自衛隊ニュース

(お詫びとご報告)
2月1日号高級下士官名簿にて、航空自衛隊の第42・45・1・23・27・13・43・56警戒隊を警戒群と記載し、准曹士先任を(欠)としていました。現在は警戒群ではなく警戒隊なので准曹士先任の記載はございません。ご迷惑をおかけしました。また、(欠)になっておりました第7航空団基地業務群の准曹士先任に 伊藤岳快准空尉が着任しました。合わせてご報告申し上げます。
警備犬トレビ号除隊
今後は里親のもとで生活
<入間基地>
中部航空警戒管制団(団司令・津曲明一空将補=入間)は11月29日、空自初となる引退警備犬の民間への引渡しに伴う「警備犬除隊式」を行った。
引退警備犬のトレビ号(ラブラドールレトリバー 牝=11歳・当時)は、平成25年に警備犬として入間基地へ配置され、爆発物捜索犬として任務に従事。令和元年末からは現役を引退し、余生を送っていた。
トレビ号は除隊式で首輪を返納した後、多くの隊員による万歳三唱とらっぱ吹奏により見送られ、里親に引渡された。除隊式を終え、トレビ号の里親は「今回縁があってトレビ号を引き取ることになりましたが、すごく愛情を受けている子なんだなということを実感しました。皆さんの愛情をしっかりと引き継いで、これから彼女を幸せに育てたい」と述べた。なお、警備犬の里親への譲渡は令和3年11月から可能となっている。
新空輸貸物ターミナル落成
Cー2導入に伴い建替え
<入間基地>
中部航空警戒管制団基地業務群管理隊(=入間)は1月14日、新空輸貨物ターミナルの落成式を執り行った。
C-2輸送機の入間基地への導入に伴い、旧陸軍の時代に建設された旧空輸貨物ターミナルは建替えられることとなり、令和元年10月から建設工事が開始された。
厳しい状況下にも施設要望に際し検討を重ね、取り組んだ隊員、諸先輩方の苦労、関係部署の多大なるご支援のおかげで建物は完成し、新年の幕開けとともに無事に新たなスタートを切ることができた。
新空輸貨物ターミナルの完成により、我々入間空輸の空輸支援能力は格段に向上するものと期待されているが、その成否は我々の手腕にかかっている。
思い出のたくさん詰まった旧空輸貨物ターミナルで歴代の諸先輩方から学び、経験し、得た知識や技術を新空輸貨物ターミナルで存分に発揮し、これから先、新たに重ねていく歴史が輝かしいものになるように精進していきたい。
入間基地内最新の空輸貨物ターミナル、ぜひ一度足をお運びください。
水泳訓練(遠泳)
防医大看護学科第3学年
2月3日、埼玉県所沢市にある防衛医科大学校(学校長・四ノ宮成●)の看護学科第3学年が校内にあるプールで遠泳訓練を実施した。これは、水泳能力を高めるとともに、遠泳を通じて体力・気力を錬成し自信をつけることに加え、安全管理(救助法等)を理解させることを目的としている。
11月から補備訓練を開始し、当初は全く泳げなかった学生もいた。しかし、徐々に錬成して泳力を身に付け、2月3日当日は4キロという訓練を実施。水泳教官や学生同士の声かけが素晴らしく、聞いていて感動を覚えた。正に今回の精神徳目である「忍耐力・責任感・団結力」をまざまざと見せつけられた。
訓練が終わった後は「足がプルプルする」「お腹すいた」「喉乾いたぁ~」などと語っていた。看護学生として防衛医大に入校してきたが、看護師等の前に自衛官になるんだということを今回の訓練を取材して心から実感した。
医師や看護師の国家資格受験を目前に控えて、日本海海戦の際に士気を高めるために掲げられたZ旗を掲揚した=写真。20年以上前から防医大に継承されている文化。先輩から後輩へ、伝統の継承。
海上自衛隊東京音楽隊
第63回定例演奏会
2年4カ月振りの開催に感慨
1月10日、海上自衛隊東京音楽隊(隊長・樋口好雄2海佐)の第63回定例演奏会が東京オペラシティで開催された。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、令和元年9月以来の定例演奏会開催となり、感慨深い演奏会となった。
演奏会のオープニングは、海上自衛隊創設70周年及び東京音楽隊創設70周年を記念し、東京音楽隊、藤田翔吾3海曹が作曲した「この美しき "蒼" を守るために」を演奏した。海上自衛隊で実際に号令として使用されている信号ラッパをモチーフに、海上自衛隊の精強さを表現しており、約2年4カ月振りの開催となった定例演奏会の幕開けにふさわしい楽曲となった。次に演奏した「デビュー・カドリーユ」も引き続き、藤田3曹が編曲した。ヨハン・シュトラウス2世が成人を控えた19歳の頃、音楽家デビューを飾る演奏会で発表するために作曲した華やかな楽曲で、本演奏会当日が成人の日であることにちなんだものとなった。続いて、吹奏楽の響きで和の世界へと誘う「鳳凰が舞う-印象、京都 石庭 金閣寺」を演奏し、演奏会前半はシンフォニックなサウンドを堪能できるプログラムとなった。
