防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2011年5月1日号
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「つばさ会」「わだつみ会」感謝の思いとともに
派遣隊員への激励品贈呈

わだつみ会
 4月19日、海上自衛隊員に対する激励品を贈呈するため、自衛隊遺族会海上部会「わだつみ会」の宇野恭子会長が防衛省を訪れ、杉本正彦海幕長が隊員を代表して激励品を受け取った。
 激励品贈呈のあとは懇談が行われ、杉本海幕長がお礼の言葉を述べるとともに、生活支援へと移行していることなど被災地での活動状況を述べ、隊員に対するより一層の理解を求めた。
 懇談後、宇野会長は「現場で頑張っておられる隊員の皆様へ、私どもの敬意と感謝の念が届きますように」と話した。また、わだつみ会では、「災害現場で御活躍されておられます隊員の皆様方へ、どうかお身体を大切にされて職務を果たし、元気なお姿で御家族の元へ戻られるよう心からお祈りします」とのコメントを出している。

つばさ会
 4月15日、空自OBら一同を代表して「つばさ会」の村木鴻二会長より航空自衛隊連合准曹会に"がんばろう!東北"ステッカーと"千里同風"と記されたのぼり旗一式が贈られた。
 これらは、空自OB・支援者一同から松島基地、山田分屯基地、大滝根分屯基地など、それぞれの地で活躍する現職隊員を心より応援したいとの気持ちが込められたもので、今後、空自各基地等の准曹会の手で全国の各基地に届けられる予定となっている。
 "千里同風"とは、論衡と禅語を参照し、今回は禅語の「どんなに遠く離れていても心は通じあっている」という語源を元に連合准曹会として採用したもの。空自OB・支援者一同からの気持ちを受け取った連合准曹会最高顧問の岩崎茂空幕長は、「諸先輩方の温かい気持ちを胸に、全隊員一丸となって復興に向けて国民の皆さんとともに頑張ります」と決意を新たにした。空自全隊員とOB等は心を一つにして震災への対応に当たっている。


名古屋名物ふるまう
第10師団
 第10師団は4月4日、担任区域の被災者に名古屋名物の「きしめん」と「ういろう」を食べて元気になってもらおうと、「金鯱(きんこ)きしめんチャリティー大作戦」を行った。
 これは、師団に配属されている第3生活支援隊(第3師団)を含む師団派遣部隊の隊員、約3800名からの募金で、約4000食分の「きしめん」と「ういろう」を準備して提供しようというチャリティー企画で、被災者への「がんばろう」というエールと誠心(まごころ)を形にしたもの。
 作戦が行われたのは、名取市の市役所、館腰小学校、下増田小学校、第一中学校、第二中学校、岩沼市市民会館、亘理町の亘理高校、亘理小学校、山元町役場の9カ所で、既に炊き出し支援で活躍中の隊員が野外炊具1号で熱々の「きしめん」を茹で上げて、程よい甘味の「ういろう」と共に被災者一人一人に手渡した。
 山元町役場の配布所では、名古屋名物に長蛇の列ができ、子供からお年寄りまでが熱々の「きしめん」を味わった。家族連れのお母さんは、「美味しいし、心も体も温まり助かります。本当にありがたいです」と喜んでいた。

支援物資の輸送受け入れ
島松駐屯地
温かいメッセージも
 島松駐屯地は3月18日から4月20日の間、東日本大震災の被災者に対する北海道内自治体等からの救援物資の輸送受け入れを行った。
 受け入れ開始から連日、近隣自治体や企業・団体等から物資が運びこまれた。救援物資は34団体、ダンボール箱で約1万9260個、重さにすると約114・3?に上る。救援物資には、温かいメッセージが添えられているものもあり、隊員たちも道民の思いを被災者に一刻も早く届けることができるよう業務を続け、集められた物資を空自千歳基地に搬入、空自輸送機等で被災地に届けられた。

