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第30回全日本銃剣道選手権大会

藤原3曹 5年ぶり2度目V

 剣士日本一を決める「高松宮記念杯争奪第30回全日本銃剣道選手権大会」が8月5日、東京都千代田区の日本武道館で開かれ、藤原考貴3陸曹(12特科隊=宇都宮)が5年振り2度目の優勝を果たした。


精鋭58人競う

 全日本銃剣道連盟(番匠幸一郎会長)が主催する30回目の節目となる大会。自衛官を中心とする錬士6段以上の剣士58人が出場、心技体を競った。

 前回優勝、前々回優勝の選手が途中敗退する実力伯仲の接戦が続く中、藤原3曹、岩永健太2陸曹(16普連=大村)、佐藤岳2陸曹(普教連=滝ヶ原)、池田侑弥3陸曹(40普連=小倉)が4強入りした。

 岩永2曹と藤原3曹の準決勝第1試合は、藤原3曹が上胴へ連続の突きを繰り出し一本を奪取。

 佐藤2曹と池田3曹の同第2試合は、佐藤2曹が試合開始早々、「先の先」の突きを上胴に決め一本。負けじと池田3曹も上胴で一本を取り返したが、佐藤2曹が再び上胴で一本を奪い、試合を決めた。

 決勝戦は延長戦にもつれ込み、藤原3曹が佐藤2曹から上胴への突きで一本を奪った。

 25回大会(2017年)以来の優勝を果たした藤原3曹。試合後、「前回の(27回)大会で1回戦で負けたのが悔しくて、今回はいい成績を残そうと必死で頑張ってきた。部隊のご理解があり、しっかり稽古をさせていただけた」と勝因などを語った。

 全日本銃剣道連盟の市野保己副会長兼専務理事は閉会式で、「正々堂々、格調高く洗練された試合が見られた。さらなる高みを目指して稽古に励んでください」と健闘をたたえた。

 一方、若手剣士を対象とした全日本青年銃剣道大会は、青年1部が第40普通科連隊A(小倉)、同2部は第3即応機動連隊(名寄)がそれぞれ制した。


2普連持競走、2中が3連覇

 第2普通科連隊(連隊長・小段雄三1陸佐=高田)は7月22日、高田駐屯地で令和4年度連隊持続走競技会を実施した。

 開会式で連隊長は、「競技会に向けそれぞれ練成を重ねてきたことと思う。各中隊は、一致団結して優勝を勝ち取ってもらいたい。個人においても持てる能力を最大限発揮して、『もう一歩の努力』を胸に、自らの記録に挑戦してもらいたい」と述べ、「普段の努力を発揮せよ」、「安全管理」の2点を要望した。

 比較的涼しく走りやすい環境の下、競技が開始。9個グループ約250人が日頃の練成の成果を発揮し、自身、中隊の勝利に向け3千メートルを力走した。第2中隊が3連覇を果たし閉会式で優勝旗等を授与された。


自候生教育 <40普連>

 第40普通科連隊(連隊長・中村雄三1陸佐=小倉)はこのほど、約3カ月月にわたって行ってきた令和4年度自衛官候補生課程教育を終えた。

 着隊した自衛官候補生たちは、基本教練や射撃訓練・各種座学など=写真=、初めて体験することにとまどいながらも同期と励まし合い、終盤の十文字原演習場での野営訓練や各種練度判定などをクリアして、一人一人が大きく成長した。

 心身ともにたくましくなった候補生たちは、はつらつとした姿で修了式に臨んだ。教育間の各訓練を乗り越えた自信と達成感が表情にあふれていた。

 優秀な成績で表彰された向坊健候補生は、「後期教育でも新しい仲間たちとの絆を大切にし、立派な自衛官になれるよう訓練に励んでいきます」と熱く語った。

体校オリンピアン "技" 伝授

舞鶴でレスリング教室


 自衛隊体育学校(朝霞)第2教育課レスリング班の監督・井上謙二2陸佐と、同班選手で東京五輪レスリング・フリースタイル74キロ級日本代表の乙黒圭祐3陸尉は7月13、14の両日、京都府舞鶴市を訪問。地元高校生らを対象にしたレスリング教室で指導に当たった。

