防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2011年10月15日号
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派遣海賊対処行動航空隊に参加して

 アフリカ東部のソマリア沖・アデン湾で警戒監視を続けている派遣海賊対処航空隊。現地の気温は40度以上にもなり、厳しい勤務・生活環境下の中で任務に励んでいる。活動拠点で給食・補給業務や警備などに従事している陸自隊員の所感文を紹介します。

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中央特殊武器防護隊 2陸尉 西原清隆

 派遣海賊対処行動航空隊第7次要員としてジブチに派遣され早2ヶ月、この2ヶ月を振り返りこれまでに感じたことを述べたいと思う。
 派遣当初は、初の海外派遣、家族との別れ及び不慣れな勤務のため、緊張と不安の毎日だった。今では毎日のように起こる不測事態(停電や断水)にも慣れ、素晴らしい上司と仲間のおかげで楽しく勤務している。
 私の役職は、基地業務隊厚生給養班の給養班員である。新活動拠点に移転したことによる新たな役職であり、主な任務は、ケータリング業者が実施する調理・配食及び清掃作業を監督・指導することである。私が派遣された当初は、活動拠点の本格的な運用が開始されて間もない時期にあり、日本人スタッフ及び現地人スタッフ共に悪戦苦闘しながら業務をこなしていた。特に現地人スタッフは、価値観や文化の違いから私たちが思い描くようなサービスをイメージ出来ずに大変苦労していた。監督する私も語学がそれほど堪能ではないため、自分の感じる細部のニュアンスをうまく伝えることが出来ず、互いの意思疎通が出来ない状態であった。しかし、今ではお互いの言葉を学びながらコミュニケーションをとり、実際にやって見せて少しずつ良いサービスが提供できるようになった。
 最後に、私の原隊である中央特殊武器防護隊は、原子力災害対処中の大変な時期にもかかわらず、派遣準備から色々と支援をして頂き本当に感謝しています。日本の復興を遠くジブチの地から願いつつ、今以上に美味しい食事をジブチの仲間に提供できるよう頑張っていきたいと思う。

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中央即応集団第3中隊 3陸曹 渡邊芳貴

 私はこの度、派遣海賊対処行動航空隊(第7次要員)の警衛隊員としてここジブチに派遣された。私の任務は、派遣海賊対処行動航空隊のP-3Cとその拠点を守ることであり、私はこの任務を熱望していた。
 さかのぼると入隊前の今から6年前、私はニュースでイラクにおいて活躍する自衛官を見ていた。世界で人のために仕事をする自衛官に憧れたことが入隊の動機であり、私と同世代の自衛官には同じ動機の方が多いのではないだろうか。今もそのときの憧れを忘れたことはない。私は自衛官としてまだまだ未熟ではあるが、自衛官という仕事は経験の多さも大事だと思う。いろいろな訓練を、いろいろな場所で経験して経験値を上げたいと考えている。
 拠点における生活は、毎日日本食を摂ることができ、大浴場もあり、また衛星電話を使用して家族に電話をすることもでき、任務に集中するには十分すぎるくらい環境が整っている。しかし、外気温は、世界で一番暑い国というだけあり、日中は50度以上という厳しい暑さのなかの勤務となる。ジブチに来て2ヶ月になるが雨をまだ見たことがない。停電、断水も少なくない。皆さんは野ラクダを見たことがあるだろうか、車道いっぱいに数百頭のラクダが歩いていくことがある。拠点の生活は日本に近い環境であるが、一歩外に出ると、日々、日本との環境の違いを実感する。
 ここでの任務は、日本との環境の違いはあるが、初めて実施するような任務はひとつもない。巡察、監視、検索等全て日本で訓練してきたことである。また、武器の取り扱い、車両の安全運行や輪止めの確行等の基礎動作は、どんな環境でも、どんなに疲労していても確実に行っている。これらのことは日本における日々の訓練があったからだと身をもって感じる。今までの自衛隊での全ての訓練・経験が今のこの任務において私の力になっていると感じる。
 今回の任務は、海上自衛隊、陸上自衛隊、そして現地住民の仲間と協力して行っている。現地住民はもとより、海上自衛官とも用語の違いや習慣の違いがある。しかし、それらの壁を越え、ひとつの任務という目標に向かい協力し合っている。
 私は現地住民の仲間と警備任務をしているが、その仲間と会話する中で、私は日本という国が世界で広く知られている国だということを感じた。日本の風習や産業について、また唯一の被ばく国だということ等、とても多くのことを知っていた。ある時、現地住民の仲間の一人が、「日本人は私たちを尊敬してくれる、大事にしてくれる」と語りかけてきた。この仲間が今までどこの国の人と一緒に仕事をしてきたかは分からないが、私は日本人の人格をほめられたような気がしてすごくうれしかった。日本にいるときは日本人であるということを意識することは少ないが、私にとって日本人ということを誇りに感じられる経験であった。
 また、遠く日本から離れて、家族の大切さを改めて感じた。家族から送られる追送品の中の手紙と写真は私の心の支えとなっている。世界で私のことを一番に考えてくれているのは「家族」だということを実感した。また、私事ではあるが、出国前に結婚を約束した女性がいる。彼女は、私を理解し温かく送り出してくれた。そして、家族とともに私の支えになり、日本で待っていてくれる。私の大切な人のためにも、無事任務を完遂し、帰国した暁には改めて感謝の気持ちと結婚の意を伝えたいと思う。
 最後に、私は自衛隊の仲間が東日本大震災の被災地へ向かう中で出国した。当初は複雑な気持ちもあったが、今は「任務は違えど心はひとつ」と思い、日本のために日々任務に邁進している。ここで多くの経験を積んで帰国し、次の任務に活かして行きたいと思う。

