自衛隊ニュース

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石破長官、沖縄県を初視察

<米軍関連施設平和記念公園>

稲嶺知事、米軍関係者と意見交換
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稲嶺知事と対談する石破長官


 石破茂防衛庁長官は11月30日、長官就任後初めて沖縄県を訪れ、米軍普天間飛行場などを視察し県庁では稲嶺恵一沖縄県知事と会談。翌12月1日には平和祈念公園やキャンプ・シュワブを訪れた。

 石破長官は30日午後、空自の多用途支援機U―4で那覇基地に到着後、まずは随行者の嶋口武彦防衛施設庁長官、渡邊元旦統幕事務局長とともに陸自CH―47ヘリコプターに乗り換えて米軍普天間飛行場に向かった。ウォレス・グレッグソン在沖米四軍調整官らが出迎える中、普天間飛行場入りした石破長官は、グレッグソン四軍調整官と国際情勢の意見交換等を行い、続いて基地内の管制塔などを視察した。

 その後、石破長官は車で沖縄県庁に移動し、そこで稲嶺知事と米軍基地の問題などについて約20分間にわたり意見を交換。同行記者や地元メディアなど多くの報道陣が見守る中、石破長官は「できるだけ早く沖縄県を訪問したいと思っていました。1年に1度は訪れられるようにしたい」と挨拶した後、稲嶺知事からの要請についてコメントし、「沖縄の皆さんに評価されるように誠心誠意取り組んで参りたい」と述べた。

 続いて場所を移し、石破長官は那覇市内のホテルで嶋口施設庁長官、渡邊統幕事務局長、岡崎匠那覇防衛施設局長とともに那覇市や嘉手納市など県中南部18の市町村の代表者らと懇談した。


石破長官は慰霊碑などを時間をかけて回った


戦没者慰霊碑に献花

 1日午前、平和祈念公園を訪れた石破長官は、戦没者の慰霊碑に献花した後、沖縄戦で亡くなった人々の氏名が刻まれた刻銘碑「平和の礎(いしじ)」を見学。「平和の礎」には国籍や軍・民の区別なく沖縄戦で亡くなった20万人余の氏名が国別・県別で屏風状に並べられた石碑に刻銘されており、石破長官は地元・鳥取県出身者の名が刻まれた碑の前では、その名前の一つひとつを確かめるかのようにしばし足を止めた。そして、園内「平和の広場」では石破長官は海岸線を一望できる断崖に立ちながら、担当者の説明に耳を傾け、多くの人々が犠牲となった沖縄戦について思いを馳せていた様子だった。また、鳥取県出身者の慰霊塔「因伯の塔」を訪れた際には、慰霊塔と合わせて納められている石碑がともに父・二朗氏(当時・鳥取県知事)の書によるものであり、石破長官が父親との思い出を周囲に語るという一幕も見られた。

 石破長官は平和祈念公園を出ると空自与座岳分屯基地からキャンプ・シュワブへCH―47で移動。キャンプ・シュワブのほか周辺の米軍関連施設を上空から視察後、キャンプ・シュワブ入りし、そこで担当者から普天間飛行場代替施設の概要説明を受けた。石破長官は説明中も周辺の状況や環境等について熱心に質問を繰り返していた。

 予定されたスケジュールを全て終えた石破長官は空自那覇基地で、伊藤盛夫内局広報課長の進行により記者会見を行い、「まず国全体として沖縄の負担によって国の平和と独立が保たれているということを認識する、ということから始めなくてはならない。今回の沖縄訪問を通じてそのことの認識を強く持った」と語った。また、SACO(沖縄に関する特別行動委員会)の進捗状況については「かなり着実に実行が進んでいると認識しているが、充分でない所については政府としても最大限の努力をしていきたい」と話した。

入間基地で航空祭

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 11月3日、「入間航空祭」が開催され約21万人の観客が埼玉県狭山市の航空自衛隊入間基地を訪れた。飛行場地区では快晴の下、ブルーインパルスがダイナミックな戦技飛行を繰り広げ、その他7機種の航空機も、編隊飛行、空挺降下等を披露。来場者は、航空ショーや音楽隊の演奏会、地上展示の各アトラクションを半日かけて満喫した。(関連記事7面)


海自創設50周年記念 初の国際観艦式 東京湾

参加11カ国、艦艇17隻の一大ぺージェント

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「しらね」艦上で各国艦艇の登舷礼に応える観閲官の小泉首相

(写真=畑島岳士)


