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陸海部隊、練度高める

 陸海各部隊はこのほど、各種訓練・競技会で練度を高めた。第7師団(東千歳)は訓練検閲を、第33普通科連隊(久居)は射撃競技会を実施。第5旅団(帯広)は部隊相談員集合訓練を行い、第1施設団(古河)、佐世保教育隊は持続走で健脚を競った。

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相談員集合訓練 <5旅団>

 第5旅団(旅団長・鳥海誠司陸将補)は1月17日から21日までの間、帯広駐屯地で旅団各隷下部隊の部隊相談員、新隊員教育隊要員及び営内班長等服務指導担当者に対し、「令和3年度第4回旅団部隊相談員集合訓練」を実施した。

 本訓練は、部隊相談員として必要な知識及び技法等を修得させ、旅団のメンタルヘルス基盤の充実を図ることを目的として定期的に行われている。今回はそれに加えて、令和4年度の旅団「人間力の強化施策」の一環として実施予定のコミュニケーショントレーニングを取り入れ、その要領、効果等を確認・検証するとともに、実施の様子を動画撮影して、今後、同施策を各部隊に普及・徹底するための資を得ることとした。

 隊員たちは、初めて実施するコミュニケーショントレーニングに当初戸惑いながらも、教官である旅団心理幹部の説明・指示に従い、相互に傾聴技法(軽度の悩みに対する相談対応)を実習した。

 実施後、隊員からは、「自分に足りないコミュニケーション能力を身につけることができた」、「実習で学んだことを生かし、ストレスを軽減できる場を提供していきたい」等の意見が多くあり、今後の「人間力」の強化に向けて大きな成果を収めた。

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救急法 <北方対舟艇対戦>

 北部方面対舟艇対戦車隊(隊長・齋藤誠2佐)は1月24日、駐屯地体育館で「令和3年度第2回救急法検定」を実施した。

 検定は、隊員の第一線救護能力の練度を評価判定するとともに、その練度の維持向上を図ることが目的。隊の衛生科隊員が担当し、検定前に練成時間を設けて課題を区切って演練させ、検定の合格基準等を示して十分な認識の統一を図った。今回は、補助担架員養成集合教育を修了したばかりの若手隊員が展示や助手を務め検定を支援し、受検者の検定への意欲をかき立ておおいに活躍した。

 近年、より救命率の向上を図るために教育訓練基準が改訂されている。特に第2課題の第2段階「隊員相互による処置」において敵の脅威下で負傷者の救護にあたる際は、自らの判断で負傷者に適切な処置を施さなければならない緊張感から苦戦する隊員が散見されたが、無事17人の受検者全員が合格した。

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野外行動訓練検閲 <8高特群>

 第8高射特科群(群長・久守直紀1佐=青野原)は1月24日から28日まで、日本原演習場などで第308高射搬送通信中隊(中隊長・吉川3佐)、通信レーダ小隊(小隊長・土師2尉)、衛生小隊(小隊陸曹・歌川2曹)、補給班(補給班長・松田1尉)に対し、「令和3年度第3次野外行動訓練検閲」を実施した。

 統裁官の久守1佐は検閲に先立つ訓示で「状況の人となり、任務を完遂せよ」「非戦闘損耗の局限」の2点を要望し、「各級指揮官は、常に考え、指揮官意図を徹底するとともに、厳しい状況下においても隊員一人ひとりが妥協を排し、状況の人となってやるべきことを確実に行い、最後まで任務を完遂してもらいたい」と述べ、奮起を促した。

 各級指揮官は、いかなる状況においても戦況を的確に判断して指揮下を掌握し、適時適切な命令を与えることを実行した。また、隊員相互に信頼し一致団結して任務を完遂した。

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持久走競技 <佐世保教育隊>

 佐世保教育隊(司令・柳信男1佐)はこのほど、第11期海曹予定者課程(113名)の持久走競技を行った。

 持久走競技は今課程の2回目の分隊対抗競技で、分隊員の平均タイムで優勝を争った。参加学生は同期からの熱い声援を受け、優勝旗を勝ち取るため、また、自己の記録更新のため全力を尽くして激走した。

