自衛隊ニュース

国際平和と安全シンポジウム2022
オンライン参加は当日まで申込可能
防衛省統合幕僚学校は、令和4年12月1日(木)にグランドヒル市ヶ谷において「国際平和と安全シンポジウム2022」を開催する。
今回は、自衛隊PKO派遣30周年を踏まえた2部構成での開催となり、第1部のテーマを「防衛省・自衛隊PKO派遣30年の実績と意義 ~自衛隊PKO派遣30年の歩みを振り返る~」とし、特別講演者に元東北方面総監(初代カンボジア派遣施設大隊長)の渡邊隆氏、パネリストに元東部方面総監(元ハーバード大学アジアセンター上席研究員)の磯部晃一氏、元陸上自衛隊化学学校長(第2次モザンビーク派遣輸送調整隊長、第2次イラク復興支援群長)今浦勇紀氏、東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授の篠田 英朗氏(兼モデレーター)を招き、これまでのPKO派遣の実績等について振り返る。
また第2部では、モデレータに東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授 の篠田英朗氏、パネリストに防衛研究所研究幹事の吉崎知典氏、オーストラリア国防軍平和作戦訓練センター長のレイ・スコット・クロフォード陸軍中佐及び防衛政策局参事官付インド太平洋地域協力企画官の松沢 朝子氏を招き、テーマである「国際平和活動の現状と未来~取組の現状とこれからの国際平和協力~」について討議等を行う。
なお、一般の方も事前の申込みにより聴講が可能となっており、会場参加(抽選)は、今月17日(木)まで、オンライン参加については当日まで申込みが可能となっている。
詳しくは、国際平和協力センターホームページまで
開校70周年記念 横須賀市との共同展示物を設置
防衛大学校
正門バス停近くにパネル、マンホール蓋
11月4日、防衛大学校(久保文明学校長)で横須賀市との共同展示物除幕式が行われた。防大と横須賀市との間では、2008年に防災協定を締結したほか、防大生が清掃ボランティアを行う等、市民との交流も盛んに行われている。開校70周年を迎えるにあたり、その事を広く周知するため、学校正門バス停近くの人目に付く場所に「解説パネル」と、紐帯的繋がり・インフラの繋がりを表す「マンホール蓋」を展示した。防大校章、横須賀市章、横須賀市開国のシンボルであるペリー、浦賀奉行所、防大第1~第4大隊のシンボルマークの計8枚のマンホール蓋がパネルを囲むように並べられた。
久保学校長は「「これからも防衛大学校が横須賀市に存在することを誇りに感じて頂ければ幸いであるとともに、防大卒業生がこの横須賀市で学んだことを誇りにして日本全国あるいは世界において活躍していってくれることを願っております」と挨拶を述べた。上地克明横須賀市長は「今回の展示で、横須賀市民がより一層横須賀市と防衛大学校との繋がりをあらためて意識をし、防衛大学校のさらなる発展に貢献していけるものだと思います」と今後も防大と横須賀市との協力関係が継続していくことに期待感を示した。
空幕長、比空軍司令官と会談
防衛協力・交流の一層の活発化で一致
11月10日、井筒俊司航空幕僚長は、カンラス・フィリピン空軍司令官と市ヶ谷の航空幕僚監部で会談を行った。6月の井筒空幕長によるフィリピン訪問に続く相互往来となった。会談では両国の安全保障環境、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の維持・強化、両空軍種間の部隊交流等について意見交換を行い、今後の防衛協力・交流を一層活発化させていくことで一致した。
井筒空幕長は、日本製の警戒管制レーダー移転に代表されるように両国の防衛協力・交流が近年飛躍的に進展していることを歓迎。また比空軍学生が空自の術科学校で履修中であることについて「空自と比空軍の関係を深化させるもので、彼らが将来の貴重な財産となってほしい」と期待を述べた。またカンラス司令官は「航空機の運用を含む様々な分野でも専門家交流等、今後の交流の進展を期待している」と述べた。
砕氷艦「しらせ」が出国
11月11日、第64次南極地域観測協力業務に従事するため、砕氷艦「しらせ」(艦長・波江野裕一1海佐、乗員約180名)が出国、この上ない秋晴れのもと、約5カ月間・1万8000マイルの長旅に出た。
初めて出港の舞台となった東京国際クルーズターミナル(江東区)には、早朝からしばしの別れを惜しむ家族や関係者が多く詰め掛けた。会場に整列した「しらせ」乗員と南極観測隊員を約300名の家族・関係者が囲むようにして行事が始まった。
「パパいた!」と嬉しそうな子ども、セーラベアのぬいぐるみを大切に抱えた女性、名前入りプラカードを掲げた家族…。コロナ対策のため、手が届くような距離にいながらも対面で「いってらっしゃい」が言えない口惜しさの替わりに精一杯の温かい拍手で彼らを送り出した。行事では鈴木統合幕僚副長が統幕長訓示を代読、酒井海幕長が壮行の辞を述べた。
観測隊員と物資を載せた「しらせ」は出港後、豪州フリーマントル経由で12月下旬の昭和基地沖への接岸を目指す。到着後は艦上観測・野外観測、基地設営の支援等を実施。翌年1月下旬に離岸した後、フリーマントル経由で来年4月10日に帰国する予定だ。
波江野艦長は常日頃「任務完遂」、そのための「安全第一優先」、「『しらせ』の全能発揮」、「人を大切に」、「観測隊員あっての『しらせ』」を乗員に説いているという。これらの教えを守り全員無事の帰国を目指す。隣接する「船の科学館」に展示されている初代南極観測船「宗谷」も、ひ孫にあたる2代目「しらせ」の無事の帰国を待ち望んでいるかのようだった。
西太平洋海軍シンポジウムを主催
海自、参加27ヵ国と信頼関係深める
海上自衛隊は11月7日と8日に、横浜ロイヤルパークホテルにて「第18回西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)を開催した。米豪含む30カ国が加盟する多国間海軍協力の枠組みとして2年ごとに開催されるもので、国際観艦式主催国の日本が議長を務める今回は、27カ国の海軍参謀長等が出席し「自由で開かれた海洋‥次世代のための協調的取組」をテーマに、海洋安全保障について幅広い意見交換を行った。酒井良海上幕僚長は開会にあたり「『自由で開かれたインド太平洋』はルールに基づく海洋秩序の基盤であり、普遍的な価値であり、インド太平洋地域の平和と安定の鍵だ。この普遍的な価値を次の世代に引き継ぐためには、WPNS加盟国の緊密な協力が非常に重要だ」と挨拶を行った。
参加国は以下のとおり
◆メンバー国
オーストラリア、ブルネイ、カンボジア、カナダ、チリ、中国、フィジー、フランス、インドネシア、日本、マレーシア、ニュージーランド、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、韓国、シンガポール、タイ、トンガ、米国、ベトナム
◆オブザーバー国
バングラデシュ、コロンビア、インド、パキスタン、スリランカ、英国
※メンバー国ではロシアが、オブザーバー国ではメキシコ、エクアドルが不参加