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自衛隊ニュース   925号 (2016年2月15日発行)
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寒波による断水で災派
 暖冬傾向から一転、厳しい寒さが日本中を襲った1月後半、西日本各地で水道管の凍結・破損を原因とした給水能力低下による断水地域が多数発生した。防衛省・自衛隊は1月25日から2月1日まで、計8県知事からの要請に基づき被災地の部隊及び周辺の部隊、地本や師団・旅団司令部が被災地へ水トレーラー車や水タンク車、LO要員を派遣。各自治体と調整しニーズ把握などに努め、公民館や医療施設など約290ヶ所で給水支援を展開し約1週間で給水総量は計約1300tに達した。
 記録的な寒波が市民生活に混乱をもたらした九州では広範囲に被害が及び7県約10万世帯で断水が発生。うち熊本を除く6県知事の要請により陸自西部方面隊隷下の計16部隊(※1)などと第4師団司令部(福岡)及び長崎地本、鹿児島地本から人員延べ約2000名と車両延べ約800両を派遣した。また、福岡県みやこ町と築上町へは空自築城基地から第8航空団と隷下の第7高射隊から人員述べ約65名と車両述べ約30両が派遣された。
 5年ぶりの大雪の後に状況が発生した南国鹿児島では「住民の生活が早く元の状態に復旧する事を願い、隊員一人一人が水トレ-ラーに水汲みにこられた住民の方々に真心で対応しました」(第12普通科連隊=国分)などと心尽しの活動。約5万世帯超が断水し約100ヵ所に給水場所を設置した長崎では、「県内各地の自衛隊父兄会会員による派遣隊員への激励が各地で実施され、厳しい寒さの中で作業を実施する隊員の士気を鼓舞しました」(長崎地本)と、心強い援軍もあった。
 また、対馬市の確認を踏まえ担任区域等を調整した対馬警備隊は、担任の各地区にお年寄りの家庭が多かったため各家庭一軒々を巡回給水するなど、派遣各隊員が献身的に支援した。
 中国地方では、島根県、広島県において、陸自中部方面隊隷下の計5部隊(※2)などと第13旅団司令部(海田市)及び島根地本から人員述べ約230名と車両述べ約110両が派遣された。第8普通科連隊(米子)による給水支援を受けた住民は、「新聞やテレビで自衛隊の派遣の様子は見たことはありますが、まさか自分たちの町に派遣があるなんて思ってもみなかった。本当にありがたい」と感謝し、隊員に「ご苦労様です」と声を掛ける光景が見られた。また、第13後方支援隊(海田市)の給水車による医療施設4階屋上タンクへの給水では「入院の患者さんや治療などに使う水がなく本当に困っていました」(島根県・安来市立病院院長)と、差し迫った状況が救われ関係者が安堵の表情を浮かべていた。
▽(※1)第2高射特科団、第16普通-科連隊、対馬警備隊、第4施設大隊、西部方面混成団、西部方面普通科連隊、第40普通科連隊、第4後方支援連隊、第41普通科連隊、第24普通科連隊、第43普通科連隊、第12普通科連隊、第4特科連隊、第5施設団、第4後方支援連隊、第4高射特科大隊など▽(※2)第13偵察隊、第304施設隊、第8普通科連隊、第46普通科連隊、第13後方支援隊など

雪の季節に奮闘
雪像作り

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〈八戸駐屯地〉
 八戸駐屯地(司令・篠田光正1陸佐)は1月14日、駐屯地において雪像制作協力隊の出発式を実施した。
 本行事は十和田湖休屋で開催される「十和田湖冬物語2016」のメーン雪像を制作する協力隊の出発を見送るもので、協力隊長・高島3陸佐(第5高射特科群第320中隊長)以下35名が駐屯地司令に出発準備完了を報告した。朝日に照らされゆっくりと出発する協力隊の車列に対し、隊員約700名が大きく手を振り、任務完遂と作業の安全を祈念して盛大に見送った。
 十和田湖休屋会場に到着後、近隣住民が見守る中において雪像制作開始式が行われ、協力隊長が「地域の活性化とイベント成功のためしっかりと任務を完遂します」と決意を述べ、冬物語副実行委員長から協力隊長へ雪像模型が手渡された。式を終えた隊員は直ちに作業を開始し、2月5日に開催するオープニングセレモニーまでに、高さ8m、幅23・4mの雪像「十和田湖伝説」を完成させる予定である。
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〈岩手駐屯地〉
 岩手駐屯地(第9特科連隊長兼て岩手駐屯地司令・松本英樹1陸佐)は、岩手県雫石町小岩井農場まきば園を会場に1月30日から2月7日まで開催中の「第49回いわて雪まつり」の雪像製作協力を実施した。
 雪像製作は1月8日から本格的に始まったが、今年は降雪量が少ないのに加え、温かい日が続いた事によって雪が不足し、当初予定されていた大型雪像の製作が中止になるなど大幅な計画変更を余儀なくされた。それでも実行委員会や製作隊の隊員達は、訪れる来場者に夢を与えることが出来るようにと第9特科連隊本部中隊及び情報中隊はメインステージ、第9特科連隊第1大隊は小型の雪像5基、第9戦車大隊は大型滑り台、第387施設中隊は雪の運搬を行うなど製作に打ち込み開催日を迎えた。
 多くの来場者が訪れた会場には、すでに冬季大会が始まっている国体のイメージキャラクターわんこ兄弟の雪像や大型滑り台等が姿をみせ、各雪像等の前には実行委員会の計らいにより製作隊の写真が掲示された。来場者からは、「この雪像自衛隊が作ったんだ」等の声が聞かれるなど行事協力を通じて地域と共にある自衛隊(岩手駐屯地)の周知を図る事ができた。また、ソリで長い距離の滑りを楽しむ子供達や、メインステージのイベントを楽しむ来場者の姿が見られ、これまで製作にあたった隊員の労を労うかのように小岩井の雪原はたくさんの笑顔の花が咲き乱れた。
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〈岩見沢駐屯地〉
 1月22日、岩見沢駐屯地(司令・山根茂樹1陸佐)は、2月26日から28日の3日間、岩見沢市で実施される「IWAMIZAWAドカ雪まつり」への協力について、一般社団法人岩見沢市観光協会と協定を締結した。協力するのは、2月1日から祭りの当日まで第337施設中隊(中隊長・古橋1陸尉)が長となり、各中隊からの支援人員をもってメインステージ及び滑り台付き雪像制作を実施し、地域の活性化に寄与するとともに、地域住民に対して、駐屯地への認知・理解及び協力の促進を図る。

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