自衛隊ニュース
UNTPP施設分野
日韓豪で連携
国際貢献で「日本の心」伝える
出国報告を行う山下2佐(右手前)以下4名
防衛省・自衛隊は11月18日から12月20日までカンボジアのPKO訓練校で行われる「国連三角パートナーシップ・プログラム(UNTPP)」の重機操作訓練に教官団を派遣した。UNTPPとはアジア・アフリカ諸国等のPKO派遣予定要員に対して、国連・日本等の支援国・要員派遣国が協力して訓練を行う枠組みだ。
今回は近年PKOミッションで喫緊の脅威となっている即席爆発装置(IED)に対応するため、初めて多国間で連携、実践的な活動を狙ったものとなる。具体的には日本がこれまで行ってきた重機操作訓練と、韓国とオーストラリアが行うIED対処訓練および負傷者野外救護訓練を共同で行う事により総合的に訓練を行う。日本からは教官団として陸上自衛官20名が参加する。
11月8日、団長の山下秀寿2陸佐(第305施設隊)以下4名が森下泰臣陸上幕僚長に対して出国報告を行った。
森下陸幕長は陸自の誇るべき施設能力に奢ることなく「教育者と被教育者との心の繋がりがいずれ国同士の繋がりになる。ぜひ日本の代表として心を伝えて来てほしい」と要望した。
◆派遣隊員コメント
・アジア地域における安定的な安全保障環境の構築に寄与できるよう努力します(山下2陸佐)
・我々の教育を受ける各国が、胸を張って国連PKOに従事できるようしっかりとした教育を実施します(迫2陸尉)
・全員で協力して任務を完遂し無事に帰国します
(武田陸曹長)
・施設科魂見せてきます
(佐々木3陸曹)
衛生分野では4回目の派遣
ウガンダで教官養成訓練
出国報告を行う野村3佐
11月15日、国連三角パートナーシップ・プログラム(UNTPP)の一環で、ウガンダ共和国において衛生分野の教官として派遣される野村和希3陸佐(衛生学校)が、森下泰臣陸上幕僚長に対して出国報告を行った。野村3佐は同国の国連エンテベ地域支援センターで、各国・地域から集まった訓練生に対して、国連野外衛生救護補助コース(UNFMAC)の教官養成訓練を行う。派遣期間は11月25日から12月10日まで。
森下陸幕長は「訓練生の練度や語学能力に差があって教育は難しいと思うが、効果的に訓練ができるようにがんばってほしい」と激励した。野村3佐は「防衛省・自衛隊を代表して、衛生を通じて国際平和に貢献できることを誇りに思います。訓練生が自信をもって各々の任務に当たれるように、これまでの勤務で培ったスキルを存分に発揮して応急救護の教育に臨みます」と意気込みを語った。
UNFMACの教官養成訓練への陸上自衛官派遣は、2019年に始まり、今回で4回目。
オヤジ達の国際貢献
日本最大級の国際協力イベント
「グローバルフェスタJAPAN2024」に出展
メインステージ「世界をつなぐ平和への願い
~地雷除去支援でミライを紡ぐ~」で
JMASの活動が紹介される
グローバルフェスタにJMASのブースを出展
グローバルフェスタは国際協力活動、社会貢献活動、SDGsなどに取り組む官民さまざまな団体が一堂に会する日本で最大級のイベントだ。国際協力の現状やその意義などについての理解と認識を深めてもらうことを目的として、例年、10月6日の「国際協力の日」前後に開催されている。グローバルフェスタJAPAN2024は、9月28日・29日の両日、新宿住友ビル三角広場及び新宿中央公園で開催され、昨年を大きく上まわる約7・4万人(リアル会場とオンライン会場)の来場があった。
33回目となる今年のテーマは、「国際協力70年、ともに未来へ」、NGOや大使館、企業、大学等約200団体の参加があり、JMASもブースを出展し活動を広報した。
また、29日、ステージプログラムとして行われた外務省の「世界をつなぐ平和への願い~地雷除去支援でミライを紡ぐ~」と題したトークイベントには、ココリコの田中直樹さん(JMASが作成協力し、今年3月に公開された開発協力の現場を舞台にした外務省の広報ドラマ「ファーストステップ3 世界をつなぐ平和への願い」にJMAS職員役として出演)をゲストに迎え、外務省国際協力局の日下部審議官、JMASからは徳益事務局長、立花前カンボジア現地代表、式地域復興支援担当及びコマツから柳樂地雷除去プロジェクト室長が参加し、カンボジアにおける地雷除去支援や復興支援等、活動内容を説明した。田中さんからは、「地雷を除去して終わりではなく、その先の生活もケアしていく。現地の方が、生まれた場所で当たり前に生活できるようにすることは、とても大きなことだと思います」との感想が述べられた。
また、外務省フォトコンテストも行われ、「みんなが輝く世界 ‐for the First Step!‐」をテーマに、国際協力の一コマを撮影した作品が募集され、350応募作品の中、JMASからはカンボジアの中野地雷処理専門家が応募した、「危険回避教育」が入賞した。