 海上自衛隊創設50周年を記念して、日本の歴史初めての国際観艦式が10月13日、穏やかな秋の日差しに恵まれ、晴海沖の東京湾で行われた。参加は11ヵ国の外国艦艇を含めて41隻で、前日の予行と合わせて招待者、一般参加者等約1万2千人が海自艦艇に乗艦、海の一大イベントを見学した。13日午前10時すぎ、観閲宮の小泉純一郎首相、石茂防衛庁長官、赤城徳彦副長官、小島敏男、佐藤昭郎両政務官、伊藤康成事務次官、竹河内捷次統幕議長はじめ防衛庁・自衛隊の高級幹部、衆参国会議員、各国駐在武官らが乗艦した護衛艦「しらね」が晴海を出港、約1時間後に実施海面に到着した。次いで、韓国、インド、フランス、オーストラリア、マレーシア、ロシア、ニュージーランド、チリ、タイ、シンガポール、アメリカの外国艦艇17隻と海自艦艇9隻が順次整然と停泊している間をぬうように観閲部隊が航行、次々に各国艦艇から登舷礼を受けた。観閲終了後、小泉首相が「しらね」艦橋で挨拶に立ち「国際観艦式を通じて各国の防衛当局間の交流が促進されることは国際社会の平和と安定に寄与するもので、今後とも参加国の海軍間の交流が一層深まるよう」要望した。なお、国際観艦式に合わせて艦艇の一般公開、電燈艦飾、満艦飾、スポーツ交歓、市中パレード、軍楽隊演奏会などの行事も開催され、14日(祭日)の晴海での一般公開には約5万人が訪れるなど連日大勢の見学者で賑わった。(関連記事12面)



 午前10時20分、先導艦「むらさめ」に続いて、小泉首相、石破長官を乗せた観閲艦「しらね」が晴海から出港。岸壁を離れ、徐々に速度を上げ「しらね」は受閲部隊の待つ東京湾内会場へと向かった。出港の様子を「しらね」の観閲台から見ていた小泉首相は、厳しい表情を時おり緩め甲板などで手際よく仕事をこなす乗員にも感心した様子だった。「しらね」の乗員の一人は「国際観艦式という晴れの舞台で艦長はもちろん一同張り切ってます。訓練の成果の見せ所です」とその意気込みを語った。また会場に着くまでの間、記念撮影をする隊員の姿もあり、隊員たちにとっても記念すべき海の式典となった。


 「本日天気晴朗にして浪静か。天候に恵まれ」と小泉首相の言葉にあったように、秋晴れの下、海自の各艦をはじめ11ヵ国17艦艇が湾内に整列。その受閲部隊の間を「しらね」を中心とした観閲部隊が航行した。


 自衛艦だけでなく各国海軍の艦艇にも関心が集まり、中には見学者の問から歓声が上がる艦艇もあった。台計26の艦艇観閲を終えた「しらね」は再び晴海に戻りこの日の国際観艦式は終了した。


 国際観艦式の開催にともない各地で様々なイベントが行われた。晴海や横浜新港、木更津、横須賀の岸壁では海上自衛隊を含む参加各国の艦艇一般公開があり、多くのファンが会場を訪れた。


 10月14日、晴海埠頭で行われた一般公開は天候にも恵まれ、家族連れやカップルが迎えられた海自隊員と記念写真を撮ったり、乗員の案内をうけながら、迷路のように入り組んだ艦内の様子を見学したりと終日賑わった。この日公開されたのは護衛艦「しらね」「しまかぜ」「むらさめ」「ゆうぎり」「やまぎり」と韓国海軍の艦艇。前日の観艦式の模様をテレビ等で見た、という人も多く、小泉首相が乗艦した「しらね」には特に人気が集まっていた。


 「乗艦チケットを応募したが当選しなかったのでせめて一般公開で乗れれば」と訪れる人もいて、中には「動いている艦艇にも乗りたかったけど砲弾を持てたりと楽しい」と語る人も。


 また、晴海では12日の夜、停泊する艦艇の電燈艦飾も行われ、ライトアッブされた艦艇を前に見学者たちはレインボーブリッジや湾岸の夜景と合わせた光の競演をいつまでも楽しんでいた。(小川郷太郎)


チリ


フランス


マレーシア


オーストラリア


ロシア


韓国


新防衛庁長官に石破茂衆院議員

副長官に赤城徳彦衆院議員

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第302保安中隊による特別儀儀仗隊を巡閲する石破新長官

(10月1日、A棟講堂で)


