富山県射水市在住の牧野徹氏は42歳。航空自衛隊の熱烈なファンで、特にF-15については「マニア」を自認するほど。トラック輸送を主業務とする運送会社の専務取締役として昼夜土日を問わず多忙な日々を送りながら小松空港に足を運びF-15の雄姿を過去何十回と見つめてきた。「詳しく知るほどF-15だけでなく周辺の人々にも興味が沸いてきた」という。
— F-15のファンになったきっかけは。
牧野氏 10年ほど前のことです。それまでは特に航空機や戦闘機に興味があった訳ではありませんでした。
私は当時も今も会社でトラック輸送の配車などの仕事をしていますが、「事故はないだろうか」「荷主さんとのトラブルはないだろうか」など、常に心配の種が尽きず、神経を使います。普段から大なり小なりストレスを抱えていますが、当時、仕事上で大きなトラブルがあり、とても落ち込んでいました。
ふとしたきっかけで知人に誘われて小松基地の航空祭に足を運び、F-15が飛び立つ勇姿を間近に見ました。アフターバーナーを全開にして轟音を響かせ急上昇するF-15を見ているうちに自分の悩みがすーっとかき消えていくような気がしました。元々、車でドライブをするのが趣味でスピード感のある乗り物は好きでしたが、他の何とも比較できない人生の中で感じたことのない衝撃でした。
— 以後、F-15を中心に空自を応援していますね。
牧野氏 小松基地の航空祭には毎年足を運んでいます。小松空港にも暇があればF-15を見に行っています。F-15は何度眺めても飽きることがありません。一眼レフカメラで撮影もしますが、やっぱり単純に、F-15が飛ぶ姿を見ているのが一番好きですね。
F-15のパイロットや整備士の方と会話をするとマニアックな質問をぶつけてしまうのですが、皆さんとても親切にお答え頂けるのが嬉しいです。自分の仕事と重ねるのはおこがましいですが、会社のトラックも出発したあとはドライバーに全てを託し「無事に帰ってきて欲しい」と願うだけですが、整備士や管制官の方とどこか自分の立場が似通っていて、とても共感を覚えます。
— 今後の目標は。
牧野氏 自衛隊の任務の崇高さや厳しい訓練を思うと、それらについて、一般市民の理解が不足している点が寂しい。特に、戦闘機のパイロットは「選ばれし人々」。歯がゆい気持ちがあります。自分の周りの人間への広報など、ごく慎ましやかな努力しかできませんが、使命感に燃える彼らの素晴らしさを訴えていきたいです。 |