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自衛隊ニュース   926号 (2016年3月1日発行)
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海上自衛隊先任伍長会報
 2月4日、5日、全国から海上自衛隊先任伍長ら約60名が集まり、今年も海上自衛隊先任伍長会報が開催された。
 関秀之海曹長の「先任伍長として、「どうあるべきか!どうするべきか!」を、原点に戻り、皆で考え、使命感をもって、10年後、20年後を見据えた意見の場としていきましょう」などとの挨拶から始まり、「服務」「リーダーシップについて」「女性自衛官関連人事施策」「女性活躍推進」「惨事ストレスへの対応」等、今回も中身の濃いものとなった。また質疑応答も活発に行われ、各先任伍長の共通する悩み等を共有するためにも有意義かつ重要な機会であると毎回思わされる。
 初日に行われた村川豊海幕副長の講話。冒頭に「海上自衛隊にとって不可欠な先任伍長の活躍に日頃から感謝している。引き続き頑張って欲しい」と武居海幕長からのメッセージを伝えた。村川副長は講話で「階級等の上下関係と人間的に立派かどうかは全く別問題。しかし、どんな上司でも、尊敬しなくても敬意は払わないといけない」「秩序を保つためには上下をつけないと仕方がない」「その立場にならないと解らない事が沢山ある」などと、自身の経験談を盛り込ませながらの講話に、参加者は身を乗り出し真剣に聞いていた。
 海上自衛隊先任伍長制度が出来て13年が過ぎる。「久しぶりに顔を見て話が出来る仲間に会えるのもこの会の醍醐味」という言葉の裏には、様々な想いが隠れているのだろうと再会を喜ぶ先任伍長たちを見ていて感じた。

雪月花
 今、自分が良い関係でお付き合いさせていただいている人は何がきっかけだったか時々考えることがある。個人的にも仕事のうえでもほとんどが知人・友人を介して始まっているように思う。3人先までは大体たどることは出来るがその先になると申し訳ないが記憶がぼやけてしまう。明治天皇の玄孫<やしゃご>(ひ孫の子ども)に当たる、竹田恒泰さんの「日本の礼儀作法」~宮家のおしえ~にも同じようなことが書かれている。人は一人で生きていくことは出来ず、付き合いの如何によって人生は豊かなものにも貧しいものにもなるであろう。豊かな人脈は、人生にとって大きな財産である。ご縁があって頂いた人脈の尊さを忘れないことが大切である。竹田さんはこの人脈を大切にするためには紹介者を尊重することだと書いている。紹介をいただいた人に頼みごとをする時には必ず紹介をしてくれた人を通して頼むこと、そしてその結果をその紹介者に必ず報告すること、と。筆者も定年退職した人の就職を何人かお世話したことがあるが、その中の一人が2年ほどして勝手に辞めていた。慌ててお願いした会社の専務さんにお詫びに行ったが先方さんは、大丈夫ですよ、なんとも思っていませんよと言ってはくれるがもう二度とお願いに行くことはできない。人を引き合わせるということは両方の人間性を信用することであり、どちらも人脈を広げて幸せになってくれることを願っているのである。

1月の急患輸送実績を公表
〈統合幕僚監部〉
 2月10日、統合幕僚監部は平成28年1月に実施した急患輸送の実績を公表した。自衛隊は医療施設が不足している離島などの救急患者を航空機で緊急輸送している。
 当期間の合計は52件。要請者(各都道府県知事)の内訳は、北海道2、東京都4、島根1、山口1、長崎14、鹿児島16、沖縄14だった。また3自衛隊の区分としては、陸上自衛隊24、海上自衛隊24、航空自衛隊4だった。なお、平成27年度1月末迄の累計実績は354件で、第1四半期84、第2四半期120、第3四半期98、第4四半期52、となっている。(前年度累計は407件)。

