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技術とともに器材を譲与

東チモール派遣施設群
過去最大規模PKOが終結

写真:川又群長からアマラル運輸通信公共事業大臣に器材の鍵を贈呈


現地住民と一体の国づくり支援


 第4次東チモール派遣施設群(群長・川又弘道1佐)がPKO(国連平和維持活動)に励む東チモールで5月19日、首都ディリの国連ヘリポートにおいてUNMISET(東チモール支援団)の現地任務終了式が行われた。

 式典には浜田靖一副長官、林直人陸幕副長、グスマン大統領はじめ歴代群長(小川祥一第1次群長、大坪義彦第2次群長、田邊揮司良第3次群長)ら多数の来賓が出席。翌20日の独立2周年を前に国防・治安維持の権限がUNMISETから東チモール側に全面移管され、4次隊も6月中にはすべての業務を終えて帰国する。

 それに伴い21日には、部隊が派遣中使用していた資器材の一部(車両、道路建設用器材、プレハブ式建物など)を東チモール民主共和国政府へ引き渡す資器材譲与式典がディリ市内デモクラシー広場で行われ、日本大使とボアビダ計画・財務大臣が調印を交わした。また、浜田副長官、アルカティリ首相がそれぞれ挨拶。譲与器材が会場をパレードし、川又群長からアマラル運輸通信・公共事業大臣に資器材の鍵が贈呈された。


写真:譲与式に出席する左から川又群長、林陸幕副長


写真:東チモール政府に贈られる器材が会場内をパレード


 東チモール派遣施設群は平成14年3月以来、1・2次隊が各680名、3次隊が522名、4次隊が405名、合計2287名が派遣され自衛隊PKO活動の中で最大規模に。PKO初参加の25名の女性自衛官は医官、通信、搬送、広報など多分野に及ぶ職種も注目された。

 現地ではディリ、マリアナ、スアイ、西チモールに点在したオクシの4ヶ所に分散して、道路、橋等の維持補修、給水所の維持、管理等の任務につき、オクシでは初めて韓国の部隊と共に活動した。また、民生支援として実施された現地住民に対しての設器材操作教育、ボランティア活動を通しても国づくりの一端を担った。

 記者は約1年前2次隊を取材。地元の若者が隊員から修得した技術を誇りにしながら自国への夢を語る力強いまなざしや、子供たちとのたわいのない触れ合いで過酷な任務の疲れがみるみる癒されていく隊員の姿が印象的だった。