に離着陸させるべく管制業務に真剣に取組む姿勢に感心していた。
参加者は、普段目にする機会のない海上自衛隊航空部隊の業務の一端を体験できたことに非常に感動していた。海上自衛隊横須賀地方総監部では、今後とも就職援護広報の機会を有効活用し就職援護に理解を頂ける企業を拡充していくとしている。 |
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シャープ製作「ソーラー発電システム」
1輸空
被災地への輸送支援 |
航空自衛隊は4月2日、シャープ(株)が製作した被災地向けの「ソーラー発電システム」の輸送支援を行った。
第1輸送航空隊がこの発電システム250セットをC—130輸送機で小牧基地から松島基地に空輸し、その後、陸路で宮城県の気仙沼市、南三陸町、石巻市、東松島市などに運ばれた。
同システムは、電力復旧が厳しい状況にある被災地のために製作されたもので、太陽光で発電した電力で、携帯電話の充電やLED電球の点灯、テレビの視聴などができる。 |
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除隊者にエール
〈北熊本駐屯地〉 |
第42普通科連隊は3月22日、駐屯地隊員食堂で除隊者記念会食を実施し、14名の除隊者をはじめとして、連隊長(櫻田博美1佐)・連隊幕僚・各中隊長及び連隊先任士長(仮称)の参加のもとに実施した。
この会食は、任期満了除隊者の在隊間の功績に対する慰労と、除隊後における社会人としての自律心を醸成する目的で実施されているもので、除隊者は自衛隊での経験や多くの思い出話で話が弾み、終始和やかな雰囲気で、会食が行われた。
会食中、一般社会に出て、自らの意思表示が出来るようにと除隊者挨拶の場が設けられ、除隊者一人一人が挨拶を行い、「自衛隊で培った体力・精神力を活かし、次の職場でも頑張ります」と力強く誓った。連隊長は、除隊者のしっかりとした挨拶を聞き、今までの勤務に対する感謝の気持ちを述べるとともに「自衛隊で勤務できたことの誇りと自信を持って、次の職場でも頑張ってほしい」とエールを送った。
今回除隊する本部管理中隊矢竹士長(3曹に特別昇任)は、「自衛隊においては他では出来ない経験ができたうえ、たくさんの素晴らしい出会いがありました。自衛隊生活で特に印象に残っていることは、初めてで慣れない土地・気象の中、数々の試練を克服して任務を遂行した北方機動演習と、苦しくて自衛隊を辞めようとすら思ったけれど、同期の仲間と助け合い、最後まで諦めずにレンジャー徽章を手に入れることが出来たレンジャー養成訓練です。自衛隊で得たこの経験と出会いを大切にし、次の職場でも頑張っていきたい」と語った。
そして最後に、連隊長以下各幕僚及び各中隊長等が整列して除隊者を見送り、その際一人一人に激励の言葉をかけ、全員の今後の発展を祈念し記念会食を終了した。 |
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