 各学生が「1秒でも速く、1歩でも前へ」と闘志を燃やし、鍛錬してきた「粘り強い心身」と「敢闘精神」を存分に発揮し、ゴールを目指した。44秒の差をつけ、第11分隊が優勝した。

 男性の部第1位となった第11分隊、ジャロ・アルファマハムッド学生は、9分37秒の新記録を樹立する快挙を成し遂げた。

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訓練検閲 <7師団>

 第7師団(師団長・中村裕亮陸将)は北海道大演習場で1月22日から2月2日の間、第71戦車連隊(連隊長・伊達1佐)と第7化学防護隊(隊長・橋口3佐)に対し令和3年度第2次師団訓練検閲を実施するとともに、第71・第72戦車連隊(連隊長・梅田1佐)に対し総合戦闘射撃訓練の機会を付与した。

 第71戦車連隊は、現代戦の最新の戦闘様相及び冬季の特性を踏まえ、最新の敵の情報を収集しつつ先行的な幕僚活動を行い、師団の援護部隊として積極的に行動し任務を完遂した。

 この間、訓練検閲の課目の一つとして総合戦闘射撃を実施し、適切な状況判断と戦闘指揮により総合戦闘力を発揮して陣地防御する敵を撃破した。

 第7化学防護隊は、師団の対特殊武器戦専門部隊としてその能力を生かし、師団長を補佐するとともに、積雪寒冷地の特性を踏まえ、第一線部隊と緊密に連携して任務を完遂。併せて、隊員各個の小火器射撃能力を評価し、厳しい状況下において任務を完遂できることを確認した。

 また、第72戦車連隊は、総合戦闘射撃のみを一連の攻撃行動で実施し、各級指揮官の戦闘指揮及び諸職種協同による火力と機動、火力と情報の連携に着意した攻撃を実施し、任務を完遂した。

 第7師団は、現代戦の最新の戦闘様相及び積雪寒冷下という厳しい状況の中、本訓練検閲と総合戦闘射撃を通じて得られた教訓を今後の隊務に反映しつつ、陸上自衛隊唯一の機甲師団として進化を続け、発展と伝統を継承していく。

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射撃競技会 <33普連>

 第33普通科連隊(連隊長・向田俊之1佐)はこのほど、久居射撃場で令和3年度連隊至近距離及び拳銃射撃競技会を実施した。

 小火器射撃練度の向上、士気の高揚並びに中隊の団結の強化を図るとともに、令和4年度師団射撃競技会「優勝」の地歩を確立することを目的として実施した。

 競技会に先立ち、開会式で統裁官(連隊長)は「迅速・正確な射撃」を要望し競技会の幕が開けた。

 小銃至近距離射撃は、各中隊抽選で選出された射手により、設置された的を迅速に射撃、その精度を評価した。各中隊の競技結果は均衡し、1発の差が順位に大きく影響した。選手達は競技会の緊張感に包まれながらも全弾必中の精神で集中し競技に臨んでいた。

 拳銃射撃は、連隊長以下各幕僚、各中隊長が参加し、日頃の練成成果を競った。

 競技会には各協力会、オピニオンリーダー、各モニター等が見学に訪れ、隊員の精鋭な様子を確認していた。

 競技の結果、小銃至近距離射撃の部は第2中隊(中隊長・落司3佐)が優勝、陸曹個人の部は第1中隊・小山3曹、陸士個人の部は重迫撃砲中隊・伊藤士長がそれぞれ優勝を勝ち取った。拳銃射撃では連隊本部第1科長・森下1尉が優勝し、来たる師団競技会に向けて各人・部隊の練度を確認して幕を閉じた。

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団戦技競技会 <1施設団>

 第1施設団(団長・仲西勝典陸将補)はこのほど、古河駐屯地で令和3年度団戦技競技会(持続走・銃剣道)を実施した。

 持続走競技は2日間にわたって全員参加を基準に実施。2日目の第1グループは団長の号砲で勢いよくスタートを切り、隊員たちは部隊の名誉をかけ、1秒を争う素晴らしい走りを見せ、25~29歳の部の望月3曹及び40歳の部の大浦1尉は2連覇を達成した。

 銃剣道競技会は部隊の規模に区分した団体戦と階層ごとの個人戦を実施。熱戦が繰り広げられた。


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