自衛隊ニュース

三位一体で追求
予備1陸尉 谷本正嗣
現職時代、長く交流のあった米軍関係者と、よく「平和ボケ」について議論しました。米国と違い、戦後世代の長く平和な時代を享受してきたがゆえに生まれた特異な言葉なのか、直訳する言葉はなかなかなく、「Peacetime Complacensy(平時の独りよがり(自己満足)」)という表現で共有していたことを思い出します。
また昨今のウクライナ情勢からも、予備役含む兵士たちが、後に続く世代のため、愛する国の存立を賭け、危険と混乱が待つ戦場へ赴く姿を見て、もし日本が…と考えたときに「果たして自分は?」と自問することも多くなりました。多くの日本人が「見たくない、聞きたくない、想像したくない」であろう「国家危急の事態」を「敢えて想定に置いた練磨の場」を通して「防衛省自衛隊OBとしての矜持を維持」させてくれることが「予備自衛官としての最大のメリット」ではないかと考えます。
予備自衛官となって早くも3年、その間、幸運にも早期発見されたとはいえ、二つのがん治療のため訓練への招集にも十分応えることができていなかった現況も、改善に向ける時が到来したように思います。これからも「予備自衛官」「弘済企業株式会社防衛省団体保険常駐職員」「滋賀県隊友会事務局長」として三位一体で「国民と自衛隊のかけはし」につながる日々を追求してゆきます。
顕微鏡と双眼鏡
予備自衛官補 淺田統子
大腸菌を用いた廃電子機器からの有用金属の回収を目標に、研究に取り組む大学院生でありながら、この度技能(言語)公募の予備自衛官補に採用され辞令書を頂きました。研究で顕微鏡を用いますが、自衛隊のポスターでは双眼鏡を覗いている隊員が印象的であったため、現在の私自身の立場を表す言葉として、題名を「顕微鏡と双眼鏡」にしました。
さて、大学生活の後半はコロナの影響を大きく受け、これまでの「当たり前」が大きく変わりました。そのような中で、自身の興味関心事や今できることを、機先を制して実行する重要性を深く感じました。そこで偶々、地方協力本部の方の説明を聞く機会があり予備自衛官に興味を持ったため、取得していた英検準1級の資格を用いて技能公募の予備自衛官補を志願しました。受験までに、既に語学で採用された予備自衛官の方から訓練の話を伺うこともあり、翻訳や通訳として日米共同訓練や災害救助の現場で勤務するなど、具体的なイメージをもつことができました。
辞令書交付式での式辞で、自衛隊の訓練のイメージとして体力強化ばかりが先行するが、鍛えるべきは国や地域・他人のために自分の能力を発揮する使命感や、困難な状況でも適切な判断ができる判断力であると伺いました。また、安全保障の重要性が高まる中で他国を鑑みると、自分の国を自分の力で守るという意識を持つ重要性に気づかされました。予備自衛官となり、語学を磨きながら国防の一役を担えると幸いです。
しかし自衛隊での訓練が研究や将来のキャリアに直接役立つとは限りません。それでも自衛隊でしかやれない経験を、年齢や本業の異なる多様な人々と積むことで、判断力や環境適応力の向上といった自己成長に繋がり、自信を持ちながら社会貢献できると考えます。まずは10日間の教育訓練を経て予備自衛官になり、更に自分の強みや不足することを認識することで今後の大学院生活やキャリアに還元したいです。
うちの子は自衛官
福知山家族会、自候生激励
福知山自衛隊家族会(衣川莞爾会長)は6月2日、福知山市の長田の演習場で、第7普通科連隊が行った自衛官候補生課程の戦闘訓練に有志11人が集い「戦闘訓練練度判定」の激励を行いました=写真。
教育隊運用訓練幹部から自衛官候補生の着隊からの主要な訓練(入隊式、武器貸与式、基本教練練度判定、10キロ行進、体力検定、歩哨訓練練度判定、射撃検定)の説明を受けました。
戦闘訓練では、教わったことを細かなところまで遵守する動作で、敵に見つからないよう何度も身を伏せながら進み、汗と泥まみれになりながらも総仕上げの戦闘訓練に励んでいました。
練度判定終了後、家族会会長が山本五十六海軍大将の「男の修行」の格言を用いて激励、激励品を贈りました。(福知山自衛隊家族会副会長 浅居久一)
