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   2007年7月1日号
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部隊研修で知る
空自千歳基地のすがた
政府専用機内の訓練も間近で
 航空自衛隊千歳基地所在部隊の研修が6月12、13の両日行われ、全12部隊のうち5部隊の装備品や訓練の様子を見学した。
 1日目に第2航空団、千歳救難隊、第3高射群、千歳管制隊、2日目に特別航空輸送隊が保有する2機の政府専用機の機内見学及び体験搭乗の研修を行った。
 戦闘機の多い千歳基地でまず報道陣の目を奪ったのが、整然と並ぶF―15。横開きの格納庫が多い中、寒冷地では雪の影響を避けるため縦に開くようになっており、雪との戦いに備えている。迫力のスクランブル発進に続き、空の救急車と呼ばれるユニット、千歳救難隊のU―125Aジェット捜索機とUH―60Jヘリコプターの装備、第3高射群の地対空ミサイル(ペトリオット)の機動展開訓練、また管制塔において千歳管制隊の空の整備を見学した。千歳飛行場と新千歳空港の管制は、民間機もあわせ空自管制官約80名が24時間体制で行い、航空機の離発着を効率良く誘導している。
 政府専用機の体験搭乗では、内部改修された機内の様子や模擬訓練を取材。まず機内は全体にゆったりとしたスペースが取られ、一般客室も快適な広さが保たれている。中でも別格ともいえる貴賓室は、ソファーやベッドなど日常に必要な調度品や幅広いデスクが配され、総理やVIPの打ち合わせに使用される会議室、完全なOA環境が整う事務室など、公務に支障なく地上とほぼ同じ状態で生活できるような配慮がうかがえた。
 また特別航空輸送隊が注意を払う点のひとつとして、食事に関することが挙げられる。メニューは民間機と同じで嗜好などには踏み込まず、食事の量を重視し、公務の日程によりその都度調節する。各国の食の安全や水の衛生状況もしっかりと調査している。
 ミールサービス訓練では、男女輸送員の細やかな対応が見られ、機体損傷による着水を想定した緊急対処訓練では、安全確保の姿勢と救命胴衣の着用法の的確な指示が繰り返し送られ、緊迫した状況下で乗客の誘導が行われた。
 機内の模擬訓練は千歳空港でのタッチアンド・ゴーを最後に、千歳―新潟―小松―岩国―串本―名古屋―青森などを経由した約4時間のフライトを終え、瞬く間に過ぎた2日間の研修も、大きな充実感を残し無事に終了した。

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