 教室は舞鶴文化公園体育館で行われ、日星高校レスリング部の生徒や地元小・中学生約50人に対し、体校で培ってきた技術などを伝授した。

 海自舞鶴教育隊も訪れ、第378期練習員課程の約100人の学生にエールも送った。下淳市舞鶴地方総監、多々見良三舞鶴市長もそれぞれ表敬した。

留萌市栄誉奨励賞

26普連近代2種訓練隊など


 第26普通科連隊(連隊長・高橋誠1陸佐=留萌)の近代2種訓練隊(担任官・滝沢1尉)及び銃剣道訓練隊女子団体(担任官・折笠1尉)は留萌市役所でこのほど、中西俊司留萌市長から「留萌市栄誉奨励賞」を授与された。

 近代2種訓練隊は札幌市で開催された「第93回宮様スキー大会国際競技会」のバイアスロンの部で第2位の成績を、銃剣道訓練隊女子団体は、東京・日本武道館で開催された「第66回全日本銃剣道優勝大会」で第3位の成績をそれぞれ収めた。

 中西市長は「身体的にも精神的にも集中しなければならない中で、優秀な成績を収められたと思う。さらなる高みを目指していただきたい」とたたえた。

 隊員たちは「引き続き努力を重ね、各種大会で優勝メダルを持ってまたここに来られるよう精進する」と決意を新たにした。

対馬曹友会が釣り大会

 対馬駐屯地曹友会(会長・大久保実曹長)は7月2、3の両日、アラ(クエ)釣り大会を実施した。

 曹友会員の親睦を深め、週末の沿岸監視能力の維持向上を図り、さらには睡眠不足の中で竿先に一点集中する過酷な精神力を養うことを目的として行われた。大会場所は下対馬地区(内院)周辺岸壁に限定して、腕に自信のある総勢17名の磯の強者が参加した。

 ここ対馬は、九州と韓国の間に浮かぶ国境の島、海流(対馬暖流)の影響により魚影も豊富で一年を通して季節の魚釣りが楽しめる。また、獲れる魚は脂が乗りとても美味。今回のターゲットは、その中でも最高級魚、幻の魚といわれるアラ。この魚は初夏にかけて産卵期を迎え、性転換前の5キロ前後が磯際によって餌(小魚)をたくさん捕食する習性がある。

 なかなか幻の魚を思うように釣ることができず、皆、知恵を絞り大物との闘いに夢を抱き一投一投に魂を込め、大会終了時間まで戦い抜いた。3年前の大会記録35キロには及ばなかったものの、8キロのアラを筆頭に合計9本を釣ることができた。

うちの子は自衛官

25キロ行進を激励

青森市家族会会長 成田光男

 青森駐屯地で実施中の自衛官候補生課程教育(20名)で6月3日、教育の仕上げ段階となる25キロ行進訓練=写真=が実施され、青森市自衛隊家族会が激励しました。

 この激励は、教育隊の協力もあり、候補生には事前に知らせず、サプライズ的に大休止地点で行進訓練を出迎えました。

 候補生にしてみれば、なぜか大休止地点で横断幕やのぼりを掲げて出迎える人たちがいて、まさか自分の両親や祖母に「お疲れさん」と声掛けされるとは思っていなかったためか、驚き、照れくさそうな表情が絵になりました。

 家族が見守る中、武器や装具などの点検をきびきびとした動作で行うと、その都度家族はうなずき、成長を確認していました。

 昼食後、家族との会話が許され、少しの時間ではありましたが、休暇等で実家に帰った時とは一味違った中身の濃い触れ合いだったように映りました。

 サプライズの時間は短く、行進後半の準備に取り掛かると候補生は一層引き締まった顔に変わり、教官の号令とともに足取り軽く、家族の見送る大休止地点を出発しました。


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