 島松駐屯地に所在する北海道補給処は震災後、北部方面後方支援隊の一部を配属し隊員約250名、車両約90両で北海道補給処災害派遣隊(隊長・渡邊一弘1陸佐)を編成した。同隊は、人名救助・生活支援を行う北部方面隊各部隊への兵站支援(補給、整備、輸送など)をするため、3月15日に前方支援地域(FSA)の岩手駐屯地へ向かった。
 北方岩手FSAは、岩手・宮城県境以北に展開する第2師団、第9師団、第4施設団のほか、各方面隊から派遣された災害派遣部隊に対する、糧食、燃料、整備用部品の補給・整備等の支援を行い、行方不明者の捜索、民生支援などを実施している部隊が円滑に任務遂行できるようにしている。
 また、派遣部隊では瓦礫除去に使用するため耐久性の強いとび口(鉄かぎをつけた消防道具)が必要との要請を受けて、整備部と苗穂支処で木部を鉄パイプに差し替えたとび口1200本を製作した。完成したとび口には、「ガンバロウ東北」などの文字を1本1本に書き込み、現地で使用する仲間に心のこもったメッセージを送った。

ラジオで広がる復興支援の輪
静岡地本
 静岡地本清水募集案内所(所長・山根英和1海尉)は3月25日、地元FM局で「自衛TIMES★静岡」の収録を行った。
 山根所長は、東日本大震災における自衛隊の活動に焦点をあて、自衛隊全体と地元静岡から派遣された部隊の活動概要説明のほか、予備自衛官制度などの説明を行った。また、現場で任務に従事する隊員の声や思いを自身の経験もふまえて代弁した。また、同所では、市民から地元部隊の活動状況や予備自衛官補への志願も含めて、復興支援活動に協力できる事項の問い合わせを多数受けており、市中が地元部隊を通じて被災地支援の輪を広げている現状も紹介した。
 清水所は、今後もあらゆるメディアを通じて、自衛隊の活動を積極的に広報し、募集事業に繋げていく方針だ。
和歌山地本
 和歌山地本部長の三上繁1陸佐は4月3日、和歌山市にあるコミュニティFM(通称バナナFM)の番組に出演した。三上本部長は、まず東日本大震災に災害派遣されている自衛隊の規模や活動状況、そして約50名を派遣している和歌山県内の和歌山駐屯地の活動状況を説明した。
 パーソナリティから和歌山県民が特に関心の高い、東南海・南海地震が発生した場合の自衛隊の対応についての質問があり、第37普通科連隊が和歌山県全域に対して対処することを紹介。また、和歌山地本の役割として、発生後速やかに連絡員を和歌山県庁に1名派遣し、37普連が到着までの間、情報収集や調整などの任務があることを紹介した。
 生放送で行われ、出演場所になったFMスタジオには約30人の聴衆者が本部長の話に熱心に耳を傾けた。和歌山地本では、「今後も県民に対して災害派遣の活動状況などに理解を深めていきたい」としている。

被災地応援ステッカー広まる
部隊ごとに特色も
 東北方面総監部では派遣されている部隊に対し、"がんばろう!東北"というキャッチフレーズを用いて被災地を応援する動きを広めている。独自に考えたフレーズを取り入れた部隊もあり、"がんばっぺ!東北″(第6師団)といった東北なまりを用いたものから、「フレー!フレー!東北」(第1特科団)、"頑張ろう!東北"(海自護衛艦あたご)、活動場所をフレーズに入れた「まげねど!女川・石巻」(第14旅団)などさまざま。
 これらは第10高射特科大隊(豊川)の山本広隆1陸尉が「がんばろう!みやぎ」というステッカーを発案したのがきっかけで広まった。山本1尉は阪神淡路大震災の災害派遣で神戸に行った時、オリックス・ブルーウェーブ(当時)の選手がユニフォームの右袖にしていた"がんばろうKOBE"のワッペンをヒントにしたという。「地域の方々にメッセージを送りたいと思い、色々なフレーズを考えた。"がんばろう″には第三者的なものではなく、支援者と住民の方々が一緒にやっていこうという気持ちを込めた」と話している。

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