9月10日、東京都千代田区のホテルグランドアーク半蔵門で「平成24年防災功労者内閣総理大臣表彰」が行われた。同表彰は、災害時における人命救助や被害の拡大防止等の防災活動の実施、平時における防災思想の普及または防災体制の整備の面で貢献し、特にその功績が顕著であると認められる団体または個人を対象として表彰されるもの。本年度、防衛省関係では次の7団体が受賞した。【災害現場での顕著な防災活動】○平成23年台風第12号による災害派遣活動・陸上自衛隊第3師団災害派遣部隊・同配属・協同・支援部隊(所在地=兵庫県伊丹市、代表者=師団長・山下裕貴陸将)・陸上自衛隊第10師団災害派遣部隊・同協同・支援部隊(所在地=愛知県名古屋市、代表者=師団長・松村五郎陸将)○東日本大震災における活動・陸災部隊(所在地=宮城県仙台市、代表者=東北方面総監・田中敏明陸将)・海災部隊(所在地=神奈川県横須賀市、代表者=横須賀地方総監・武居智久海将)・空災部隊(所在地=東京都福生市、代表者=航空総隊司令官・斎藤治和空将)・原子力災害派遣部隊(所在地=東京都練馬区、体表者=中央即応集団司令官・日政広陸将)・陸上自衛隊第1師団災害派遣部隊・同配属部隊・同支援部隊(所在地=東京都練馬区、代表者=師団長・反怖謙一陸将)
航空自衛隊退職者団体「つばさ会」共催、自衛隊遺族会航空部会「ともしび会」協賛で、第24回「市ヶ谷基地美術展」が9月4から7日まで防衛省厚生棟多目的ホールで開催され、約800人が鑑賞に訪れた。 つばさ会60名、ともしび会6名、隊員および家族20名から絵画52点、写真52点、工芸67点、書17点の計188点が出展された。初日に片岡晴彦空幕長が来場、作品1点1点を興味深く鑑賞していた。 この催しは「つばさ会」からの要望に基づき昭和56年から行われており、平成4年以降は檜町(現・市ヶ谷)、府中、入間の3基地ほか1基地で毎年、実施されている。昨年は東日本大震災のため、中止の予定だったが「こんなときだからこそ開催すべきだ」との声があり『訪れる人に明るい気持ちを』をテーマとして実施された。写真左=作品を鑑賞する片岡空幕長、同中=人気を集めた「働く市ヶ谷援護マン」(航空中央業務隊・石原丈也3空佐・作)、同右=書道作品に見入る来場者
8月30日、片岡晴彦空幕長を大相撲の旭天鵬関が表敬した。これは、旭天鵬関がモデルとして出演した「航空自衛隊員を元気にするポスター」の完成披露に伴うもの。空自の全73基地に配布される同ポスターは、組織の基盤である「元気」のイメージとして「七転八起」「不撓不屈」の精神があることから、今年5月場所に史上最年長幕内優勝の偉業を成し遂げ、諦めない大切さを日本中に知らしめた旭天鵬関をキャラクターに起用した。当日は配布されるポスター一枚一枚に旭天鵬席が手形を押した。写真左から 片岡空幕長と旭天鵬関、手形を押し完成したばかりのポスター。片岡空幕長と旭天鵬関がポスターを手に談笑。ポスターには「七転八起 人生の決まり手、それは諦めないこと!」「航空自衛隊の皆さん!人生諦めずに前に向かって歩んで下さい」とのスローガンが書かれている。
防衛省主催のシンポジウム「日米同盟とオスプレイの沖縄配備」が8月29日、都内で行われた。 パネリストは防衛大学校・山口昇教授、米海兵隊第26海兵航空群司令官クリストファー・シーモア大佐、在京米国大使館ロバート・ルーク政務担当公使ら5名。 なかでもシーモア大佐はこれまで15年間、オスプレイのテストパイロット、教官を務め飛行時間2000時間超とオスプレイのエキスパート。自身の体験から「あらゆる機種の中でもっとも厳しい訓練をしている」「最新の技術を使っており操縦は難しくない」「人口密集地で海兵隊は低空飛行しない」など安全を強調。「基地の外では(事故が集中している)ヘリモード≠ナ飛行しないことは可能か」の質問に「Yes」と答えた。 山口防大教授は同機の高い機動力から「沖縄の負担軽減になる」とした。写真左=冒頭、森本敏防衛大臣の代理であいさつする神風英男防衛政務官、同中=議長を務めた千葉商大・宮崎緑教授、同右=右から防大・山口昇教授、米海兵隊シーモア大佐、在京米大使館ルーク公使