T4体験搭乗
三沢管制隊
須藤3曹
こんにちは。三沢管制隊の須藤3曹です。私は、航空管制官として、日頃からパイロットや車両操縦者と無線交信を行っています。
このたび、三沢基地(北部航空支援飛行班)に所属するT-4の同乗飛行訓練に参加させていただきました。
無線交信の合間にも数多くの確認動作を一つ一つ言葉に出しながら行っている操縦者の姿が特に印象的で、管制官の指示が分かりづらく、言い間違えが多いと、操縦者に多大なる負担をかけ、結果としてコミュニケーションエラーを誘発してしまう恐れがあるということを実際に肌で体感することができました。
この貴重な経験を踏まえ、今後の自己の管制業務において、聞き取りやすい無線交信を行うことを心掛けます。より配慮の行き届いた丁寧な管制業務を提供することで、三沢飛行場の航空交通の安全かつ円滑な運用に寄与できるよう精進したいと思います。
退官後初めて招集訓練参加
伊崎予備1陸佐、4師団で
福岡地本
ウクライナ戦争の状況を見るまでもなく、国家として予備の人的戦力を確保しておくことはとても重要です。現役時代に、北部方面混成団長として勤務し、即応予備自衛官や訓練中の予備自衛官補、訓練終了後に予備自衛官となった隊員とも話をし、彼らの熱い思いに感銘を受けていました。それに応えるべく訓練環境の改善や充足率の向上などに取り組んできました。
予備自衛官制度の中で、最も新しく、令和元年度からスタートしたのが予備1等陸佐です。通常の予備自衛官の招集訓練では、年間5日間の決められたメニューに参加します。予備1佐の招集訓練にはそのような枠組みがなく、日米共同指揮所演習などの大きな訓練の際に、司令部の幕僚補佐で入るなど、その都度訓練機会が設けられて行われることになります。
昨年3月に退官した際に予備自衛官を志願し、8月に採用され、予備1等陸佐に指定するという辞令書を受けました。すぐにでも招集訓練に参加するつもりでしたが、本年6月にやっとその機会を設定していただきました。
第4師団の訓練検閲において、本来の編成にはない補助官部長補佐という役職を与えられ、古巣の第16普通科連隊をはじめとする受閲部隊の行動を現地で確認しました。1年半ぶりに戦闘服に身を包み、違和感なく演習場を動き回り、隊員たちとも話をすることができました。改めて、現場での隊員一人ひとりの頑張りに頭が下がる思いでした。求められた役割は果たせたかなと思っています。
これからも有事に即応できるように心身の準備を怠らず、次の招集訓練を待ちたいと思います。
防衛ホーム スポーツ部
さらなる記録更新へ「昨日よりも今日!」
久居駐屯地陸上部・駅伝部
陸上部は、第1中隊長・赤間3佐を担任官とし部員は8名。駅伝部は、重迫撃砲中隊長・太田3佐を担任官とし部員は16名で活動しています。
活動内容は課業外の時間を使って、駐屯地内及び駐屯地に隣接している訓練場のトラックで練習を行っています。
陸上部(主に短距離)は、加速走、テンポ走、ウェーブ走等で瞬発力を鍛え、駅伝部(主に長距離)は、ペース走やインターバル等で強弱をつけて持久力を鍛えています。また、駐屯地周辺のコースを使用した時間走だけでなく、積極的に各種機能トレーニング等を取り入れ体幹の強化等、体づくりに心掛け、更なる記録更新に向けて練習をしています。
その他、それぞれ全自衛隊陸上競技大会や三重県陸上競技選手権大会、各市町で行われている駅伝大会、記録会へ参加しています。
過去の成績は、全自衛隊陸上競技大会400m男子優勝や明和町駅伝大会優勝、「アクトス6時間リレーマラソンinナゴヤドーム(現バンテリンドームナゴヤ)」優勝とさまざまな種類の大会に出場し好成績を収めてきました。
昨今の新型コロナウイルスの影響により各大会に出場が全くできていませんが、通常通りに大会が行われても良いように、しっかりと練習を継続し積み上げ、切磋琢磨しながらコツコツと昨日よりも今日と言う意気込みで励んでいきます。
また、誰よりも速くなりたい方、走ることが大好きな方など部員を大大大募集しています。少しでもご興味がある方がいましたら、陸上部監督・第1中隊の北川2曹、駅伝部監督・重迫撃砲中隊の吉鶴3曹まで。
(久居)