小野寺五典防衛大臣は3月14日、安倍晋三総理大臣代理の木村太郎補佐官を伴い、自衛隊体育学校(校長・福田築陸将補=朝霞)を視察し、レスリング選手らを激励した。 体校を中心に自衛隊からは昨年のロンドン五輪に13名の選手を送り出し4名がメダル獲得、そのうち2名がレスリングで金メダルに輝いた。2020年のオリンピックでレスリングが除外候補となっていることに対して、小野寺大臣は「日本にとってお家芸%Iな大変重要な競技。防衛省・自衛隊としても正式種目に残るように努力していきたい」と述べ、「とくに米国、ロシア、さらにイランなどこの問題に関心の高い国々の首脳レベルの人物と会うときに、一緒に除外反対の発言をしていきたい」とした。 安倍総理大臣からは全閣僚へ「あらゆる機会を通じて東京オリンピックの誘致に努力するように」との指示が出ている。小野寺大臣は「2020年に東京でオリンピック開催の場合には、ここ(朝霞駐屯地)が射撃競技の会場になるためIOC委員が視察に訪れている。防衛省・自衛隊をあげてオリンピック誘致に努力していきたい」と述べるとともに、「まずは次のリオ五輪で素晴らしい成績をあげることが大切。選手の皆さんが不安にならないよう、これからも研鑽を積んでいただけるような環境づくりをしていく」とした。写真左=懇談の席で小原日登美1陸尉の金メダルを手に嬉しそうな小野寺防衛大臣、同中=レスリングの練習に参加し金メダリストの米満達弘3陸尉を抱え上げる小野寺大臣、同右=選手の練習の様子に興味津々の大臣
小野寺五典防衛大臣は1月21日、海上自衛隊初度視察のため横須賀基地を訪れた。午前9時過ぎ、防衛省からヘリコプターで逸見岸壁に到着した小野寺大臣は、自衛艦隊司令部で現状報告を受けた後、護衛艦「きりしま」の艦内を懇談や会食などを含め約2時間かけて視察した。 視察後は隊員約450名を前に訓示に立ち「我が国周辺の安全保障環境は一層厳しさを増している。諸君の行う警戒監視などの任務は極めて重要」とした後、「私は東日本大震災で被災した宮城県の出身だが、諸君をはじめ多くの隊員が、我が身より被災者を優先し、黙々と救援活動に取り組む姿に勇気づけられた。諸君の献身的な活動に改めて敬意を表する」と述べ、最後に「即応態勢を確実に維持し、一層任務に精励することを切に望む」と要望した。写真左=護衛艦「きりしま」左舷梯から乗艦した小野寺大臣を出迎え。右前は自衛艦隊司令官・松下泰士海将、同中=艦内視察でレーダーの説明を受ける大臣、同右=隊員450名を前に訓示
1月13日、習志野演習場で第1空挺団(団長・前田忠男陸将補=習志野駐屯地)による平成25年降下訓練始めが行われた。陸自の訓練初度視察で最精鋭部隊の第1空挺団を視察し、「日々の厳しい訓練を実感した」などと訓示した小野寺防衛大臣をはじめ防衛省・自衛隊の高級幹部、来賓、一般来場者など約1万1000人が、「精鋭無比」を掲げて日夜訓練に励む空挺部隊の勇姿を見届けた。例年は、本土の敵占領地域の背後に空挺降下し陣地を奪回する想定で行われるが、本年は「島嶼防衛」をテーマに、「島嶼に対する敵国の武力侵攻に対し、陸海空統合で空挺作戦を行い、地域を確保する想定」で実施された。写真左 C-1輸送機から次々に降下する空挺主力部隊写真中 UH-1Hからドアガン射撃写真右 落下傘を手に取る小野寺防衛大臣
