第36回全国自衛隊柔道大会の防衛大臣杯団体戦が12月8日、自衛隊体育学校(朝霞駐屯地)で開催され、団体戦第1部(5人制)で陸自国分Aが見事4連覇を飾った。 決勝の相手は3年連続で陸自久留米。2勝1敗2分けで国分が激戦を制した。優勝チーム監督の福丸勝広曹長は「今回は若い20代の選手を主体として、その中にベテランをうまく組み合わせながら戦った。3回戦の第8施設大隊(川内)戦を最後まで、あきらめないで戦ったのが優勝に繋がった。選手たちの頑張りで4連覇できた。選手たちには『おめでとう』と言ってやりたい」と話した。 最優秀選手(大会会長杯団体優秀選手賞)には国分Aの阿部利一3曹(12普連1中隊)が選ばれた。阿部選手は「たまたま自分が選ばれただけ。みんなの力を合わせて4連覇できたことが第一。次回も頑張ります」と笑顔で話した。 団体第2部(3人制)は、陸自守山が決勝で海自第2術科学校を3戦全勝で破り優勝した。 大会団体戦の成績は次のとおり〈団体1部〉▽優勝=国分A(陸)▽2位=久留米(陸)▽3位=神町A(陸) 、別府(陸) 〈団体2部〉▽優勝=守山 (陸)▽2位=第2術科学校 (海)▽3位=呉 (海)、小原台(共通)写真左=「1本っ!」(団体2部決勝で。優勝した守山の中尾槙兵士長が一本勝ち)、同中=団体1部優勝の国分Aチーム、同右=最優秀選手に選ばれた国分Aの阿部利一3曹
北朝鮮が「人工衛星」と称するミサイルを12月10日から22日までの間に発射する可能性が高いことから、1日、森本敏防衛大臣は自衛隊にミサイル防衛システムによる迎撃態勢を整える「破壊措置準備命令」を発令。これを受け、自衛隊は海上配備型迎撃ミサイル(SM3)搭載のイージス艦を沖縄周辺海域に、地対空誘導弾ペトリオットPAC-3部隊を沖縄県と首都圏に配備した。9日に迎撃準備を完了させる。6日には岩崎茂統幕長と、防衛省を訪問した在日米軍司令官サルバドーレ・A・アンジェレラ空軍中将が指揮官懇談後に、空自市ヶ谷基地に展開されたPAC-3部隊を視察。7日朝、首相官邸で安全保障会議が開かれ、破壊措置命令を発令する方針が決定、森本大臣はこれを受け、破壊措置命令を発令した。野田佳彦総理大臣は7日午前に市ヶ谷基地のPAC-3部隊を視察、同部隊及び防衛省・自衛隊隊員らに対し激励を行った。写真左 5日夜、空自市ヶ谷基地に配備されたPAC-3発射機写真中、右 7日、隊員らを前に激励を行う野田総理
11月28日、防衛省大臣室において、森本敏防衛大臣に対し、東ティモールへ派遣される能力構築支援事業要員3名の出国前挨拶が行われた。能力構築支援は、人道支援・災害救援、地雷・不発弾処理などの分野について東南アジアなど開発途上国の軍隊又は関係機関の対処能力向上を目的とする。東ティモールへの派遣は、昨年度に各国で実施された調査研究を踏まえ具体化したニーズに基づき決定された。派遣期間は12月4日から来年3月20日を予定。東ティモールでは、同国の劣悪な道路状況で欠かせない装備品となっている四輪駆動車などをメンテナンスするため、自動車整備士養成教育などを行う。写真 大臣に挨拶を行う派遣要員。奥左から陸自中央即応集団・小山幹生2陸佐、陸自武器学校・鈴木健太郎3陸佐、防衛政策局国際政策課能力構築支援室・阿部和美事務官
東京都千代田区九段の日本武道館で11月16、17日の二日間にわたり「平成24年度自衛隊音楽まつり」が全5講演行われた。今年は陸海空自衛隊音楽隊、自衛太鼓、ゲストバンドの米軍軍楽隊ら併せて約1000名が参加。沖縄復帰40周年を記念し第15旅団が単独演奏、サンフランシスコ平和条約締結60周年を記念し米太平洋陸軍軍楽隊が特別編成された。16日夜の部には森本敏防衛大臣が出席し、聴衆とともに高度で華麗なマーチングやドリル演奏、力強い和太鼓の響きを堪能した。写真右 フィナーレ、出演全部隊の合唱。ゲスト出演した自衛官五輪メダリストも参加写真中 華麗に舞った第15旅団エイサー隊写真左 「なだそうそう」「ふるさと」の2曲を陸海空特別記念演奏
統合幕僚学校(学校長・石野次男空将)の国際平和協力センター主催で第2回「国際平和と安全シンポジウム」が11月17日、都内で開催された。国連平和維持活動の多機能化とミッションの統合化に焦点をあて、テーマは「統合任務に見る課題」。PKO活動における軍事、政治、人道支援の専門家らが講演や討議を行い、開発も加えた主要4分野からなる統合任務を包括的に行うことが重要とした。 討議では「とくに政治、人道支援、軍事はプロフェッショナルに行動しなければならない。互いによくわかり合う必要がある」との意見の一方で「統合ミッションの目的は平和を残すこと。そのためには政権の安定した国づくり≠ェ必要。人道支援とは別。意思決定のプロセスにNGOを入れる正当性はあるのか」などの発言もあり、これを大阪大院・星野俊也教授は総括講演で「政治と人道の相互ジレンマ」とまとめるなど、踏み込んだ内容となった。写真左=開会の挨拶を述べる石野校長、同中=元英陸軍ゴードン少将が基調講演、同右=パネルディスカッション(右から進行役の大阪大院・星野教授、岐阜大・上野准教授、「難民を助ける会」理事長の立教大・長教授、ゴードン元少将、国連・川端政務官)