 自民、公民、保守党の連立による小泉改造内閣が9月30日夜、発足した。同日午後、小泉純一郎首相は、官邸に組閣本部を設置し、福田康夫官房長官を通じて閣僚名簿を発表、中谷元・防衛庁長官に代わって第65代長官には昨年1月から5月まで、防衛庁副長官をつとめた石破茂(いしば・しげる)衆議院議員(自民党、鳥取1区選出=当選5回、45歳)が就任した。新閣僚認証式と初閣議は同日夕、皇居と官邸で順次行われた。また、小泉新内閣は2日の臨時閣議で副大臣人事を、4日には政務官人事を決定。新防衛庁副長官には、赤城徳彦(あかぎ・のりひこ)衆議院議員(茨城1区選出=当選4回、43歳)が、新防衛庁長官政務官には小島敏夫衆議院議員と佐藤昭郎参議院議員がそれぞれ就任した。


事務引き継ぎで石破新長官と中谷前長官がガッシリ握手


正門前で女性職員から花束を贈られ、関係者の温かい拍手に応える中谷前長官

高級幹部会同開く
国際テロ根絶へ積極的に寄与

運用面整備し機動的な組織へ

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高級幹部が重要課題について話し合った


東チモールなど、目に見える国際貢献

 防衛庁では9月10日、第38回自衛隊高級幹部会同が行われた。内閣総理大臣の臨時代理として福田官房長官と中谷防衛庁長官が訓示を述べた。福田長官は国家の緊急事態への取り組みは今後も不可欠であるとして、武力攻撃事態対処関連3法案の早急に成立させること、日米安保体制をより緊密かつ実効性のあるものにする必要性、自衛隊が精強な組織である事は当然であるが、平素からの国民の信頼と強力なくしては任務を遂行することはできないとの3点を強調した。

 中谷長官は、世界の平和と安定のために努力することが重要であり、また様々な事態に対応できる防衛体制の構築に努めるとともに省庁間の垣根を超えて密接に連携、強力することが重要になるとした上で訓示を行った。

 我が国の平和と安全を確保するためには日頃から法制面、運用面において充分な体勢を整えることが不可欠である。時代の変化に応じ防衛力のあり方について見直しを行っていく。国際平和への取り組みとしてテロ対策特別措置法に基づく強力支援活動と同様に重要なものが国際平和協力業務である。防衛庁長官として国防の任に携わるものが自信と誇りを持って職務を遂行できるよう全力を尽くし、国民から信頼される「暖かい自衛隊」世界の国々から尊敬される自衛隊を一丸となって作り上げると決意を示し訓示を終えた。

 引き続き高級幹部の訓示、挨拶、得田8師団長の「行動して評価される時代における教育訓練の考え方」等の報告、田久保杏林大学教授の「9・11テロと新しい国際秩序」というテーマての講演が行われ高級幹部会同は閉会した。


福田官房長官からは国際貢献に対するねぎらいの言葉も

平成14年度 富士総合火力演習

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 平成14年度「富士総合火力演習」が8月25、27日の予行、29日の教育演習、31日の一般公開と4日間にわたって行われ、あわせて10万人以上の観覧者が会場となった御殿場市の東富士演習場に集まった。田原克芳富士学校長を演習担任官、中村幹夫富士教導団長を部隊指揮官に、人員約2,000名、戦車・装甲車約60両、火砲約70門、航空機約30機、その他の車両約180両の規模で演習を実施。前後段に分け射撃、敵の進攻に対する防御から攻撃に至る一連の戦闘様相を展示した。

中谷長官「理想と情熱でがんばって」
東チモールで派遣隊員を激励

 中谷元・防衛庁長官は8月16日から21日までの間、東チモール及びオーストラリアを訪問した。17日、東チモールのディリに到着した中谷長官は現地でPKO活動中の東チモール派遣施設群(郡長・小川祥一1等陸佐)を視察し、衛生班や宿営地を訪れ隊員を激励。「理想と情熱で頑張ってください」と書いた色紙を隊員に贈った。


現地に到着しWACから歓迎される中谷長官(写真提供・内局広報

中谷長官 一歩一歩の積み重ね
米海兵隊長と共に富士登山

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登頂を記念して自衛隊員・米海兵隊員が中谷長官を囲み山頂で写真撮影


 中谷元・防衛庁長官は7月28日、米海兵隊員ら約40名とともに富士山に登り、山頂では日の出、いわゆる「ご来光」を迎えた。今回の富士登山は沖縄などに駐留する海兵隊員を励ますことを目的に設立された「ウェルカムマリンプログラム(WMP)」(田村玲子会長)の招きに中谷長官が応じたもので、防衛庁長官に就任してからは昨年に引き続いての参加となった。


