自衛隊ニュース

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航空自衛隊 JASDF

 日々のハードな訓練を行いながら、各基地では地域社会との交流や、隊員の生活環境向上等にも取り組んでいる。また令和4年度に入間へ移転する航安隊では創設40周年行事、百里基地では開庁55周年行事を実施した。

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百里基地開庁55周年記念行事

共同訓練中の米軍航空機も地上展示

 百里基地(司令・石村尚久空将補)は昨年12月11日、「基地開庁55周年記念行事」を開催した。

 新型コロナの感染予防のため、来場者は周辺自治体、基地協力団体の代表及び関係企業等などからの招待者に限定し、記念式典、ランウェイウォーク、装備品展示などの催し物を行い、相互の交流を深めた。

 記念式典で石村尚久司令は、「今何ができるかと問いかけながら、しっかりと訓練していき、これまで以上に皆様から頼もしいと思われる部隊を作って参ります」と挨拶した。続いて国会議員等来賓からの祝辞の後、本式典のために制作した記念動画の上映を行った。

 式典後の記念撮影に引き続き、晴天のもと行ったランウェイウォークでは、参加者は貴重な機会を楽しんでいた。展示飛行こそ行わなかったものの、飛行場地区では百里基地所属の航空機及び車両等の装備品をはじめ、陸海空自衛隊他基地所属の航空機等の地上展示を行った。さらに、百里基地における日米共同訓練のため展開中であった米海兵隊所属の航空機も展示の列に加わった。

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「素晴らしい演奏に元気をもらった」

新田原基地音楽祭

 3月11日、新富町文化会館において新田原基地(司令・尾山正樹空将補)と新富町の協賛による新田原基地音楽祭を実施した。約700名の地域の方々が来場し、手指消毒と検温等、コロナ感染防止策を万全とした音楽祭を楽しんだ。音楽祭では、西部航空音楽隊、富田中学校吹奏楽部及び日向学院中学校・高等学校合唱部が出演し、西部航空音楽隊の単独演奏のほか合同演奏や合唱を披露した。

 特に西部航空音楽隊と地域の学校から参加した富田中学校吹奏楽部及び日向学院中学校・高等学校合唱部の合同演奏・合唱は、美しい音色と優しい歌声に、観客のみならず勤務員等も魅了させられた=写真。

 来場者からは、「コロナ禍でイベントの少ない中、演奏会を楽しみにして来た。感動で最初の曲から涙が流れた」、「コロナ禍でつらい中、素晴らしい演奏や合唱に元気をもらった」などの感想が多く寄せられた。

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春日基地准曹会が障がい者支援施設に衣類等を寄付

 春日基地准曹会長の三浦朗曹長及び同基地准曹士先任の安谷屋定良准尉は、春日基地准曹会を代表して3月9日、指定障がい者支援施設希望学園を訪れ、施設入所者に衣類等の寄付を行った。准曹会長の活動方針である、後輩育成、隊員家族への感謝、地域貢献の一つとして行った。

 コロナ禍で、集まって作業が行えない中だったが、隊員一人ひとりが参加できる活動をしたく、寄付活動を通しての活動を初めて企画した。

 当日は、感染対策の為施設入所者へ直接渡すことは出来ず、屋外で代表者へ渡したが、合計11箱もの寄付品に、「こんなにたくさん貰えるなんて想像してなかった」、「新品の洋服もたくさんありますね!」と喜んでいただいた。今後も、地域貢献による、自衛隊の活動への理解促進を図るため、このような准曹会の活動を継続したいと思う。

 春日基地准曹会は、活動方針にそって、後輩育成(婚活パーティー)、隊員家族への感謝(ファミリーウォーク コロナの影響により次年度持越し)を行っている。春日基地准曹会は「今後も、色々活動いたしますので今後ともよろしくお願いいたします」としている。

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東海3県の陸海空自で初

小牧基地で「カーシェアリング」導入

 「休日に同僚と車を使い遠方へ出かけたいけど、車を持っていない…」「今日の買い物は荷物が多くなるから車があれば…」そんな隊員の悩みを解決できる「カーシェアリング」のサービスが1月21日、空自小牧基地(司令・渡部〓也空将補)において開始された。

 同サービスはトヨタのスマートフォンアプリ「トヨタシェア」をダウンロードし免許証、クレジットカード情報等を登録することで、車の予約、開錠、施錠から利用・返却、精算までスマホで全て行うことができ、必要な時に自由に車を利用できる。

