自衛隊ニュース

5空団が戦競
F15弾薬搭載など全5部門で技披露
空自新田原基地の第5航空団(司令・尾山正樹将補)は4月18日から27日の間、団内戦技競技会を実施した。
305飛行隊による緊急発進及び防空戦闘、整備補給群によるF15戦闘機弾薬搭載、管理隊警備小隊による基地警備行動など全5部門。各競技者は安全の確保を第一に、有事や不測事態に備え日頃から練成している動作の正確性やチームワークなどを競った。
競技は可能な限り隊員が観戦できる環境で行われ、日頃の勤務では間近に見ることのできない他職域の技に多くの関心の目が向けられ、時より歓声が上がった。
競技者の一人は「コロナ過でさまざまな制限がある中、自らの職種に対する誇りと責任を再認識し、技量を向上させることができた。普段あまり見ることのできない他の職種を知ることができて、とても貴重な経験となった」と語った。
閉会式で競技会会長の尾山司令は「皆のプロフェショナリズムに感動した。引き続き鍛え、備えていこう」と述べ、本競技会を締めくくった。5空団ではさらに進化した戦競を毎年実施していく予定だ。
うちの子は自衛官
ミニ懇談会大成功
札幌自衛隊家族会 東区支部長 藤田 恵子
札幌自衛隊家族会東区支部は3月6日、入隊予定のお子さんを持つ保護者向けに「入隊直前懇談会」を企画しました。
コロナ禍もあり参加者が集まるだろうか? とも思いましたが、一人でもいらっしゃれば開催するつもりでした。
逆に、懇談会に協力しますという先輩お母さん(家族会員)はたくさん手を挙げてくれました。自分たちも数年前はとても不安な気持ちだったけれど、いまは立派な自衛官になった子供たちの姿に安心していることから、自衛隊への感謝の気持ちの現れだと思いました。結局、参加希望者は7人集まり、先輩お母さんも7人に限定しました。
1時間という短い懇談でしたが、参加者から「入隊式のこと、隊舎のことなど、いろいろなリアルな情報を聞けた」「質問を独占できて貴重な会でした」など、喜びの声をたくさんいただきました。
皆さん笑顔で連絡先も交換し合い、横の繋がりができたことは何よりの安心感に繋がったと思います。
きっと1、2年後には、新隊員保護者の気持ちにもっとも寄り添える存在になって、成長した我が子を誇りに思い、自衛隊の素晴らしさを発信していく仲間になってくれるだろうと思いました。
コロナ禍の中、協力いただきました北部地区隊、先輩お母さん(家族会員)、ありがとうございました。おかげさまでミニ懇談会は大成功! でした。
防衛ホーム スポーツ部
陸海空自衛隊の部隊等は1年に1回以上、体力測定(運動能力測定、体力検定)を行い、任務・職務の遂行に必要な基礎体力の維持・向上を図るとともに、成績優秀部隊の表彰などを通して士気を高めている。
体力測定果敢に挑む
空自、成績優秀部隊を表彰
航空自衛隊は3月28日、令和3年度の体力測定1(腕立て伏せ、腹筋、3キロ走)の優秀部隊をオンラインにより表彰した。
平成25年度に始め今回で9回目。航空方面隊・集団等隷下の約80個部隊を対象に、所属隊員の平均の等級を競う「練成成果」と、前年度との平均の等級の伸び率を競う「練度向上」の2部門で成績の上位3個部隊を表彰した。各部隊は令和3年度中に測定を行った。
「練成成果の部」は硫黄島基地隊が1位、中部航空施設隊(入間)が2位、特別航空輸送隊(千歳)が3位。「練度向上の部」は第4航空団(松島)、第13飛行教育団(芦屋)、航空機動衛生隊(小牧)が優秀賞を獲得した。
井筒空幕長は硫黄島基地隊司令の中澤武志1佐、第4航空団司令の増田友晴空将補ら優秀部隊の代表に空幕からオンラインで表彰伝達を行い、「熱意と努力の賜物であり、敬意を表する」とたたえるとともに、「創意工夫をもって時に楽しく訓練を実施してもらいたい」と激励した。
