自衛隊ニュース

ゲッキーのイラスト

日米防衛相会談

日米同盟の抑止力・対処力を一層強化

写真:中谷大臣とヘグセス長官


 3月30日、中谷元 防衛大臣は、ピート・ヘグセス米国防長官と防衛省で初めて会談を行い、切迫感を持って日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していくことで一致した。

 冒頭、中谷大臣は「お互いが最も信頼するパートナーであり、今後も緊密に連携していきたい」と述べた。ヘグセス長官は「日米同盟はかつてないほど強固だ」と同意し、「中国共産党の軍事的威圧に対処する上で、不可欠なパードナーだ」と述べた。

 会談後の共同記者会見でヘグセス長官は、在日米軍を再編して「統合軍司令部」に移行する第1段階に着手したと表明。24日に発足した自衛隊の統合作戦司令部をカウンターパートとして「喫緊的な問題に対して迅速に対応・調整できる環境が整う」と述べた。また防衛装備・技術協力についても議論。日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議(DICAS)の枠組みで、空対空ミサイルAMRAAMの共同生産についての取組を加速させることで合意した。また中谷大臣からは艦対空ミサイルSM6についても共同生産を行いたい意向を伝えた。また、「自由で開かれたインド太平洋」を実現するため豪・韓・比等の同志国とも情報共有や運用面を含む協力を進展させていくことで一致した。

 ヘグセス長官は昨年11月にトランプ米大統領から指名を受け、今年1月に米上院議会で承認された。元軍人でイラクやアフガニスタンへの派遣歴がある。44歳。会談前日は米国防長官として初めて硫黄島を訪れ、日米合同慰霊式に出席した。


全国の部隊・機関で入省式

写真:本省新規採用者に訓示する中谷大臣(防衛省提供)


 4月1日、防衛省では約750名が入省し、全国の機関や部隊で入省式が行われた。市ヶ谷の本省では82名の事務官等が入省式に臨み、国防を担う覚悟を新たにした。

 国歌斉唱、辞令交付、服務の宣誓と続き、中谷大臣が訓示。最も複雑な安全保障環境のもと、防衛力の抜本的強化に取り組んでいる最中であることを説明。「こうした歴史の転換点を迎える中で、我が国の安全保障の一翼を担うということを自らの意思で選んだ皆さんの覚悟に、心から敬意を表したい」と述べた。そして仕事をする上で「政策の実行や任務の遂行には、国民からの理解、納得、共感が必要不可欠である」、「変化を怖れずに新たなことにチャレンジしてほしい」「自分の心身を大切にしてほしい」という3つを心に留めてほしいと要望。最後に「私は、防衛大臣として皆さんの先頭に立って、道を切り開き、そして共に努力をして国を守るという崇高な使命を果たしてまいりたい。皆さんがこれから赴くそれぞれの持ち場において、責任感と働きがいを持って、職務に精励されることを切に望みます」と激励した。



機略縦横(91)

隊員の育成について

警務隊最先任上級曹長
准陸尉 安藤正隆

 警務隊は、犯罪の捜査、警護、道路交通統制、犯罪の予防などを実施して部内の秩序を維持し作戦を支援する部隊です。

 警務科職種では、自ら厳しく律していくべきであるとの気概を心の拠り所として、儀表という言葉を用いて、常に儀表としての誇りを堅持するように指導しています。任務を遂行する上で、清潔で整った制服の着用、規則正しい振る舞い、礼儀正しい言動は、部隊の品格を示すものであり、信頼を築く基盤となります。

 最先任上級曹長は、指揮官の補佐、特に隊員の育成において重要な役割を担っており、それぞれの現場において、強い責任感と適切な判断力を求められる准曹士に対しては、警務官の矜持を保持することも繰り返し指導しています。警務官の矜持とは、部内の秩序維持に専従するという警務官の職責を自覚し、法令及び規則を遵守し、知識を涵養、技能を修練して、責務の完遂に努めることを意味します。

 最先任上級曹長自ら実践するとともに積極的に現場進出し、隊員一人ひとりの悩みに寄り添い、フォロワーシップを体現できるように適切な助言を行うことで、信頼関係を築き、より強く結束した准曹士を育成しています。


紙面一覧
紙面一覧
close