自衛隊ニュース

空中消火60回
愛媛で山林火災
第14飛行隊を基幹に400名で災害派遣
第14旅団(旅団長・大場剛陸将補=善通寺)は、11月1日夕から5日までの間、愛媛県大洲市で発生した山林火災に伴い、愛媛県知事からの要請を受け、災害派遣活動を実施した。
山林火災の現場は、急斜面の山であり、地上からの消火活動は困難なことからヘリによる空中消火活動を行うため、第14旅団の唯一の航空部隊である第14飛行隊を基幹とし、中部方面航空隊(八尾・美保)及び航空学校(明野)から支援を受け、UH1×4機、CH47×3機のほか、航空機管制、映像伝送、通信、燃料、糧食、輸送等の支援部隊を含む災害派遣部隊を編成し、大洲地区運動公園に活動拠点を設置し消火活動等に当たった。
空中からの消火活動は、陸上自衛隊のほか、愛媛県防災ヘリや他県から応援に駆け付けた防災ヘリを含む6機態勢で行われた。第14飛行隊は、消火活動を効果的かつ安全に実施するため、UH1による現場上空での航空統制を行った。
また、支援部隊の第14後方支援隊は、活動拠点である大洲地区運動公園への航空燃料の輸送、第14通信隊は通信の確保、中部方面管制気象隊(八尾)は航空機の運航に必要な気象情報の提供、飛行の統制・調整を行うなど、活動を円滑にするための支援を行った。
活動開始から5日目の11月5日昼、自治体による地上からの消火活動が可能になったことから、愛媛県知事からの撤収要請を受け、5日間にわたる活動、CH47による60回の空中消火(総散水量 約300トン)、活動人員 延べ約400名、航空燃料運搬約21・4キロリットルの災害派遣活動を終了した。
活動拠点からの撤収に際しては、地域住民の方々の温かい見送りを受けつつ、災害派遣部隊は、それぞれの駐屯地に帰隊した。
東ティモール 交通作業
<第1施設団>
第1施設団(団長・安田百年陸将補)は、8月22日から9月30日までの間、東ティモール民主共和国における能力構築支援に、特殊器材中隊長古賀3佐以下8名の要員を派遣した。
本事業は、東ティモール国防軍の能力向上を図るとともに、豪州、米国、ニュージーランドとも連携を図りつつ、多国間での信頼関係を築くことを目的として、平成27年度から継続的に実施されており、施設団としての派遣は、初回の平成30年から5回目の派遣になる。
今年度担任した第101施設器材隊は、担任する交通作業を教育するにあたり、過去の教訓を踏まえた準備訓練を国内で計画的に行うとともに、派遣間は現地で東ティモール国防軍に第1施設団の施設技術がしっかりと根付くよう被教育者に寄り添いつつ実習を主体とし
た実践的な教育を実施した。
派遣隊員は、日本とは異なった生活環境の中ではあったが、国の代表である意識を強く持ち、東ティモール国防軍隊員の能力向上と本事業に参加した関係各国の友好と信頼の醸成に大いに寄与し、約1カ月半にわたる任務を終え無事帰国した。(写真は第1施設団提供)
フィリピン 人道支援・災害救援
<第43普通科連隊>
第43普通科連隊(連隊長・谷雅和1陸佐=都城)は、10月22日から同年10月28日までの間、フィリピン共和国に本部管理中隊の隊員(中隊長・松崎1尉以下10名)を派遣し、比陸軍第525戦闘工兵大隊に対する能力構築支援を実施した。
本事業は、比陸軍に対して同軍の災害対処能力の向上を図るため、人道支援・災害救援活動分野に係る能力構築支援を実施し、2国間の戦略的パートナーシップの関係強化及び自由で開かれたインド太平洋戦略の維持及び強化に寄与する事を目的とし、東日本大震災や熊本地震の災害対処教訓事項の情報提供・津波を想定した海難救助訓練・人命救助システム取扱い要領の教育等を実施した。
