自衛隊ニュース

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9音楽隊も奏でる

 第9音楽隊(隊長・佐々木博史1陸尉=青森)は、3月5日、盛岡市民文化ホールで「陸上自衛隊第9音楽隊第43回定期演奏会」を開催した。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、サーマルカメラによる来場者の検温、入場する際の手指消毒、席の間隔をあける、演奏会中も一部のドアを開放して換気を行ったほか、来場者を事前応募の一般客、招待者に限定するなど、感染防止に万全を期した。

 演奏会は2部構成。第1部は国歌「君が代」から始まり、行進曲「海を越える握手」など、きらびやかさを兼ね備えた華麗な演奏で聴衆を魅了。第2部では、東京オリンピック閉会式でも使われた「星めぐりの歌」など全10曲を披露した。

 来場者の方からは「コロナ禍での演奏会開催に感謝します。やはり生で聴く音楽には感動を得るものがあります」などの言葉を頂いた。

7音楽隊が演奏会

 第7音楽隊(平林誠1陸尉=東千歳)は3月6日、苫小牧市民会館で第46回定期演奏会を開いた。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため一般開放は行わず、無観客で千歳機甲太鼓及び第7音楽隊が演奏を実施した。

 平林音楽隊長は、「無観客ではあったが、持ち得る技量を最大限発揮する演奏会となった。今後も皆様にたくさんの元気を届けられるよう積極的に活動をしていきたい」と、前向きな気持ちを語った。

 また、第11普通科連隊の千歳機甲太鼓は、会場に響き渡る一糸乱れぬ律動と迫力ある太鼓技を披露した。コロナ禍である今だからこそ、第7師団は全国へ元気を届け続ける。

14旅団音楽まつり
「step」テーマに

 第14旅団(旅団長・ 遠藤充陸将補=善通寺)は3月6日、香川県高松市レクザムホールで「令和3年度第14旅団音楽まつり」を新型コロナウイルス対策を徹底して開催した。

 今回の音楽まつりは、第14音楽隊を中心に、第15即応機動連隊の善通寺十五聯太鼓、第50普通科連隊の土佐龍馬太鼓を加え、感染症の影響が続く中において、来場された皆様に少しでも明日に踏み出す力を感じていただきたいとの想いから「step~踏み出そう~」をテーマに全20曲を披露した。

 第14音楽隊(隊長・中福島昭洋2陸尉)は、耳だけではなく目で見ても楽しんでいただけるよう、演奏と映像のコラボレーションや隊長自らのキレのあるダンスを披露し、観客の大きな拍手を頂きながら幕を閉じた。

青少年のための3自合同コンサート

音の祭典 華やかに
コロナ対策取りながら

音楽まつりに替え

 毎年11月頃、自衛隊記念日記念行事の一環として自衛隊最大の音楽イベント「自衛隊音楽まつり」が行われている。太鼓やドリル演奏など自衛隊ならではの「自衛隊音楽まつり」は圧巻だ。しかし、コロナ禍において、令和2年度と令和3年度は開催できていない。

 「自衛隊音楽まつり」は、ただ単に「生オーケストラで音楽を楽しむ」だけではなく、国民に自衛隊に対する理解を深めてもらい、音楽を通じて融和を一層深めるという目的がある。

 そのため、2年度と3年度は陸海空のセントラルバンドによる「青少年のための3自衛隊合同コンサート」を開催した。3年度は京王新線初台駅直結の東京オペラシティコンサートホールで、3月28日から3日間計5公演開催された。広いコンサートホールだが、1席ずつ間隔を開けて、また、ホール両サイドの一部の席は使用しないという却って贅沢な音楽まつりとなっていた。

 航空自衛隊航空中央音楽隊(指揮・朽方聡3等空佐)によるファンファーレから開幕し、国歌は最近恒例となっている「心の中で斉唱」。その後、航空自衛隊の行進曲「空の精鋭」の演奏が始まった。交響組曲「風の谷のナウシカ」3章より「はるかな地へ」、ドラゴンクエストによるコンサート・セレクションを演奏し、会場の熱気は高まった。

歌手4人の熱唱も

 次は、陸上自衛隊中央音楽隊(指揮・樋口孝博1等陸佐)。カリブのスチールパンというドラム缶から作られた楽器で「アンダー・ザ・シー」を奏でながら軽快に入場。前出のバンドとの入替時間を楽しくさせていた。そして、陸上自衛隊行進曲「大空」の演奏に始まり、バンドのためのゴジラファンタジー(ヤシオリ作戦)では、ゴジラの足音がどんどん近くなってくる効果音に「映画を見ているようだった」。その後は、透明な歌声の「カントリーロード」、心が穏やかになるのを感じた。

 最後は、ハープ独奏から始まった海上自衛隊東京音楽隊(指揮・樋口好雄2等海佐)。こちらも行進曲「軍艦」と続き、魔女の宅急便から「海の見える街」、そして男性の声も楽器のように響かせた「宇宙戦艦ヤマト・海自スペシャルセレクション」へと続いた。「海上自衛官は、ヤマトの曲を聞くと士気が上がる」というナレーターの説明に「ほおぉ~」と客席は頷いていた。

 ラストは、海上自衛隊東京音楽隊演奏で、陸海空のボーカリストによる「カイト」「蛍の光」で締めくくられた。

「久しぶりにコンサートホールに来て、良い音楽を聞けて…やっぱり生演奏はいいよね」「自衛隊に音楽隊があるなんて知らなかった。めちゃ良かった!」「知っている曲の時はノレた」など、コロナ禍を吹き飛ばすような晴れやかな笑顔で、それぞれ家路に着いた。今年度は、日本武道館で聞くことができるのだろうか、楽しみだ。


海自「しらせ」が帰国
南極輸送任務終えて

 第63次南極地域観測協力で人員・物資の輸送支援等にあたっていた海自砕氷艦「しらせ」(艦長・酒井憲1海佐以下乗員179人)が約5カ月間の任務を終え3月28日、横須賀基地に帰港した。

 横須賀基地で翌29日に行われた帰国行事には酒井良横須賀地方総監(現海幕長)をはじめとする海自関係者、来賓らが出席。

 酒井艦長が帰国を報告。下淳市統幕運用部長(現舞鶴地方総監)が「酒井艦長の優れた統率の下、入念な事前準備、創意工夫、行動中の士気規律の維持、高い運航技量により任務を完遂したことは称賛に値する。得難い経験を生かし、ますます精励することを期待する」と山崎統幕長の訓示を、齋藤聡海幕副長が「139日間、一日たりとも休むことなく南極の厳しい自然環境の中で任務にあたり、見事完遂したことは日頃の訓練成果が遺憾なく発揮されたものと考える」と山村海幕長(当時)の訓示をそれぞれ代読した。

 しらせは昨年11月10日、横須賀基地から出港。氷を砕きながら進むラミング航行で南極の昭和基地に接岸、観測隊員や物資を同基地に輸送した。

 酒井艦長は行事終了後の会見で、「(南極の)氷塊に入ってからの船体の損傷、特にプロペラや舵などの損傷を防ぐこと、燃料管理を厳格にして氷塊から離脱することに注意した」と任務を振り返った。

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