自衛隊ニュース

ゲッキーのイラスト

総評

 「防衛ホーム」創刊50周年記念の作文募集には沢山の応募を頂きました。紙面の都合で3作品を掲載致します。

 どなたの作文も、自衛官が大好きで尊敬している気持ちが溢れかえっています。ですから読む人の涙腺を刺激するものばかりでした。掲載した3作品はどれをトップにするか審査員一同悩みに悩みました。


 金賞に選定された宮崎さんの作品。お父さんとお母さんが自衛官で二人が演習に出かけるときは元自衛官のおじいちゃんに預けられ、現役だった頃の部隊の話を聞かせてもらうことが楽しみだった。自然に自衛隊一家になっており小学校の時には自分も当然のように目標を自衛官に合わせた。早く僕と祖父、父と母が4人そろって桜の木の下で写真を撮りたい。<素敵な写真ができますね>

 銀賞の赤嶺結衣さん。自衛官になって「メンタルケア隊」を作り色々なハラスメントに対処する。<想像もしないような政策を提案。自衛官になって実現させましょう、楽しみです>

 銅賞の赤嶺芽依さん。おとうさんとおかあさんがじえいかんでさいがいはけんで、ふつうはかぞくやいとこをだいじにするが、じえいかんはしらないひともたすける。わたしのねがいはそんなじえいかんになることです。<目標を決めれば必ず達成されますよ>


 ここに紹介した3名ともご家族が自衛官で、ご両親が自分の仕事を家庭でよく話しているようですね。10年後、20年後のあなた達に会えることを楽しみにしています。

銅賞

赤嶺芽依さん(小学2年)

 わたしは、くにと人をすくう、じえいかんになりたいです。

 なぜかと言うと、おとうさんとおかあさんがじえいかんで、くにと人をすくうのを見て、「かっこいいなー。」と思って、わたしもいつかはじえいかんになって見たいなと思います。

 また、おとうさんとおかあさんにあこがれたのは、さいがいはけんに行ったときの話を聞いた時、ふつうは、かぞくやいとこをだいじにするけれど、じえいかんは、かぞくやいとことか、かんけいなく、知らない人もぜったいにたすけるからです。

 そして、おしごとでよるおそくなってたいへんなときもあるけれど、さいごまであきらめずにやるのがすごいと思って、わたしもせきにんもってやりとげることができるようになりたいです。

 「わたしがじえいかんになったら」をかけばいつかは、じえいかんになれるんじゃないか、とわたしは思ってかいてみました。

 わたしのねがいは、じえいかんになることがわたしのほんとうのねがいです。


<講評>

・小さなお子さんの正直な気持ちが表れている

・この作文がきっかけで「有言実行」、自衛官になっていただくことが楽しみ

・将来自衛官として大活躍するでしょう


銀賞

赤嶺結衣さん(中学1年)

 私が自衛官になったらメンタルケア隊をつくります。

 そもそも自衛官の仕事とは何ですか? 私は、国と人の暮らしを守ることが自衛官の仕事だと思っています。ですが、私が思っている以上に自衛官の仕事はたくさんあると思います。そして、自衛官の仕事とは、やりがいがあり、ときにはつらく、仲間の大切さと仲間との絆が知れる場でもあると思っています。

 そのような自衛官になりたいと思っている人もたくさんいると思いますが、自衛隊に入っても、ある理由でやめる人もいます。そのようなことを無くすために、私がつくるメンタルケア隊とは二つの役割をしています。

 一つ目は、災害が起きた時自衛官は人を助けます。もちろん、人を助けることは自衛官としては当たり前です。今、自衛官の人たちはどこまで人を助けていますか? 私が知る限りでは、がれきや洪水した場所にいる人たちを救助することまでが自衛官のしていることだと思います。でも救助はそこまでではないと思います。被災した人たちの心の傷は、土砂くずれよりも大きいはずです。それは、当たり前だった生活が一瞬でなくなるからです。いきなり家や家族、友達、ペットなどを無くして平常心でいられるわけがありません。

 災害が終わっても、なくなった人は帰ってこないし、なくなった人との思い出を増やすこともできません。なので病んでしまう人もいると思います。そんな中で役に立つのがメンタルケア隊です。被災した人たちによりそって相手の心をいやすことで少しでも、その人たちの心を軽くすることができます。

 二つ目は、自衛官も自衛官である前に一人の人間です。自衛官の人たちも心が傷ついて病んでしまうこともあるかと思います。ニュースでも、パワハラやセクハラを受けた人がうったえたり、うったえられた人が停職処分になってしまったという人がいるということを知りました。このようなことがないようにするためには、自衛官の人も気軽に立ち寄れるようなメンタルケア隊があるといいと思います。ですが、パワハラやセクハラを受けた人ばかりの心をいやすのではなく、パワハラやセクハラをした人の心もいやすとよいと思います。なぜなら、欧米の一部ではいじめている人たちを病んでいると思いカウンセリングを受けさせるそうです。ですが日本はその逆で、いじめられた人たちに逃げ場をつくっています。これはドラマで知りました。日本もこのような考えになれば、パワハラやセクハラ、いじめなどが起きないと思います。

