自衛隊ニュース

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芦屋基地航空祭

約2万人が来場 賑わいみせる

 芦屋基地(司令・徳重勇一空将補)は9月4日、3年ぶりとなる航空祭を開催した。台風の接近により、天候に不安があったが、気象隊の制作した大きなてるてるぼうず=写真下=への祈りが通じたのか、当日は青空に航空機が映えた。

 13教団のレッドドルフィンが青い空に赤い華を添え、U-125AとUH-60Jが迫力のある展示をした。また、待ちに待ったブルーインパルスの圧巻の曲技飛行は会場をどよめかせた。

 今年度、空自初の試みとして有料観覧席の設置があり、芦屋基地もこれを実施した。120の席数に対し、予想を大きく上回る応募者数の中、見事当選した人たちは、目の前の航空機をそれぞれのカメラに存分に収めるなどしていた。

 コロナ感染防止対策に伴い、様々な面で例年通りとはいかなかった航空祭。しかしながら、会場で楽しまれている姿やSNSでのコメントを拝見すると、最大限楽しんでいただきたいという我々の思いが約2万人の来場者に通じたように思う。

北部地域自衛隊指揮官会議

北海道・東北両防衛局長も招待

 9月14日から15日の間、北部航空方面隊(司令官・安藤忠司空将)は、北部地域自衛隊指揮官会議を三沢基地において開催した。

 本会議は、北部地域(北海道及び北東北)を担任する北部方面総監(沖邑佳彦陸将)、東北方面総監(梶原直樹陸将)、大湊地方総監(泉博之海将)及び北部航空方面隊司令官が一堂に会して、意思疎通を図ることを目的として、年2回持ち回りで実施してきた伝統ある行事で、今回は新たな試みとして北海道防衛局長(石倉三良局長)及び東北防衛局長(市川道夫局長)も招待した。

 会議では、様々な議題について活発な意見交換が行われ、航空機視察では三沢基地に配備された空自のRQ-4B、F-35A及びE-2D並びに米空軍のF-16を視察し、北部地域の自衛隊指揮官と防衛局長との間で相互理解及び連携強化につながった。

 なお、米軍機視察中には米空軍第35戦闘航空団司令官(リチャード大佐)が駆けつけて挨拶し、三沢基地における強固な日米同盟についても示すことができた。

第4術科学校で「心身の健康法」紹介

<第14護衛隊>

 第14護衛隊(司令・目賀田瑞彦1海佐=舞鶴)では、隊員の心身を強化・サポートする施策の一環として、心身に係る健康法や哲学等を要約し、体系化した「命の教育」(仮称)を講話や訓育という形で、令和3年度から施行している。今回は、第4術科学校長(学校長・近藤奈津枝海将補=舞鶴)の厚意により、学校職員に対する教養講話という形で実施した。

 当隊では、本教育を「生命力としての心身を積極的に養い、調和的に活用し、より良い人生を活きて、生き抜くための総合的かつ根本的な人間教育」と定義している。昨今、アンガーマネジメントやレジリエンストレーニングをはじめ、メンタルヘルス等に係る学術研究はめざましく、一般に公表されている成果等も可能な限り収集、蓄積して、本教育に反映させているのが特徴です。

 昨年4月から施行を開始し、これまで受講した多くの護衛艦乗員をはじめ、今回の第4術科学校職員からも、「心と身体の在り方および物事をポジティブに捉えることの重要性を学べたことは、隊員の士気および能力向上の観点からも大変有意義でした」や「ポジティブな思考により心を豊かにすることや身体の健康の重要性について改めて認識しました」、さらに「科学的なこと、人間的なこと、歴史的なこと等、様々な要素が入っていてとても良かった。ぜひ広めていって欲しい」といった、大変ポジティブな所見が数多く寄せられた。

 昨今のコロナ禍や気候変動をはじめ、国内外の不安定な情勢やそれに伴う中長期的なストレスにさらされる状況にあっては、これらに抗う、また乗り越える、何ものにも代え難い自己の「命」の力(自己肯定感や自己効力感等)を自覚し、それを養成、向上させていくことが、引き続き重要ではないかと考えている。本教育の効果がすぐに出るものではないと思うが、当隊では受講者からのポジティブな所見等を糧に、雨だれが石を穿つごとく、本教育を継続していきたい。

日米輸送補給員交流会

相互理解を深める
<第3航空団>

 第3航空団補給隊は、空自側が米空軍第35即応準備隊の補給倉庫を見学し、日米の補給に対する考え方の違い、倉庫の規模等についての見識を深めるよい機会を得た。

 まず、空自側の補給隊は、整備補給群に属しているが、米空軍第35即応準備隊は、任務支援群(Mission Support Group)所属(基地業務群に相当)となっており、補給のみならず輸送業務も実施しており、米空軍における補給の位置づけについて違いを見ることができた。また、倉庫はコストコのように大量の物品が保管されており、驚くほど物品量及び倉庫の規模が全く違っていた。