陸自第1ヘリコプター団(団長・田中重伸陸将補=木更津)は1月8日、恒例の年頭編隊飛行訓練を行った。訓練開始式の訓示で、田中団長は「我々は高い空中機動能力を持って任務に即応し完遂するため、即応態勢を維持しつつ練度の向上に努めなければならない。年頭の編隊飛行訓練に際し、全隊員が心を一つにして今年一年の精進努力を誓う」と述べた。 午前10時30分、木更津飛行場を離陸した大型ヘリ12機は華麗に編隊を構成しながら、富津・木更津・袖ヶ浦西側海上から相模湾の上空を経て、約1時間半後に無事、帰還。日頃の訓練の成果を示した。富津岬の先、第1海堡から袖ヶ浦沖へ向けて飛行中、中央即応集団司令官・日政広陸将が磯子からUH―60に搭乗し訓練を視察、機上より隊員へ向けて訓示し、激励した。日司令官は『安全の確保』を強調し「航空機の事故は国民の尊い生命、財産をも奪いかねず、これまで積み上げた国民の信頼を一挙に喪失することを肝銘しなければならない。基本・基礎の不履行に起因する事故は決して起こしてはならない」と述べた後、「本日の年頭編隊飛行は見事であった」と隊員を讃えた。写真左=訓練開始式で訓示する田中団長、同中=式に臨む1ヘリ団の隊員、同右=東京湾から浦賀水道、相模湾上空を編隊飛行
統幕とロシア連邦軍参謀本部の幕僚による率直な対話を通じ、相互理解と信頼関係の強化を目的とした会合、第9回「日露スタッフ・トークス」が12月17日から19日まで防衛省などで行われた。 統幕防衛計画部長・尾上定正空将補が日本側代表、露側は連邦軍参謀本部作戦総局長代理ルツコイ地上軍中将が代表で、主として北東アジア情勢について意見交換。協議は「国際社会の平和と安定のために、日露が取り組むべき課題」と、それらに関する具体的方策に焦点をあてた。 日露双方は北朝鮮の「人工衛星」と称するミサイル発射は「地域の平和と安定に大きな影響を及ぼす許容しがたい行為」との認識を共有した。 また、ソマリア沖・アデン湾での海賊対処活動に関し、露連邦軍は現在活動している艦艇に加えて哨戒機を派遣する予定で、今後この活動について日露間での協力をより一層強化すること、さらに捜索救難共同訓練や災害救援、人道支援といった分野での実務的な交流や協力を進めることで一致した。写真=統幕防衛計画部長・尾上定正空将補宴鴻Vア連邦軍参謀本部作戦総局長代理ルツコイ地上軍中将
第36回全国自衛隊柔道大会の防衛大臣杯団体戦が12月8日、自衛隊体育学校(朝霞駐屯地)で開催され、団体戦第1部(5人制)で陸自国分Aが見事4連覇を飾った。 決勝の相手は3年連続で陸自久留米。2勝1敗2分けで国分が激戦を制した。優勝チーム監督の福丸勝広曹長は「今回は若い20代の選手を主体として、その中にベテランをうまく組み合わせながら戦った。3回戦の第8施設大隊(川内)戦を最後まで、あきらめないで戦ったのが優勝に繋がった。選手たちの頑張りで4連覇できた。選手たちには『おめでとう』と言ってやりたい」と話した。 最優秀選手(大会会長杯団体優秀選手賞)には国分Aの阿部利一3曹(12普連1中隊)が選ばれた。阿部選手は「たまたま自分が選ばれただけ。みんなの力を合わせて4連覇できたことが第一。次回も頑張ります」と笑顔で話した。 団体第2部(3人制)は、陸自守山が決勝で海自第2術科学校を3戦全勝で破り優勝した。 大会団体戦の成績は次のとおり〈団体1部〉▽優勝=国分A(陸)▽2位=久留米(陸)▽3位=神町A(陸) 、別府(陸) 〈団体2部〉▽優勝=守山 (陸)▽2位=第2術科学校 (海)▽3位=呉 (海)、小原台(共通)写真左=「1本っ!」(団体2部決勝で。優勝した守山の中尾槙兵士長が一本勝ち)、同中=団体1部優勝の国分Aチーム、同右=最優秀選手に選ばれた国分Aの阿部利一3曹
