2005年3月15日 の記事
邦人不明者遺体を鑑定
歯科医官2名も帰国
インドネシア・スマトラ沖地震で被害にあった邦人身元不明者の遺体鑑定を行うため、タイ・プーケットに派遣されていた歯科医官の高田英記3陸佐(高射学校衛生課)と染田英利3空佐(航空医学実験隊)が1ヵ月の任務を終え、2月28日、帰国した。
この派遣は外務省の要請を受けて実施されたもので、自衛隊の医官が海外における身元確認作業に携わるのは今回がはじめて。
高田3佐と柴田3佐は派遣の間、15名の邦人行方不明者の特定を目的に、1日約20件の歯型写真及びレントゲンの照合を行うとともに生存情報と不明情報のデータベースを作成。約1ヵ月で3500名の遺体の中から5名の邦人を特定した。
現在、歯型鑑定は身元不明者の確認手段として最も有効とされており、生存時の歯型や口の中の写真等が揃っていれば最短1週間での鑑定が可能。今災害の被害者もこれまで身元確認がされた500体のうち、9割が歯型鑑定による成果だった。
また遺族への遺体引渡しの際には、二人が直接家族に鑑定結果を告げ、見つかった経緯、一致の状況等を説明した。高田3佐はその時のことを、「どこかで生きていると信じる家族への説明はしんどかった」と振り返る一方、「ありがとうと言われてよかった。今後この分野で自衛隊として国緊隊と一緒に任務に就ければ」と話していた。