 例えば、防護衣や防毒マスクについては、三沢基地所属の全米軍人に配分され、使用期限が来れば躊躇なく更新していると説明があった。この一例からも米国は、戦争に即応できる態勢を保持していることを垣間見る事が出来た。

 昨今、日米の相互運用性の向上が求められているが、今回の研修を契機に、日米交流を継続し、更に相互理解を深めていきたい。

海上自衛隊創設70周年記念

呉市制120周年記念
呉音楽隊ファミリーコンサート2022


久しぶりの生演奏に感激


 7月23日から24日、呉地方総監部(総監・伊藤弘海将)は呉市と共催し、呉信用金庫ホールで「海上自衛隊創設70周年記念・呉市制120周年記念海上自衛隊呉音楽隊ファミリーコンサート2022」を開催した。

 当日は、海上自衛隊を初めて見る小さな子供たちの眼差しや、久しぶりにコンサートホールに来場した喜びを大きな拍手で表現する人など、いつも以上に熱気を感じるコンサートであった。コロナ禍を配慮し1時間という短いプログラムであったものの、明治時代から現在に変容していく呉市の歴史を感じさせる写真を呉音楽隊委嘱作品「オマージュ~海の守り詩~」に乗せて投影するなど、呉市制120周年の記念として記憶に残る演出とした。

 任務の多様性が求められる中、音楽隊も吹奏楽編成だけではなく、アンサンブルも積極的に取り組み、木管アンサンブルによる「星に願いを」は、優しさと美しさを、金管アンサンブルでは、幕末から明治へと日本の近代化が進む様子を感じさせてくれる「文明開化の鐘」を演奏した。また、巷で大流行しているアニメ「呪術廻戦」のオープニングテーマ「廻廻奇譚」のスピード感溢れるサウンドに乗せて、海上自衛隊の活動動画を披露すると、日頃見ることのできない任務に対する強い眼差しの自衛官の映像に、客席からは熱い拍手が贈られた。

 「守る未来、つなぐ海」がキャッチフレーズの海上自衛隊創設70周年。家族、仲間など多くの大切な人たちに支えられていることに感謝して、その大切な方々に「ありがとう」の気持ちを込めた映像と道本2曹の心にしみる歌声により「STAND BY ME ドラえもん」の主題歌「虹」が歌われると温かな拍手が送られた。プログラムの締め括りは、ジャズの名曲「スペイン」。遠洋練習航海でスペインに寄港したことのある隊員もいる呉音楽隊ならではの灼熱の演奏を体感することができた。

 アンコールでは、呉市のマスコットキャラクター「呉氏」と、呉地方総監部の「くれこ」と「やまと」がステージに登場。呉市公式オリジナルソング「君くれハート」を呉氏の軽快なダンスとともに披露。コンサートの最後を飾るのは、行進曲「軍艦」。

 久しぶりの生演奏の喜びが拍手となって伝わってくる2日間であった。

呉教育隊で修業式

294名が新たな門出

 8月26日、呉教育隊(司令・渡邉雄一1海佐)は、入隊から約5カ月の教育訓練を経た、第17期一般海曹候補生課程(210名)および第378期練習員課程学生(84名)の修業式を、呉市長の新原芳明氏をはじめ、多数の部内外来賓の出席を得て厳粛に挙行した。

 修業式では、伊藤弘呉地方総監が「諸官は、それぞれの部隊へ赴任し、諸先輩や同僚とともに、部隊の一員として、海上自衛隊を支えていくことになるわけであるが、部隊で勤務する上において、第一は、『与えられた職務に誠実に取り組め』つまり己を信じ、何事もやり遂げる強い意志を持ち続け、職務に誠実に取り組み、さらなる成長を遂げてもらいたい。第二は『同期の絆を大切にせよ』諸官の赴任先は全国に及んでいるが、いずれの部隊へ赴任しても諸官は決して独りではないということを忘れないでほしい」と訓示した。

 修業学生代表の山村太朗2海士(山口県立柳井高等学校出身)は、「私たちが、教育隊生活を通じて身につけたものは、あらゆる困難にも負けない不撓不屈の精神、そして団結心であり、同じ目的を持った者同士、喜びと苦しみを分かち合った経験は、大きな宝です。呉教育隊を修業した誇りを胸に、これからの部隊実習に精一杯精進することを誓います」と決意を表明した。

 見送りではそれぞれの勤務地に赴く修業生に対し、家族の温かい激励の拍手の中、堂々と行進を行い、自信に満ちた表情で呉教育隊を巣立って行った。

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