快調なペースで登り続ける中谷長官

富士日米友好協会メンバーとも懇談


写真は、右手前から田原克芳富士学校長、斉藤前長官、デービス准将、中谷長官。壇上は挨拶をする中野会長

You may Dream to the Sky
航空自衛隊パイロットへの道

ゆめ・ドリーム・大空へ

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 地上で生活する人間には「大空をはばたきたい夢」がある。航空自衛隊へ入隊しパイロットを目指すことが夢実現への第一歩となる道がある。パイロットになるには航空学生課程のほかに一般幹部候補生課程を経る方法があるが、ここでは航空学生として学習、訓練を積み重ね、空へはばたく夢のステップを順を追って紹介する。


航空学校入校式


 航空学生の募集は毎年8月から9月にかけて行われ、18歳から20歳までの若者が全国から応募する。山口県防府市での教育課程で、規律正しい生活の中、知識と技能を修得する。


朝礼に臨む精悍な学生


約2年の航空学生課程と約半年の地上準備過程を経ていよいよ訓練機を操縦して大空へ羽ばたく初級操縦過程へと進む。


教官がマンツーマンで指導


練習機T-3と同機の編隊飛行

夢と感動をありがとう

決勝戦 陸自中央音楽隊が演奏支援 日本緒戦ではブルーも飛行

W杯決勝で対戦した両国国歌を中央音楽隊が演奏(写真はJリーグフォト提供)


(写真はJリーグフォト提供)

 歴史上初めてアジアでしかも日韓共同開催となった2002年ワールドカップサッカー大会は6月30日、横浜会場での決勝戦の結果、ブラジルの優勝で幕を閉じた。防衛庁・自衛隊はワールドカップ開催期間中、協定に基づき大会に協力。航空自衛隊のブルーインパルスは日本代表の緒戦にあたる6月4日、ベルギーとの試合が行われた埼玉スタジアム上空で展示飛行を披露。試合に臨む選手やサポーターに空から声援を送った。また6月30日に横浜国際競技場で行われた決勝戦では、陸上自衛隊中央音楽隊が対戦するドイツとブラジル両国国歌の演奏を担当。ワールドカップの決勝という中音はもちろん自衛隊としても初の大舞台で、天皇・皇后両陛下や小泉首相をはじめ各国首脳が観戦する中、国歌演奏の大役を果たした。

東チモールで救急出動

現地人負傷者38人を救護 東チモール派遣施設群

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負傷者をトリアージしながら治療にあたる衛生隊員


 東チモール共和国でPKO活動を続けている東チモール派遣施設群は6月7日、ディリ宿営地近くで起こった交通事故素早く対応、救急出動及び救急救護を行い、負傷者を無事に病院へと後送した。

ブルーインパルス、祝賀飛行

日韓でW杯サッカー大会開催 防衛庁・自衛隊が支援協力

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埼玉スタジアムにブルーインパルスも花を添えた(写真=Jリーグフォト)


 5月31日、日韓共催のW杯サッカー大会がソウルで開幕。防衛庁・自衛隊はW杯サッカー大会への協力について、防衛庁長官とW杯サッカー大会日本組織委員会会長が協定を締結した。この協定に基づき、6月4日、埼玉会場でブルーインパルスによる展示飛行を行った。また、6月30日には横浜大会での決勝戦で陸上自衛隊中央音楽隊が国家の演奏を行う。

政府専用機運航100回超える
初運航以来、72カ国訪問

小泉首相のアジア大洋州歴訪で達成


千歳基地で節目祝う記念行事開く


 国賓等の輸送や緊急時における在外邦人等の輸送のほか、国際緊急援助活動や国際平和協力業務のための輸送にも使用される政府専用機の任務運航が、4月27日から5月3日の内閣総理大臣のアジア大洋州訪問に伴う輸送で100回目(国内6、国外94)を迎えた。

 これを記念して5月3日、政府専用機を運用する特別航空輸送隊により、千歳基地で記念行事が行われた。

中谷長官がインド洋派遣部隊を視察、激励

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「さわかぜ」艦上で栄誉礼を受ける中谷長官(写真提供 海上自衛隊)


 中谷元・防衛庁長官は5月1日から5日にかけて、増田好平官房審議官、香田洋二海幕防衛部長はじめ幹部を伴い、テロ対策特別措置法に基づいてインド洋に派遣されてる護衛艦「はるな」「さわかぜ」、補給艦「ときわ」を視察、隊員を激励した。2日、3日の両日には「はるな」「ときわ」にそれぞれ一泊し、隊員と起居を共にしながら艦上体育にも参加、派遣部隊指揮官の杉本正彦3護群司令とともに隊員の先頭に立って汗を流した。また、「ときわ」と米艦艇が実際に洋上補給している現場にも立ち合い、実任務に励んでる隊員に直接激励の声をかけながら精力的に視察した。

