自衛隊ニュース

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航空観閲式 入間で

岸田首相が訓示
隊員働き称える

 11月11日、入間基地において自衛隊最高指揮官の岸田文雄内閣総理大臣が出席のもと「令和5年度航空観閲式」が開催された。岸田首相は、観閲部隊を巡閲したのち、約800名を前にして訓示を述べた。その後C2輸送機やF15戦闘機等の装備品を視察した。なお前回の令和2年度同様、展示飛行は行われなかった。

 訓示において岸田首相は、中東イスラエルからの邦人等退避について触れ、「隊員たちはプロフェッショナルの仕事をし、国民の期待と信頼に応えてくれた。これは、輸送機を運航した隊員だけではなく、情報収集から飛行計画、機体の整備や警備、現地での調整などに当たった全ての隊員たちがワン・チームとなって成し遂げた成果で、諸君の働きを高く賞したい」と称えた。


防衛力を抜本的に強化


 また、我が国周辺に目をやると戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中にあるとし、「我が国を守り抜くための防衛力を積み上げ、必要な予算水準を確保して、防衛力を抜本的に強化する」と強調し、スタンド・オフ・ミサイルの速やかな整備や、初の日英伊による次期戦闘機国際共同開発を進めると述べた。さらに「情報収集・監視・通信など、宇宙空間の利用は戦略的に極めて重要」とし、「自衛隊の宇宙作戦能力についても強化し、令和9年度までに航空自衛隊を航空宇宙自衛隊とする」と表明した。

 最後に「国民は、隊員諸君に、国民の命と平和な暮らし、日本の領土・領海・領空を断固として守り抜くことを期待し、日本の繁栄と未来を諸君の双肩に託している。国民の期待に応え、託された使命を全うすべく、各員が勇往邁進し、一層奮励努力されんことを切に希望する」と隊員たちを激励した。

自衛隊音楽まつり魅了

米軍、マレーシア軍も参加し

「+(タス)×(カケル) ヒビク~終わらない力の始まり」をテーマに「自衛隊音楽まつり」が11月17、18日、東京・日本武道館で開催された。陸海空自衛隊音楽隊など総勢約700人が全6公演で来場者を魅了した。(7面にグラフ)


4年ぶり制限なく


 コロナ禍が明け4年ぶりに制限なく開催された今回、メーンテーマ「+(タス)」、「×(カケル)」を体現したことで増幅された各出演部隊・隊員のエネルギーが武道館に満ちた。

 全5章で構成された祭典は序章「壱+零=創造の始まり」で幕を開けた。陸自第302保安警務中隊隊員に掲げられた国旗が入場、同中央音楽隊長、志賀亨1陸佐の指揮により3自音楽隊合同でオープニング曲が奏でられた。

 第1章「歩み+経験=力」では陸自中部方面音楽隊が大河ドラマ「どうする家康」のメーンテーマなど、空自航空中央音楽隊が「エアリスのテーマ」などを演奏。陸自中央音楽隊が302保警中、朝霞振武太鼓と共に「八木節」、「さくらさくら」などを奏で、歌った。

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 第2章「集う+思う=絆」は海自東京音楽隊のピアニスト、太田紗和子2海曹の独奏「戦場のメリークリスマス」で幕開け。2カ国の軍楽隊が登場した。

 初参加したマレーシア軍中央音楽隊は、巧みな踊りも交えながら同国の民謡を軽快に届けた。

 同盟国アメリカからは米海兵隊第3海兵機動展開部隊音楽隊、さらに離任のため今回が最後の出演となる在日米陸軍軍楽隊が登場。軍楽隊長、マシュー・デイヴィッド上級准尉の指揮でラテン系のサウンドを披露、別れを惜しむように会場へ大きく手を振った。

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 第3章「人+勇気=希望」は始めに防衛大学校儀仗隊が登場。コロナ禍で出演が制限されていたことから誰一人出演経験者がいないという厳しい状況で迎えたが、はつらつとしたファンシードリルで沸かせた。

 艦旗隊を先頭に入場した海自東音は「行進曲『軍艦』」などを披露。行進しながら巧みにいかりのかたちを作ってみせた。

 全国の12チームによる自衛太鼓は、数多くの努力による偉大な功績を意味する「丘山之功(きゅうざんのこう)」をテーマに、疾風怒とうの音を響かせた。

 最終章「力+絆×希望=無限の可能性」には全出演部隊が登場。航空中央音楽隊副隊長、芳賀大輔3空佐の指揮で「銀河鉄道999」が奏でられ、余韻の中、幕が下ろされた。

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