防衛省技術研究本部は11月13、14日の両日、創立60周年記念シンポジウムをグランドヒル市ヶ谷で開催した。 陸上、航空、艦艇の各装備研究所員らが防衛技術の研究開発について、また大学や民間企業の研究指導者、幹部らが防衛関連の先端技術について発表を行った。屋内外に設けた展示会場ではミニステージを設置し、研究成果の紹介、説明を行った。 初日、秋山義孝技本長が「研究開発の方向性に係る一考察」と題して基調講演。2日目には「将来技術との融合を目指して―新たな時代を拓く防衛技術の在り方を多面的に考える」をテーマに英国王立防衛安全保障研究所の秋元千秋アジア本部長ら4人のパネリストがディスカッションを行い、多くの聴衆を集めた。写真左=パネルディスカッションは満席(左から英国王立防衛安保研・秋元千明アジア本部長、ものつくり大学・神本武征名誉学長、三菱重工・西岡喬相談役、前技本長・佐々木達郎氏)、同中=陸上無人機技術の試作品、同右=先進個人装備システムを身につけた隊員らがデモンストレーション
砕氷艦「しらせ」(艦長・松田弘毅1海佐)の第54次南極地域観測協力の出国行事(執行者=横須賀地方総監・武居智久海将)が11月11日、東京港晴海埠頭で行われた。約1100人の家族、関係者が乗組員170名の海自隊員たちを見送った。 河野克俊海幕長は壮行の辞で「前回の行動においては昭和基地沖へ接岸できないという厳しい氷状での活動となった。孤立無援の条件下で無事に任務を遂行するためには、周到な準備、的確な情勢判断および緩急自在かつ柔軟な対応が必要であり、艦と航空機の能力を十分に発揮することに努めるとともに、困難な局面に際しても、最後まで忍耐強く最善を尽くしてもらいたい」と述べた。 松田艦長の粋な計らいで「しらせ」は11月11日午前11時11分出港した。総行動日数は151日、南極圏行動日数99日、総航程は約2万マイル。来年4月10日に帰国予定。写真左=「しらせ」の飛行甲板で松田艦長奄迴鞫g員を前に壮行の辞を述べる河野海幕長、同中=約1100人が盛大に見送り、同右=出港を見届ける河野海幕長奄迥C自幹部
来年度の自衛隊記念日の「プレ観閲式」となる東部方面隊創立記念パレード(53周年記念行事)が10月28日、陸自朝霞訓練場で行われた。 渡部悦和東部方面総監は式辞の中で隊員たちに対し「諸官一人一人が個人として自分自身の最後の砦なのだ。自らの心と体の健康を守れないで国を守ることはできない。諸官自身が自らを厳しく律し、有事に真に活躍できる隊員になれ。そして諸官は家庭における最後の砦となりなさい。家庭を守れないで国を守ることはできない。そして部隊において与えられたポジションにおいて最後の砦となりなさい。そして東部方面隊として練磨無限、訓練に訓練を重ね、日本の最後の砦となろうではないか」と檄を飛ばした。 1普連(練馬)、32普連(大宮)、女性自衛官教育隊(朝霞)などから人員約1350名、1施大隊(朝霞)、1戦大隊(駒門)などから車両約150両、さらに航空機25機が観閲部隊に参加。あいにくの天候にもかかわらず訪れた約3000人の市民を魅了した。写真左=巡閲する東部方面総監・渡部悦和陸将、同中と右=雨の中でも微動だにせず「精強自衛隊」の姿を示す隊員たち
ハイチ撤収支援隊の出国式が10月18日、朝霞駐屯地にある中央即応集団(司令官・日政広陸将)の司令部で行われた。 同支援隊は補給統制本部と関東補給処を基幹とした45名の隊員で編成。ハイチ派遣国際救援隊の一部として、装備品輸送の技術的指導・援助、民間業者の役務の監督などを行う。隊長の神成健一1陸佐(十条)は「最後、いままで救援隊が活動してきた成果を、さらに拡充するような仕事をしてきたい」と抱負を述べた。 日司令官は訓示で「撤収業務は複雑かつ広範多岐にわたる。現地情勢を的確に把握し、不測事態への対応を準備するなどオペレーションの中で最も困難で神経を使う任務となるであろう。我々CRF司令部は13時間の時差を排し、常に諸官と連携を密にして、最大限のバックアップ態勢を取る所存である。諸官はハイチ派遣国際救援隊最後の要員として、有終の美を飾るべく最後まで誇りを持って職務に専念してもらいたい。諸官の活躍を大いに期待している」と述べ、隊員たちを激励した。写真左=日司令官奄ゥら隊旗を授与される神成隊長、同右=隊員らに訓示する日司令官
10月15日、海上自衛隊幹部学校(学校長・福本出海将=目黒)で第2回西太平洋海軍シンポジウム次世代海軍士官短期交流プログラム(WPNS STEP)の開会式が行われた。WPNS STEPは、アジア・太平洋諸国19ヵ国から海軍士官(少佐、大尉)を迎え、部隊研修や講義により日本に関する理解を深め、また、研究会でのディスカッションにより海上自衛隊幹部学校指揮幕僚課程学生との交流も深める目的で10月13〜25日の期間で実施される。開式の辞(写真)で登壇した副校長・山本敏弘海将補は、フェイス・トゥ・フェイスで各国の若手士官が交流する意義を訴えた。【WPNS STEP参加国】オーストラリア、バーレーン、ブルネイ、カナダ、チリ、中国、インド、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、オマーン、パキスタン、フィリピン、韓国、シンガポール、トルコ、アラブ首長国連邦、米国、ベトナム