派遣隊員は経験に基づく具体的な教育を行ったほか、陸軍博物館・フィリピン火山地震研究所・国立博物館を研修して比国の歴史や文化に触れ、同国に対する理解を深めるとともに、食文化交流や積極的なコミュニケーションを通じて相互理解を深め、友好関係を構築する等、無事に任務を完遂し帰国した。
各国との友好・信頼関係を譲成
能力構築支援事業
戦没者遺骨収集事業(国内外)
一般社団法人隊友会
隊友会は、(一社)日本戦没者遺骨収集推進協会(以降「推進協会」という)に社員団体として加入しており、硫黄島並びに海外の東部ニューギニア及びビスマーク・ソロモン諸島の戦没者遺骨収集事業に会員を派遣する等して参画している。
「現地調査派遣」
国内外から提供された情報や派遣団が現地で収集した情報に基づき、遺骨が残存していると思われる密林等の旧交戦地や埋葬地を特定して試掘を行う。遺骨を発掘した際は、必要に応じて遺骨鑑定人等による鑑定を行ったうえで日本人の蓋然性が高いと判断される遺骨は収容し、現地に設けた一時仮安置場所に安置する。
調査未了や地権者等から収容の許可が得られない、または全ての遺骨の部位が発掘できていない等の状況によっては、紛失や盗難がないように対策を講じたうえで遺骨を発見場所に埋め戻すか、地権者等に適切な保管を依頼する場合がある。
「遺骨収集派遣」
埋め戻した遺骨の収容、現地に仮安置した遺骨について、遺骨鑑定人等による鑑定を行う。鑑定により日本人の蓋然性が高いと判定された遺骨は、検体を採取後、引き続き現地に仮安置する。採取した検体は、日本に持ち帰りDNA鑑定等を行う。
DNA鑑定等で日本人と判定された遺骨は、現地で荼毘に付して、派遣団が日本に送還する。検体の送還及び遺骨の送還は、原則として遺骨収集派遣で行うが、緊急を要するなど事業の効率上、現地調査派遣で行う場合もある。
7月25日から8月10日の間、「令和5年度第1次硫黄島戦没者遺骨収集事業」に参加した茨城県隊友会稲竜支部の平野誠司さんは、「島内巡拝をした際、道路沿いの至る所に日米両軍の慰霊碑が建立されており、島の北東部では司令部壕跡、硫黄臭のする火山岩隆起地帯で銀明水洞窟なども拝礼し、一日でも早く、一人でも多くのご帰還を誓いました」と述べた。
千鳥ヶ淵戦没者墓宛秋季慰霊祭
10月18日、爽やかな秋晴れの下「令和5年度千鳥ヶ淵戦没者墓苑秋季慰霊祭」が、千鳥ヶ淵戦没者墓苑奉仕会主催で厳粛に執り行われた。式典では、秋篠宮皇嗣同妃両殿下の御臨席を仰ぎ、内閣総理大臣(代理)をはじめ、戦没者のご遺族や戦友会関係者、総務大臣等の閣僚、政党党首(代理)、各国大使、同駐在武官、自衛隊の高官等、内外の多数の関係者が参列し、先の大戦で亡くなられ、現在の平和の礎となられた全戦没者に対して感謝と哀悼の誠が捧げられた。
コロナ禍の4回の慰霊祭では参列者数は規模縮小となり、各国大使、同駐在武官は4年振りのご案内となった。
急遽、鈴木俊一会長(現財務大臣)の式辞及び式次第の翻訳が必要となり、諏訪さんへお願いすることになったもの。当日もボランティアとして、外国要人の受付、エスコートを担当し、お陰様で580名の参列を得て式典は無事終了した。
航空自衛隊幹部学校 学校長から感謝状
この度、航空自衛隊幹部学校長 船倉慶太空将より、防衛ホーム新聞社・吉田佳子代表取締役社長が感謝状を頂きました。誠にありがとうございます。防衛ホーム創刊50周年の年に感謝状を頂けたこと、二重の喜びです。
今までの活動を認めて頂けた喜びを噛み締め、今後も防衛省・自衛隊とそのご家族様等を衷心より応援していきます。「自衛隊が出来ない事で自衛隊を応援する」をモットーに「防衛ホーム」と共に励んで参ります。
今後もご指導・ご鞭撻の程、何卒よろしくお願い申し上げます。