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全自衛隊陸上競技会

4種目で大会記録更新

 「第27回全自衛隊陸上競技会」(防衛省主催)が10月5日、自衛隊体育学校陸上競技場(朝霞)で開催され、全国の基地・駐屯地、機関から隊員、学生、生徒約380人が出場、18種目で競った。女子100mなど4種目で大会記録が更新された。


 秋晴れの下、隊員たちが躍動した。体校職員をはじめ多くの隊員らが支援に当たった。

 男子40歳以上・3千mではトレイルレース(登山道などを走る)の国際大会でも活躍する宮原徹1陸曹(普教連)が圧倒的強さを見せ大会新記録で優勝。「山で鍛えたことをトラックで生かせた」と語るとともに、「できれば8分35秒を切りたかった」と悔しさもにじませた。

 普教連隊員は山口貴士1陸士が男子1万mを制し2種目を制覇。同隊持続走練成隊監督の井川朋幸1陸曹は、「富士登山駅伝を最大の目標に掲げ、一人一人が時間を見つけて練習を行っている」と個々の選手のモチベーションの高さも勝因に挙げた。

 また男子40歳以上・1500mでは、松倉弘明2空曹(3空団)が大会記録を更新し2連覇。「(北空の)持続走大会に向けて強化訓練をさせていただき、とても良いコンディションで臨めた」と謝意を述べた。


1普連独占

 男子5千mでは、練馬1普連の日野原智也1陸士が終盤に抜け出してゴール。さらに中光捷1陸士、古川隼2陸士が2、3位と続き、同連隊が上位を独占。

 レース後、「去年は5位で悔しい思いをした。今年は順位にこだわった」(日野原1士)、「チーム力がついてきた」(中光1士)、「(4月に新入隊し)中隊配置されて間もない中で持続走訓練隊での練習を認めてくださった中隊長はじめ中隊本部の皆様に感謝しています」(古川2士)と語った。


380人 駆け、跳ね、投げる


間部3曹がMVP


 女子選手も男子に負けない健闘を見せた。

 女子の全4種目のうち、走り幅跳びでは入隊3年目で大会初出場の間部さくら3海曹(4整補)が大会新記録で優勝。間部3曹は、続く100mも大会記録を更新して制し、最優秀選手賞を獲得した。

 厚木基地陸上部で唯一、短距離の選手として練習を積んでいる間部3曹。

 2種目を大会新記録で制し、今大会の最優秀選手賞も獲得。「(2種目の記録を)どちらも超えられるように練習を積みたい」と来年に向けて意欲を新たにした。


栄光つかむ

18競技・種目の優勝選手・チーム


 ◇男子▽100m=片渕雄斗2陸曹(16普連)

▽400m=大川叶吾1空士(北警団)▽800m=星隆次空士長(3空団)▽1500m=南風盛蔵丸学生(防大)▽40歳以上・1500m=松倉弘明2空曹(3空団)4分13秒62※大会新

 ▽3千m=阿比留和弘3陸曹(対馬警)▽40歳以上・3千m=宮原徹1陸曹(普教連)8分38秒02※大会新▽5千m=日野原智也1陸士(1普連)▽40歳以上・5千m=中村太一陸曹長(3師団付隊)▽1万m=山口貴士1陸士(普教連)※円谷賞

 ▽4×100mリレー=防大(麻生知里学生、定金朋哉学生、坂上巧真学生、谷藤怜哉学生)▽4×400mリレー=防大(古賀泰心学生、佐川楓学生、重松賢聖俊学生、山川樹学生)

 ▽走り幅跳び=小堀健斗陸士長(13普連)▽ボール投げ=野中歓太3空曹(空中業)

 ◇女子▽100m=間部さくら3海曹(4整補)12秒86※大会新▽3千m=川口舞3陸曹(43普連)▽走り幅跳び=間部さくら3海曹、5m50※大会新▽ボール投げ=中川音果空士長(2空団)

ディフェンス・ブロッサムズ健闘9位

国際防衛ラグビー

唯一のフェアプレー賞も

 国際防衛ラグビー競技会(IDRC)・フランス大会が8月16日から9月10日まで同国で開催され、日本からも3自衛隊合同チーム「ディフェンス・ブロッサムズ」が出場し、健闘を見せた。

 IDRCはラグビーW杯の開催国で同杯に先駆けて行われる軍人ラグビー大会。今回は12カ国・チームが臨んだ。自衛隊は日本で開催された前回大会(2019年)に続く3大会連続3回目の出場。

 全自ラグビー大会 "2強" の陸自船岡、同習志野の選手を中心に編成(陸自25人、海自4人、空自1人)。関係性や意思疎通などを高めるという意味の「Connect(コネクト)」をスローガンに掲げた。監督を安藤貴樹2陸尉、主将を高屋敷拓也2陸曹が務めた。

 4チームずつに分かれて行われた予選の第1試合、オランダ戦は持ち前のスピードと速いパス回しで相手をほんろう。富澤健二海士長が3トライを挙げるなど35-5で快勝した。

 予選を1勝2敗で終えた後の順位決定戦は、三浦侑希空士長、對馬瑛教1陸曹がいずれも2個のトライを挙げるなど44-12で勝利。続くウズベキスタン戦は、永沢優和3陸曹が前・後半で併せて4トライし、45-8で圧勝した。

 自衛隊は全5戦を戦い9位(3勝2敗)。フランスが優勝した。一方、自衛隊は12チーム中唯一、フェアプレー賞を獲得。開催国フランス戦では、反則の無い紳士的プレーに会場から盛大な拍手が送られた。

 派遣団長の藤野議章2海佐(体校スポーツ科学科長)は、「他国軍との交流を通じ相互理解、信頼関係を促進し、防衛協力・交流の推進を図ることができた」と成果を語った。

躍動

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