 このような制度で少しでも心の傷を治せるといいなと思います。ただ、自分が病んでいることが知られたくなくて相談できないという人がいると思います。

 そんな考えがあるのは、周りにも問題があると思います。周りが「あの人、病んでるらしいよ」などといったことを話していると相談しようとした人が相談できにくくなってしまうかもしれません。そのようなことがないようにするために周りがそのような雰囲気をつくらないようにすることが大切だと思います。私は仲間を悪く言う人や仲間を傷つける人が国や人を守れるとは思いません。

 人の心を助けるのも自衛官の大事な役目だと思います。国と人と人の心を守り、助ける自衛官はとても素敵でカッコイイと思います。

 このような理由から、私が自衛官になったらメンタルケア隊をつくります。


<講評>

・自衛官になったら地位や役割を踏まえて現在メンタルケアが必要と考え「メンタルケア隊をつくります」と宣言していることが素晴らしい

・自衛隊の現状を把握し、考えが先進的

・素晴らしい発想。ぜひ実現させましょう

金賞

宮崎琥太さん(中学1年)

 僕は、一日でも早く自衛官になりたい。

 両親は現役自衛官であり、祖父も元自衛官という自衛隊一家に生まれた僕は、小さい頃から駐屯地記念行事のパレードを見て、体験試乗させてもらったり、友達と駐屯地夏祭りに行って、花火を見たりしていました。父と母が演習などでいないときには、八女市にある祖父の家に数日間預けられ、そこで祖父からのレンジャー訓練の話や、北海道での銃剣道大会で優勝した話を聞くのがとても楽しみでした。

 小学校の時にテレビを見ていると、九州北部豪雨の災害派遣に行っている父が大雨で孤立した住民の人たちを救助しているところが夕方のニュースに映っていました。そこには、ヘルメットをかぶり、顔や迷彩服は泥だらけになりながら、避難している人たちをヘリコプターに誘導している父の姿が映っており、一生懸命に頑張る姿を見て、僕はとってもかっこいいと思いました。そして、小学校でも、テレビに出て活躍していた父を友達に、自慢したほどでした。

 数日後、家に帰ってきた父に僕は、「災害派遣おつかれさま、ニュースに映っていたよ!かっこよかったし、すごいね!」と興奮気味に言いましたが、父は、「ありがとう、でもね、」と一呼吸おいて、「お父さん一人では、あんなにたくさんの人を助けることは出来なかったよ。ヘリコプターを操縦する自衛官、ヘリコプターの着陸を誘導する自衛官、教助した人を手当てする自衛官、見えないところで支える自衛官全員の協力があって、たくさんの人を助けることが出来たんだよ。自衛隊は、ONE TEAMじゃないとダメなんだ」と笑顔で教えてくれました。その時、小学校2年生から習っているラグビーのコーチが言っていた、「一人はみんなのために、みんなは一人のために ONE TEAM」という言葉を思い出しました。

 自衛隊もラグビーも、自分のことだけ考えていたら、チーム全体は動かないし、仲間と全員で困難に立ち向かうことが必要なんだ。自衛官もラガーマンも一緒じゃないかと思い出しました。その日から、僕の将来の夢は自衛官になりました。

 高校を卒業したら、自衛官に入ろうなどと考えていたある日、カズレーザーさんが出演している番組で、陸上自衛隊高等工科学校の特集があり、その存在を知りました。

 そこには中学校を卒業して、高等工科学校に入学し、自衛隊の訓練や集団での寮生活、勉強やラグビーに打ち込む学生たちが映っていました。高校を卒業したらと考えていた僕でしたが、三年も早く自衛官になれることを知り、今は、更に勉強とラグビーを頑張っています。

 最後に、一日でも早く入隊し、日本を縁の下から支えられるような立派な自衛官となり、昭和・平成・令和入隊の3世代自衛官として、僕と祖父、父と母の4人そろって、桜の木の下で写真をとりたいです。「ONE TEAM!」


<講評>

・ご両親が自衛官ということで自衛隊のことをよく勉強されている

・ラグビー等のタイムリーなストーリー

・自分の意志がしっかりしている

創刊50周年記念作文入賞作品が決定!
「私(僕)が自衛官になったら」

 防衛ホーム創刊50周年記念作文「私(僕)が自衛官になったら」が10月2日に締め切られ、読者の皆様から多数の応募がありました。10月4日、防衛ホーム新聞社本社会議室で行われた入賞作品選考会には、現役時代に広報業務経験がある陸海空自それぞれ1名の方を選考委員とし、弊社会長、社長、相談役および編集部員による厳正な審査が行われました。

 その結果、金賞には宮崎琥太さん(中学1年生・福岡県)、銀賞には赤嶺結衣さん(中学1年生・大分県)、銅賞には赤嶺芽依さん(小学4年生・大分県)が選出されました。受賞者にはそれぞれ3万円、2万円、1万円相当の賞品を弊社より贈呈させて頂きます。

 多数の応募、誠にありがとうございました。

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