8月26日、東富士演習場で平成24年度富士総合火力演習が一般公開された。森本敏防衛大臣をはじめ防衛省・自衛隊の高級幹部、衆参国会議員、国内外の来賓、全国から集まった隊員、一般公募の見学者など計約3万1000人が来場して日頃の訓練の成果を見届けた。当日は、人員約2400名、戦車・装甲車約80両、各種火砲約80門、航空機約30機、その他車両約600両が参加した国内最大規模の陸上自衛隊実弾演習である富士総合各力演習。初参加の10式戦車や各種火砲などの砲撃は耳をつんざき、肌に感じる衝撃に驚きの声が湧きあがる。また、高度な技術を要する正確無比な射撃や空挺降下などに大きな拍手とため息が漏れていた。写真左から 熱気溢れる観覧席。前日に現地入りして朝早くから入場列に並んだ来場者も観客席の目の前に降下してみせた空挺隊員
8月24日、市ヶ谷記念館が来館者30万人を達成した。市ヶ谷記念館は、市ヶ谷地区に所在した庁舎や極東国際軍事裁判の法廷となった大講堂などを移設・復元したもので、平成12年から始まった市ヶ谷地区の見学イベント「市ヶ谷台ツアー」(毎週月〜金開催)において多くの参加者に親しまれてきた。記念の来館30万人目は、当日の市ヶ谷台ツアー午後の部に父親とともに広島県から参加した16歳の高校2年生。祖父がかつて航空自衛隊員で、幼い頃から自衛隊に親しみを持っていたといい、海上自衛隊を志望している。神風政務官から花束を贈呈され、感激の面持ちで記念セレモニーに参加していた。写真左から 花束を贈呈する神風政務官 30万人達成記念セレモニー
8月16日、横須賀地区で森本防衛大臣が部隊視察を行った。海上自衛隊の部隊視察は初めて。午前は護衛艦「ひゅうが」、午後は潜水艦「おやしお」の視察の一部を報道陣に公開した。両艦を視察後、「ひゅうが」格納庫内で「本日、常に緊張を強いられる最前線にあって隊員諸兄の士気溢れる姿を見ることが出来、大変心強く、また、誇らしく感じます」などと訓示。続いて行われた記者会見では、「これからも引き続き部隊を廻って隊員の顔を拝見しながら、隊員が非常に厳しい環境の中で任務を遂行している状態をつぶさに見て激励して参りたいと思っています」「海上自衛隊の活躍の幅、内容は広がっています。限られた艦艇と人員で、困難で複雑な任務を遂行している大変士気の高い部隊を直接見る事が出来て大変、今日は勉強になりました」などと述べた。その後、森本防衛大臣は、夕方には日本がアメリカに返還を求めている深谷通信所、上瀬谷通信施設を視察した。写真左から 「ひゅうが」飛行甲板で説明を受ける森本防衛大臣、「おやしお」のハッチから艦内へ、「ひゅうが」格納庫で訓示を述べる森本防衛大臣