北朝鮮が「人工衛星」と称するミサイルを12月10日から22日までの間に発射する可能性が高いことから、1日、森本敏防衛大臣は自衛隊にミサイル防衛システムによる迎撃態勢を整える「破壊措置準備命令」を発令。これを受け、自衛隊は海上配備型迎撃ミサイル(SM3)搭載のイージス艦を沖縄周辺海域に、地対空誘導弾ペトリオットPAC-3部隊を沖縄県と首都圏に配備した。9日に迎撃準備を完了させる。6日には岩崎茂統幕長と、防衛省を訪問した在日米軍司令官サルバドーレ・A・アンジェレラ空軍中将が指揮官懇談後に、空自市ヶ谷基地に展開されたPAC-3部隊を視察。7日朝、首相官邸で安全保障会議が開かれ、破壊措置命令を発令する方針が決定、森本大臣はこれを受け、破壊措置命令を発令した。野田佳彦総理大臣は7日午前に市ヶ谷基地のPAC-3部隊を視察、同部隊及び防衛省・自衛隊隊員らに対し激励を行った。写真左 5日夜、空自市ヶ谷基地に配備されたPAC-3発射機写真中、右 7日、隊員らを前に激励を行う野田総理
11月28日、防衛省大臣室において、森本敏防衛大臣に対し、東ティモールへ派遣される能力構築支援事業要員3名の出国前挨拶が行われた。能力構築支援は、人道支援・災害救援、地雷・不発弾処理などの分野について東南アジアなど開発途上国の軍隊又は関係機関の対処能力向上を目的とする。東ティモールへの派遣は、昨年度に各国で実施された調査研究を踏まえ具体化したニーズに基づき決定された。派遣期間は12月4日から来年3月20日を予定。東ティモールでは、同国の劣悪な道路状況で欠かせない装備品となっている四輪駆動車などをメンテナンスするため、自動車整備士養成教育などを行う。写真 大臣に挨拶を行う派遣要員。奥左から陸自中央即応集団・小山幹生2陸佐、陸自武器学校・鈴木健太郎3陸佐、防衛政策局国際政策課能力構築支援室・阿部和美事務官
東京都千代田区九段の日本武道館で11月16、17日の二日間にわたり「平成24年度自衛隊音楽まつり」が全5講演行われた。今年は陸海空自衛隊音楽隊、自衛太鼓、ゲストバンドの米軍軍楽隊ら併せて約1000名が参加。沖縄復帰40周年を記念し第15旅団が単独演奏、サンフランシスコ平和条約締結60周年を記念し米太平洋陸軍軍楽隊が特別編成された。16日夜の部には森本敏防衛大臣が出席し、聴衆とともに高度で華麗なマーチングやドリル演奏、力強い和太鼓の響きを堪能した。写真右 フィナーレ、出演全部隊の合唱。ゲスト出演した自衛官五輪メダリストも参加写真中 華麗に舞った第15旅団エイサー隊写真左 「なだそうそう」「ふるさと」の2曲を陸海空特別記念演奏
統合幕僚学校(学校長・石野次男空将)の国際平和協力センター主催で第2回「国際平和と安全シンポジウム」が11月17日、都内で開催された。国連平和維持活動の多機能化とミッションの統合化に焦点をあて、テーマは「統合任務に見る課題」。PKO活動における軍事、政治、人道支援の専門家らが講演や討議を行い、開発も加えた主要4分野からなる統合任務を包括的に行うことが重要とした。 討議では「とくに政治、人道支援、軍事はプロフェッショナルに行動しなければならない。互いによくわかり合う必要がある」との意見の一方で「統合ミッションの目的は平和を残すこと。そのためには政権の安定した国づくり≠ェ必要。人道支援とは別。意思決定のプロセスにNGOを入れる正当性はあるのか」などの発言もあり、これを大阪大院・星野俊也教授は総括講演で「政治と人道の相互ジレンマ」とまとめるなど、踏み込んだ内容となった。写真左=開会の挨拶を述べる石野校長、同中=元英陸軍ゴードン少将が基調講演、同右=パネルディスカッション(右から進行役の大阪大院・星野教授、岐阜大・上野准教授、「難民を助ける会」理事長の立教大・長教授、ゴードン元少将、国連・川端政務官)