演奏会後半は雰囲気をガラリと変えて、ポップス系の楽曲がずらりと並んだ。まずは日本が誇るフュージョン・グループ、TーSQUAREの「オーメンズ・オブ・ラブ」を東京音楽隊コンサートマスター横野和寿1海曹のウィンドシンセサイザーソロでお届けし、曲中では若井祐志2海曹のギターソロも交え、キレのある颯爽とした演奏となった。続いて「宿命」「アイノカタチ」とJポップの人気楽曲を中川麻梨子3海曹の歌と吹奏楽で演奏し、東京スカパラダイスオーケストラの「パラダイス・ハズ・ノー・ボーダー」では、樋口隊長率いる打楽器セクションの熱いリズムに乗せてトロンボーン、トランペットが白熱したソロを披露すると、客席から大きな手拍子が沸き起こり、会場全体が一体感に包まれた。King Gunの「三文小説」では中川海曹の歌と沢田勝俊2海曹のバストロンボーンをフィーチャーし、シリアスな曲調の中にも強い意志を感じる演奏となった。フィナーレではすぎやまこういち作曲の「ドラゴンクエスト」を演奏し、「ファンファーレ」、「広野を行くシーン」、「戦闘シーン」など多彩な情景を吹奏楽で表現すると、会場は人気ゲームの世界観に引き込まれていた。
鳴り止まない拍手の中、昨年12月に東京音楽隊に新しく加わったヴォーカルの橋本晃作2海曹が紹介され、中川3曹とのデュエット「ホール・ニュー・ワールド」をアンコールとして披露し、2人の美しい歌声が会場を魅了した。ラストは海上自衛隊制式行進曲「軍艦」を演奏し、演奏会は大盛況のうちに幕を閉じた。
東京音楽隊の演奏会情報は、東京音楽隊ホームページで適宜、紹介される。
プロセーラー白石康次郎氏が防大生に「突破力」について講演
防衛大学校(学校長・久保文明)は1月14日、プロセーラーの白石康次郎氏を招へいし、課外講演を実施した。
白石氏は世界一周の単独無寄港ヨットレース「ヴァンデ・グローブ」でアジア人として初めて完走した方であり、その経験を踏まえての「突破力~困難を乗り越える諦めない心」と題する講演を頂いた。
講演では外洋ヨットに挑戦することとなった契機やヨットの師匠の思い出、世界を相手にする中で日本人として感じたことなどの様々な話題について、ユーモアを交えながらのお話を大変興味深く伺うことが出来た。
特に困難に直面した場合の「決断」ということについて、簡単に「諦めない」ということと裏腹に、本当にダメな時にはそれを見極め、「決めて」、「断ち切る」ということも重要であり、そのような「決断」を正しく下すためにも常に自分自身の精神状態を「機嫌良く」保っておくことが肝要であるという指摘は、将来の幹部自衛官として様々な場面で困難な決断を下さなければならない立場にある防大生にとっても大いに示唆に富むものであった。
あいにく今回の講演は新型コロナウイルス感染症対策が強化される中、久保学校長ほか学校幹部とヨット部員をはじめとする代表学生若干名のみの聴講という形とはなったが、後日ビデオ・オン・デマンドにより全ての防大生に視聴させる予定であり、彼らにとって大いに資となるものと期待されるところである。
なお、白石氏は次回「ヴァンデ・グローブ(2024)」への挑戦に向けて活動中であり、今回の講演も他ならぬ防大生のためにと多忙な海外遠征の合間を縫って機会を頂いたものである。久保学校長以下、その厚意に深く感謝するとともに白石氏の次回レースでの一層の活躍を祈念しつつ、お見送りをした次第である。
令和3年度衛生科技術競技会
全国から21部隊が参加
<衛生学校>
1月12日から19日までの間、三宿駐屯地(司令・伊藤利光陸将補)において令和3年度衛生科技術競技会(以下「競技会」という)が実施された。
競技会は、衛生学校が衛生科の隊員を対象として開催したものであり、第一線における救護能力の向上を図るとともに、練度の斉一化及び各方面隊等指導要員の練度向上への寄与を目的に実施された。
競技会は学科試験及び術科競技(第1ステージ及び第2ステージ)で構成されており、全国を代表する21の部隊が出場した。第1ステージ(第1線救護衛生員等による負傷者発生地域での救護)には各師旅団等を代表する15コ部隊が、第2ステージ(連隊等収容所における収容所治療)は各方面隊等を代表する6コ部隊が参加し、これまで積み上げた練成成果を遺憾なく発揮し、しのぎを削る競技が繰り広げられた。
結果は、第1ステージは第1師団混成チーム(第1普通科連隊及び第34普通科連隊)が第2ステージは陸上総隊(水陸機動団後方支援隊衛生隊)がそれぞれ優秀部隊となった。
本競技会は「救護能力の向上」を図る目的で実施してきたが、4年目を迎えた今年度、競技会を開始した平成30年度当時に比し、確実にその能力は向上したものと評価できる。また、今年度は陸自クローズ系クラウドシステムTV会議(Jabber)を活用して競技会を全国配信し、各総監部・師旅団司令部、各競技会参加部隊等がリアルタイムに競技会を視聴することができた。この試みは、今後の教育訓練や衛生支援の可能性拡大につながるものであり、今後も更なる深化を追求する。