防衛省は、8月8、9の両日、小中学生を対象にした一般募集イベント「ピクルス王子とパセリちゃんの市ヶ谷台探検ツアー」を行った。毎年夏休みの時期に開催される同ツアーは、定員に倍するほどの応募がある人気のイベントで、今年度は両日併せて保護者含め199人の参加者があった。テレビゲームをモチーフにした内容の子ども向きの広報ビデオを使った防衛講座や屋外ヘリ展示見学、広報展示室での見学や体験装着、隊員食堂での体験喫食、手旗信号体験、儀じょう訓練見学、警務隊の装備品展示などに加え、ツアーの目玉である、子どもたちと森本防衛大臣との大臣室での懇談(保護者たちは同時刻に市ヶ谷記念館の見学)では、大臣から「自衛隊に入りたい人は手を挙げて」との呼びかけに、「空挺団に入りたいです」「自衛隊で看護の仕事がしたいです」と積極的な回答があった。ツアーの最中に「防衛大学校に入るにはどんな勉強が必要ですか。算数と国語どっちが大事ですか」「決めた!高等工科学校に子どもを入れます」などとツアーに同行している陸海空の自衛官、事務官に話しかける子どもや保護者の姿が見られ、参加者は、ツアーを消化していくうちにどんどん自衛隊への興味が沸いている様子だった。写真左から 「なぜ自衛隊が出来たのですか」との小学生の問いに、世界地図を指差して説明する森本防衛大臣 ヘリ展示は大人気 賑やかだった子どもたちも特別儀じょうの訓練展示に息を呑んで見入っていた
ロンドンオリンピック第13日の8月8日(英国時間)、レスリング女子48s級に出場した自衛隊体育学校(朝霞)の小原日登美1陸尉が金メダルを獲得した。体校としてはロサンゼルス五輪の宮原厚次2陸佐以来28年ぶり、女性自衛官としては初の快挙。 小原1陸尉は以前、本紙の取材に対し「体育学校生活の集大成としてオリンピックに向けて頑張りたい」と話してくれたが見事、最高の結果となった。 試合後、小原1陸尉は「本当に信じられないです。まだ、オリンピックで優勝したという実感がないですが、皆の力で取れた金メダルだと思います。皆の応援が力になってマットに立ったとき、一人じゃないんだと思えたので諦めずに頑張れました。今まで支えてくれた皆の顔が浮かんで、皆に笑顔を見せることができて、皆に恩返しをすることができてとても嬉しいです。本当にどんなときにも諦めずに頑張れば夢がかなうんだと思います」と語った。
防衛省では、市ヶ谷地区の庁舎や官舎、市ヶ谷記念館などを約2時間30分かけて巡る市ヶ谷台ツアー(毎週月〜金の午前・午後に開催、要事前予約)を実施している。夏休みに入り、ツアーは連日、学生や子ども含め多くの参加者で賑わっているが、現在、ツアーの目玉である市ヶ谷記念館では「書で観る『山本五十六』とその時代展』を開催中。山本五十六元帥の遺墨をはじめとする当時の資料などが、海自鹿屋基地、海自第1術科学校、防衛大学校など防衛省・自衛隊の施設から集められている。普段は全国各地に所蔵されている資料を同時に見られる貴重な機会とあって大きな注目を集めており、「この企画展を目的にツアーに申し込まれる方もいらっしゃいます」(ツアースタッフ)という。「書で観る『山本五十六』とその時代展」開催期間:平成24年7月18日(水)から10月19日(金)■市ヶ谷台ツアー「書で観る『山本五十六』とその時代展」開催のご案内(防衛省HP)http://www.mod.go.jp/j/publication/events/ichigaya/isoroku/index.html市ヶ谷記念館は市ヶ谷台ツアーにおいて見学することが出来ます。■市ケ谷地区見学(市ケ谷台ツアー)のご案内(防衛省HP)http://www.mod.go.jp/j/publication/events/ichigaya/tour/index.html 写真左から 『書で見る山本五十六とその時代展』展示風景 海上自衛隊が撮影協力などを行った映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六』で使用された衣装や食器なども展示 山本五十六元帥が揮毫した石碑の碑文「常在戦場」の拓本は圧倒的な存在感