 導入された車種はコンパクトカーの「アクア」と1BOXカーの「ノア」の2台。利用料金はガソリン代、保険料込みでアクアは「15分130円」、ノアは「15分210円」、パック料金は6時間「3080円」、最短15分、最長72時間まで利用可能。6時間を超える場合は走行距離1キロ毎にアクアは「11円」、ノアは「14円」が加算されるが市中のレンタカーに比べても割安で要望や事故トラブル発生時にも24時間相談窓口が対応してくれるため安心して利用できる。

 サービス開始の1月21日にセレモニーを、設置場所となる厚生センター駐車場において行った。セレモニーには渡部基地司令をはじめ、トヨタモビリティ中京(株)の方々、各部隊を代表して厚生委員等が出席し、管理隊警備小隊員によるラッパ吹鳴が行われるなど華やかにオープニングを祝った。セレモニーに参加した隊員からは「カーシェアリングがあれば安価で基地内から簡単に買い物やレジャーに出かけられる」との期待の声が聞かれた。

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航空開発実験集団司令官の柿原空将

防大の上対番と36年ぶりに再会

 航空開発実験集団司令官柿原国治空将が、防衛大学校(以下「防大」)時代の上対番(1対1の関係で指導を受ける上級生)のChor Kiat Tanさん(防大31期、シンガポールからの留学生)と、彼らが防大を卒業して以来、実に36年ぶりの再会をシンガポールにて果たした。

 Tanさんは、「お変わりないですね」とマスク越しにもわかる満面の笑みで再会を喜び合った。

 2月14日~2月17日の間、柿原空将は空幕長代理としてシンガポールエアショー2022に出席するためシンガポールへ渡った。この機会にTanさんと会えるよう、渡航前に現地防衛駐在官を通じ連絡を取ったところ、是非とも会いたいという返信を受け、宿泊先のホテルにて面会した。Tanさんは親しみやすく穏やかな人柄で、日本を離れて数十年が経過しているにも関わらず流暢な日本語を話されていた。

 Tanさんは既にシンガポール陸軍を定年退官されており、4人の子どもたちを養うため民間企業のマネージャーを経てエネルギー関連の公職に再任用されていた。当日も公務の会議が終了した足でホテルに来るという多忙な日々を送っている様子だった。

 話題はお互いの近況から学生時代の思い出話等、終始楽しそうに語り合われていた。シンガポール陸軍は、留学時の成績が帰国後の給与額に影響するため、Tanさんは学生時代必死に勉強しており、その姿は柿原空将にも強く印象に残っているという。

 Tanさんに別の予定もあったため短い再会の時間であったが、2人は今後も連絡を取り合い再び会うこと、日本とシンガポールの友好の懸け橋としてあり続けることを約束した。

 なお、本面会は在シンガポール大使館を通じて本人と連絡をとり、新型コロナウィルス感染対策として、面会前の抗原検査及びワクチン接種済であることを確認して実施された。

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航空安全管理隊40周年

 航空自衛隊航空安全管理隊(司令・岡本秀史空将補=立川)は3月16日に創立40周年を迎え、「隊司令感謝状贈呈式」及び「航空安全管理隊40周年記念式典」を開催した。午前中に行われた感謝状贈呈式では、立川市、国立市、日野市防衛協会に対し、創立以来の協力支援に深い感謝の意を表し、岡本隊司令より感謝状を贈呈した。

 午後に実施された40周年記念行事は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、来賓の招待は見合わせ、隊司令以下、所属隊員のみでの開催となった。

 記念式典で、岡本隊司令は、「当初約20名という小所帯で発足した当隊も、逐次増員され、他自衛隊にはない、安全管理に係る専任部隊として、歴史を刻んできた。また令和元年からは立川分屯基地の基地業務も当隊に移管された。そして来年度には、入間基地への移転、それに伴う立川分屯基地の閉鎖という大きな変革が計画されている。変化は時に大きな苦労を伴うが、同時に大いなる刺激を味わい、貴重な経験も得ることができる。実りある形で変化をとげ、航安隊の新たな歴史を皆で作っていこう」と述べ、結びに航空自衛隊創設以来、航空大事故により志半ばで命を落とした方々のご冥福を祈り、安全管理を司る当隊が、今後も事故の絶無に全力で貢献していくことを誓い挨拶とした。

 式典後に、「航空安全管理隊40周年記念 令和4年3月16日」の文字とともに所属隊員全員で記念撮影を行った=写真。

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