6種目で構成
海空自の各部隊等で行う体力測定(空自の呼称、海自は運動能力測定と呼称)は全航空・海上自衛官対象の「1」と、男性は40歳未満、女性は30歳未満が対象の「2」で構成。
体力測定1は3種目。腕立て伏せ、腹筋は2分間で正確にできた回数を数える。3キロ走はトラックまたは平坦な3キロの走路を走り、タイムを測定する。
体力測定2も同じく3種目で懸垂(女性は斜め懸垂)、走り幅跳び、ソフトボール投げの回数・記録を測る。
陸自は体力検定を改定し、1を「共通体力検定」として引き続き実施する一方、2は「戦技等に直結する体力検定」に変え、「短距離失踪」「超壕」「重量物の卸下、運搬、積載」の3種目を行っている。
各種目の得点表は陸海空で共通。例えば、15~24歳の男性自衛官の場合、腕立て伏せ82回、腹筋80回、3キロ走10分38秒(以下)で94点・1級が与えられる。陸空自は、3種目のうち最低得点の種目の得点に対応した等級が付与される。海自は、合計得点で級別が判定される。
「陸修会」が設立
4月27日、「陸上自衛隊幹部退官者の会」設立総会が開催、承認された。志摩篤会長、森勉理事長、火箱芳文副理事長が率いる会の名称は「陸修会」と決まった。
これは、「陸上自衛隊、特に幹部自衛官を通じての必要な協力及び支援、陸自殉職隊員等の慰霊顕彰等を行うとともに防衛基盤の強化拡充を図るなど、陸自の発展に寄与し、併せて会員相互の研鑽及び親睦を図ること」を目的とし、新設の基本的考えは「全ての陸上自衛隊幹部退職者が心を一つにして、後輩である現役幹部自衛官とともにあるとの思いを共有し、それを形とする」としている。会の運営は、一般会員の毎年の寄付金及びその他の収入を持って賄うとし、行く行くは、会の効率的かつ常続的な運営のため、すでに一部の陸自幹部退職者が入会している「公益財団法人偕行社」との合同を目指すとしている。
設立総会後の設立式典には、隊友会理事長、偕行社理事長代理、水行会理事長、つばさ会会長代理、自衛隊家族会会長代理、日本郷友連盟会長などの他、約120名の元陸自幹部が参加。来賓代表として吉田陸幕長が祝辞を述べ、大盛況のうちに閉会となった。
3自衛隊 全力捜索
北海道知床沖で観光船沈没
海上、上空から
北海道の知床半島沖合で4月23日、乗員・乗客26人が乗った観光船「KAZU 1(カズワン)」が行方不明となり、その後沈没が確認された。災害派遣要請を受けた陸海空3自衛隊の各部隊は全力で捜索などに当たっている。
4月23日午後1時15分ごろ、観光船から「船首部分より浸水し、沈みかかっている」との通報が海上保安庁第一管区海上保安本部(北海道小樽市)へ入った。同午後7時40分、同本部長から空自第2航空団司令(千歳市)へ要救助者捜索の災害派遣が要請された。
3自衛隊の各部隊は4月23日から航空機や掃海艇などが事故海域に展開し、懸命な捜索を続けている(5月15日現在)。
空自は千歳救難隊と救難教育隊(小牧)のU125が捜索。また、千歳救難隊のUH60が24日午前8時1分、要救助者1人を発見し収容、同じく同機が同10時11分、海保が発見した要救助者1人を収容した。
飛行警戒監視群(三沢)のE2と、飛行警戒管制群(浜松)のE767も捜索に当たった。
海自は第2航空群(八戸)のP3Cが上空から、護衛艦「せんだい」が周辺海域でそれぞれ捜索。
掃海艇「いずしま」は28日午後4時8分、要救助者2人を発見し、海保に引き渡した。また同艇は29日午前11時7分、海保のソナー調査で特徴的な隆起が確認されていた海底で観光船を確認した。
陸自は上空や地上で映像伝送に当たった。北部方面航空隊(丘珠)のUH1が上空から、第27普通科連隊(釧路)と第5偵察隊(別海)が地上で、関係機関へ映像を送った。