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「同期との絆を大切に」入校式を挙行

写真=宣誓をする丸山生徒(防衛大学校)

 

防衛大学校
 4月5日、満開の桜に彩られた防衛大学校(久保文明学校長)で令和7年度入校式が行われた。式典には、本田太郎防衛副大臣をはじめ、部内外からの多数の来賓、学生の家族、ホームカミングデーとして招待された第13期卒業生も参列して若桜の晴れ姿を温かく見守った。
 今年度は本科第73期生534名(うち女性119名)、本科留学生22名(東南アジアから10カ国)、研究科学生90名(うち女性8名)が入校した。
 国歌斉唱に次いで本科第73期生が久保学校長から学生としての任命を受け、丸山璃琥生徒が代表して力強く服務の宣誓を行った。本科留学生、研究科学生も任命を受け、それぞれ宣誓を行った。
 久保学校長は式辞で「広く学ぶこと。特に民主主義の歴史と意義について学んでほしい」、「人間力を磨くこと。階級による権限が無くても自ずと部下がついてくる指導者になってほしい」、「広い視野を持つこと。米国士官学校への留学等、積極的に挑戦してほしい」等と求め、「30年後に大木・巨木に成長するために、小手先の技術だけではなくしっかりと基礎から学んでほしい」と激励した。続いて本田副大臣が訓示。「初めて出会った皆さんの同期は生涯の友となって国を守る仲間となる」等と述べた。松永浩二統合幕僚副長は統合幕僚長の祝辞を代読。「防大は、戦略的リーダーシップの素地を学ぶ我が国唯一の学校で、諸君にはMVP、すなわちMission(使命感)、Vision(構想力)、Passion(情熱)という3つのリーダーシップの素養を磨いてもらいたい」等と求めた。
 4月1日の着校からまだ5日。開式前に不安な表情を浮かべた入校生もいたが、防大生としての自覚が芽生えたのだろう、退場の時には凛とした表情で前をしっかり見据えて歩いて行った。

高等工科学校
 陸上自衛隊高等工科学校(学校長・篠村和也陸将補=武山)は4月7日、金子容三防衛大臣政務官の立会の下、上田和幹陸上幕僚副長が臨席して、第71期生(384名)の入校式を挙行した。
 新入生は、期待と不安の入り交じる中、全国各地から武山の地に集まった。家族や来賓に見守られる中、入校式に臨み、着校からわずか1週間で堂々たる佇まいとなった我が子の姿に、多くの保護者が涙を流す様子も見られた。
 式は、国歌斉唱に続き、任命・申告・宣誓と進み、特に宣誓では、新入生代表の藤田政兜生徒の力強く、頼もしい声が講堂に響き渡った。
 学校長は式辞において、「自信と誇り」「校風(明朗闊達、質実剛健、科学精神)の具現」を要望するとともに、「本校で修学する3年間は日々勉強であり、何事に対しても失敗を恐れずチャレンジすること」「時を同じくして入校した一生の宝物となる同期との絆を大切にし、切磋琢磨すること」を強調し、新入生の心に深く刻み込ませた。
 また、金子政務官からは訓示において、「高い志をもって、学業、クラブ活動、訓練に打ち込み、生活を充実させてほしい」「3年間を通じ、自衛官としての基礎を身につけてもらいたい」との激励の言葉が贈られた。
 その後、学校グラウンドにおいて、本校出身者の操縦による祝賀飛行及び在校生による歓迎パレードが披露され、晴れの門出に花を添えた。

札幌病院准看護学院
 自衛隊札幌病院准看護学院(学院長・本間健一1陸佐)は、4月2日に全国から選抜された第50期初級陸曹特技課程「准看護師」入校学生28名(男性16名、女性12名)の入校式を挙行した。入校式には、北部方面総監部から医務官・佐藤1陸佐をはじめとする来賓が臨席、学生を代表して加賀谷士長が決意を込めた力強い声で申告を実施した。
 入校にあたり、病院長(森知久陸将)は、「我々衛生は、かけがえのない仲間の身体や生命を救うことが主任務の一つであり、仲間を大切に思い優しく寄り添うこと、寄り添えるようになること、その為の知識と技術そして強さ、優しさを身につけること、それが諸君の目指すべき方向性です。病に伏す患者に、傷つき倒れる仲間に、どのように寄り添いそして支えていくのか。この准看護学院でその基本となる資質を育んでくれることを心から期待する」とし、最後に哲学者プラトンの「優しくありなさい。あなたの出会う人は皆、困難な戦いに挑んでいるのだから」という言葉を贈った。
 准看護学院長は、「諸官は、輝かしい将来へ羽ばたいていくスタート地点に立った。これから2年間、様々な困難に直面すると思うが、同期学生との絆を大切に一致団結し、切磋琢磨しながら誰一人欠けることなく、皆で難局を乗り越えてほしい」と式辞を述べ、学院長として「学院一丸」「日々前進」の2つを要望した。
 入校式を迎えた28名の学生は、式辞等で賜った激励の言葉を心に刻み一致団結して准看護師となるべく教育に臨む。


富士教導団射撃訓練

写真=陸幕長(中央)が現地視察


 富士教導団(団長・豊田龍二陸将補)は、3月17日から28日までの間、東富士演習場において団射撃訓練を行った。
 本訓練は、富士教導団隷下の普通科教導連隊、機甲教導連隊、特科教導隊及び教育支援施設隊が参加し、実弾射撃の練度向上及び異職種間での連携の強化を図った。
 前段訓練(3月17日から21日)では、部隊毎の射撃訓練を行い、各火器・火砲の射撃練度の向上を図るとともに、小部隊間での連携行動について演練した。後段訓練(3月23日から28日)では、一定の状況下での諸職種協同による総合的な射撃訓練を行った。
 また、本訓練実施間の3月27日には、陸上幕僚長の現地視察を受け、隊員の士気は大きく高揚した。
 富士教導団は、令和7年6月8日に実施される令和7年度富士総合火力演習に向け、更に演練を重ねていく。

機略縦横(92)

第1施設団最先任上級曹長
准陸尉 山田 隆

 陸上自衛隊東部方面隊第1施設団は首都防衛を担任する東部方面隊の施設力の骨幹部隊です。本投稿を機に振り返れば、早33年、これまで一心に各種訓練、行事支援、災害派遣、海外訓練任務を遂行して参りました。

 施設科は特有の施設技術をもって第一線から後方、国外においても幅広く活動します。支援職種という特性から華々しさはありませんが、我々施設科部隊は、あらゆる作戦を支える「礎」であるとの矜持を胸に秘めています。言い換えれば、道なきところに道を切り開き、守るべきものを守る。誰よりも泥にまみれ、雨に打たれ、風雪に耐え、困難な状況においても愚直に任務を遂行する存在です。

 施設団最先任は准曹士を感化善導する「礎」でもあります。このため、常に指揮官である団長の傍らに立つとともに、自衛官として、国民として、そして人間として高みを目指す精進の日々を過ごしています。

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