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中央即応連隊第3中隊 3陸曹 廣門周三

 私の任務は、警衛隊員としてP-3C哨戒機及び新活動拠点を警備することである。
 自分にとって初の海外勤務であり、この任務に参加する命令をもらったときは「不安」と「期待」で一杯だった。「不安」は、生活環境の変化、言葉や考え方の違いであり、特にジブチ共和国は世界一暑い国で、夏場は50度を超える気候ということで、生活環境の変化への不安は大きかった。国内でさまざまな訓練をして不安要素を取り除いてきたが、暑さだけは国内で体験することが出来なかったため、ジブチ共和国において任務に就いてからは毎日がこの暑さとの戦いになっている。「期待」は、日本人として、また、自衛官として、海外で勤務できることである。警衛勤務は、訓練ではなく実任務であり、常に失敗は許されないという緊張感をもって任務に就くことができ、とても充実した毎日を送っている。暑さを一刻も早く克服し、中央即応連隊の一員として厳しい訓練をやり抜いてきた誇りを胸に、P-3C及び活動拠点の警備にこれからも邁進していきたいと思う。
 最後に、東日本大震災により被災された皆様に心からお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興をジブチからお祈り申し上げます。

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第125地区警務隊高田派遣隊 3陸曹 馬場誉

 私は、ジブチにおいて警務陸曹として、海上自衛隊所属の派遣警務隊長 前田1尉、先任海曹 岡田1曹、陸上自衛隊所属の警務幹部 鈴木2尉及び私の計4名で、航空隊の任務遂行のため司法警察業務及び保安業務を実施している。
 6月上旬にジブチ入りしてから早くも約2ヶ月が経とうとしているが、この間、派遣隊員の任務遂行に対する意識の高さから大きな事件・事故もなく、また7月7日の新活動拠点開所式も無事に終わり、平穏な日々が過ごせている。
 普段の勤務内容は、現地警察など関係機関からの情報収集、ジブチ市内における地誌調査及び派遣隊員に対する防犯活動である。ジブチ共和国は治安もよく、派遣隊員は外出ができ、近くにあるメネリック広場周辺に軒を連ねるクラブやレストランにおいて一時だけ任務の緊張感から解放される環境にある。その際に派遣隊員が安心して外出できるように夜間巡察を実施することも私たちの任務である。
 私的には、整備日の駆け足・筋トレ等の運動や外出により息抜きをしている。
 しかし、日本の現状を忘れることは片時もない。ジブチ派遣について打診があった後、東日本大震災が発災し、その晩に車両を誘導して被災地入りした。しかし、それ以降はジブチ派遣の準備もあったため被災地入りすることもなかった。
 被災地に対する大きな思いはあったが、ジブチ派遣は与えられた重要な任務であると自分に言い聞かせて準備を進め、今もその思いのもと任務に邁進している。短い派遣期間ではあるが、公私共にさらに活動を充実させ今後の派遣隊員に繋げていきたいと思う。


自衛隊サポーターズ
三輪祐子さん
「自衛隊を思うとウルっと」
地元FMで自衛隊紹介番組

 三輪祐子さんは、静岡県静岡市清水地域を中心としたエリアをカバーするラジオ局 FMしみず『マリンパル』(76・3MHZ)のラジオパーソナリティ。担当する毎週土曜日、午前中4時間のワイド番組『Weekend Wave』内では、自衛隊広報番組『自衛TIMES★静岡』(11:30頃〜提供・清水自衛隊友の会)を放送中だ。毎週10分間、約3年半「素人の目線を大切に」(三輪さん)とリスナーに自衛隊を紹介し続けている。

 — 『自衛TIMES★静岡』は、平成20年4月の放送開始から3年半が経過しました。
 三輪 過ぎてみるとあっという間で「もうそんなに経つの?」という感じです。私は音大出身で、自衛隊とは全く縁のない世界で生きてきました。『自衛TIMES★静岡』では、自衛隊に関する採用情報・イベントのお知らせ等様々な情報の提供、自衛隊に関する質問の募集、自衛隊グッズのプレゼントなど、いろいろな企画で放送しています。情報を発信することで日頃自衛隊に接する機会のない市民の方に興味を持っていただくことが目的ですが、私自身が何も知らない真っ白な状態からスタートしたので、特に最初の頃は、毎週新鮮な気持ちで知識を蓄え、自分の中でどんどん自衛隊が身近に感じられるようになりました。
 — どんな出来事が印象に残っていますか。
 三輪 これまで、静岡地本の皆さんをはじめ、多くの防衛省・自衛隊関係者の方をスタジオにお招きして収録を行いました。番組開始前は「自衛隊=固い」という印象を持っていたのですが、さにあらず。勿論、皆さん礼儀正しい側面は共通しているものの、素の部分ではそれぞれに個性があって楽しいです。「全く喋れません!」と言いながら、いざマイクに向かうと怒涛の勢いで言葉が出てくる方もいました。最近では仕事抜きに「私、ほんとに自衛隊が好きなんだなあ」と感じる瞬間がたびたびあります。東日本大震災の直後は災害派遣に従事する現場の隊員の皆さんの声を番組で紹介したり、番組外でも実情を伺う機会がありました。私自身、周りの人と自衛隊について話し合う機会が増えましたが……。話しているうちに、ついつい想いがこみ上げてきて、泣きそうになってしまったりしちゃいます。
 — 最後にメッセージを。
 三輪 仕事をしながら、車を運転しながら、あるいは家事をしながら、ラジオは、特に「聴こう」と思わなくても習慣的に耳に入るメディアです。私自身がそうだったように、毎週聴いているうちに自然と自衛隊に興味を持って、身近に感じてもらうことができるような番組を続けられたらと思っています。


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