ハリス米太平洋軍司令官
日米防衛協力の強化を確認
 2月17日、「統合幕僚監部創設10周年記念式典」に参列した米太平洋軍司令官ハリー・B・ハリス海軍大将と在日米軍司令官ジョンL・ドーラン空軍中将が、式典後に中谷元防衛大臣を表敬訪問した。中谷大臣とハリス司令官は昨年11月にもハワイで会談を行っている。
 中谷大臣は「これからの北朝鮮をはじめとするアジア情勢、地域情勢、それらを踏まえた日米防衛協力のあり方について意見交換していきたい」と述べると、ハリス司令官は「今年行われた日米共同統合訓練および北朝鮮弾道ミサイル発射事案への対応では、新ガイドラインの有効性が非常に発揮された」と自衛隊と太平洋軍司令部との連携をあらためて確認した。また、会談は和やかな雰囲気で行われ、南シナ海の情勢については、米軍の「航行の自由作戦」を指示する旨、関係諸国への能力構築支援を日米で協力しあう旨、日米共同巡航訓練を今後も推進する旨が中谷大臣から話された。

各国要人と会談
〈中谷大臣〉
ビショップ豪外務大臣
潜水艦共同開発について意見交換
 中谷元防衛大臣は2月15日、大臣室でビショップ豪外務大臣の表敬を受け約40分間の意見交換を行った。テーマは大きく分けて二つで、地域情勢と豪海軍次期潜水艦の共同開発・生産について。前者については北朝鮮のミサイル発射、南シナ海の領海・領空を巡る諸問題、対テロが話し合われ、両者は、日米豪が連携して地域の安定に寄与することを改めて確認。ビショップ大臣は、「日豪防衛当局間の協力関係は未曾有の水準にあるが、まだまだやるべきことはある」と意欲的な姿勢を見せた。
 昨年末に日本が建造計画案を提出し豪州が共同開発・生産国を選定中の潜水艦の共同開発についても、ビショップ大臣は「日本の公約に感謝する」と前向きな発言。中谷大臣は「『そうりゅう』は世界に誇る潜水艦だ。これを日本語では"虎の子"とも言う。日本は60年という長い年月をかけて潜水艦の技術を磨いてきた。こうした高い技術が豪軍の任務遂行を安全かつ十分に遂行する上でも重要だ」と大いに後押しした。豪海軍次期潜水艦の共同開発・生産国は2016年中に決定予定。ビショップ大臣は「出来るだけ早い時期に」と早期決定に向けた努力を約束した。

派遣海賊対処水上部隊
護衛累計が700回を超える
 統合幕僚監部は2月12日、「海賊対処のために派遣された水上部隊の活動状況について(平成28年1月)」を公表した。
 現在自衛隊は東アフリカのソマリア沖アデン湾に、海賊対処法(平成21年7月施行)に基づき、派遣海賊対処行動航空隊とともに、派遣対処行動水上部隊(護衛艦2隻)を派遣し、船舶の護衛を実施している。昨年10月からは第3護衛隊司令部(司令・吉岡猛1海佐)、護衛艦「すずなみ」(艦長・雨宮正宣2海佐)、護衛艦「まきなみ」(艦長・小野修司2海佐)」の計約390名が23次派遣海賊対処行動水上部隊として活動を行っている。
 当期間の直接護衛(船団の前後を守り船舶を護衛する方式)回数は6回で、海賊対処法に基づく護衛開始以来の累計は662回となった。護衛隻数は12隻で、同じく累計は3,652隻となった。内訳は、日本籍船0隻(累計17隻)、日本の運航事業者が運航する外国籍船1隻(累計659隻)(そのうち、日本人が乗船する外国籍船0隻(累計47隻))、その他の外国籍船11隻(累計2976隻)(そのうち、日本人が乗船する外国籍船0隻(累計20隻)だった。
 また、他国籍連合任務部隊であるCTF151に参加して平成25年からを行っている特定海域の警戒監視(ゾーンディフェンス)の実施日数は26日(累計614日)で、確認した商船数は約130隻(累計約12,820隻)であった。
 自衛隊のこのような海賊対処行動は、当海域の海賊事案の発生状況が激減する等、海上における公共の安全と秩序維持に貢献しており、国際社会からも高く評価されている。
 なお、1月12日に開始した護衛が、海賊対処法以前の海上警備行動に基づく護衛から数えて累計700回目だった。指揮官の吉岡司令は「引き続き緊張感を持って任務に臨みたい」と今後の活動への決意を新たにした。

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