中谷長官が訪韓

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 中谷防衛庁長官は4月19日から21日までの3日間、守屋防衛局長、渡邊統幕事務局長はじめ高級幹部を伴い韓国を訪問、李漢東国防総理、金東信国防部長官らと会談し、今国会に提出している有事3法案について説明するとともに「防衛庁長官と国防部長官会談を定期化する」「両国政府の防衛担当幹部の相互訪問」「海上自衛隊と韓国海軍による捜索・救助共同訓練などの再開」や、東アジアの中長期滝な情勢を分析する両国の実務者レベルの会議を新設することで合意した。また、21日昼には北朝鮮との国境にあるDMZ(非武装地帯)の都羅監視所を、朝鮮戦争の英雄と呼ばれている白元合同参謀本部議長とともに視察した。(写真・内局広報課提供)

祖国の防衛を担うリーダーの道へ 防大50期入校式

萩山副長官「高い志をもって勉学、訓練に精進を」

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 防衛大学校(西原正校長)では4月5日、未来の幹部自衛官を目指す本科学生と研究科学生の入校式が行われ、萩山教厳防衛庁副長官、渡辺元旦統幕事務局長をはじめとした防衛庁自衛隊の高級幹部や来賓、入校生の家族ら1000人を超える人が防大記念講堂に集まった。入校式に臨んだのは、留学生6名を含む本科第50期学生487名(うち女子35名)と、理工学研究科前期課程第41期学生61名、理工学研究科後期課程第2期学生5名、総合安全保障研究科第6期学生15名。


観閲式の祝賀飛行では2年ぶりにブルーインパルスが登場した

インド洋で米英艦隊を支援
「くらま」「きりさめ」「はまな」が帰国

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インド洋で米英艦隊に対する協力支援活動を約4ヶ月にわたって行ってきた海自第2護衛隊群の護衛艦「くらま」「きりさめ」と補給艦「はまな」が3月16日佐世保港立神岸壁に入港した。

午後1時、派遣隊員の家族多数が同岸壁で待ち受ける中、3席が次々に着岸、約700名の隊員はそれぞれの艦から桟橋に降り立ち整列した。一連の帰国歓迎行事を終えると、家族はそれぞれの艦に乗り込み、甲板などで4ヶ月ぶりの再開を共に喜び合っていた。

東チモール派遣施設群 先発隊49名がディリへ

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C-130輸送機に搭乗する小川郡長以下24隊員(3月2日)


輸送機3機で千歳基地出発

東チモールの国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊第1次東チモール派遣施設群(隊長・小川祥一1佐)の先発隊49名が3月2日、4日の両日、航空自衛隊千歳基地からC-130輸送機でディリに向け出発した。家族と別れを惜しむ隊員の姿があちこちで見られ、秋山教巌防衛庁副長官が派遣隊員を激励、装備品を積み終えたC-130輸送機3機に隊員が次々と乗り込み、午前11時過ぎ離陸していった。第1次隊の派遣機関は約6ヶ月を予定しているが、自衛隊としては交代を経て2年間を予定している。(詳細は3月15日号1面参照)


父さんは、しばらく家を留守にするけど、元気でいてね」と我が子を抱き上げる派遣隊員


秋山副長官が小川郡長に「任務の完遂を」と激励の握手(奥正面は先崎方面総監)

インド洋で米英軍支援

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「はまな」(下)と洋上給油中の米補給艦(2月20日、アラビア海で)


「くらま」「きりさめ」「はまな」

整々と任務遂行


 防衛庁・海上自衛隊では、インド洋でのテロ対策特措法により初めて米軍などの後方支援活動を行っている海自艦艇の洋上給油などを2月17日から22日までマスコミに公開した。


 インド洋北部のアラビア海に展開する海自艦艇5隻は自衛艦隊(司令官・谷勝治海将)、護衛艦隊(司令官・古庄幸一海将)、第2護衛隊群(司令・本多宏隆海将)、隷下の護衛艦「くらま」(艦長・清原洋1佐)、「きりさめ」(艦長・碇山武男2佐)「さわぎり」(艦長・佐伯精司2佐)、補給艦「はまな」(艦長・川原和仁2佐)、「とわだ」(艦長・江見雅博1佐)で、「くらま」「きりさめ」「はまな」は昨年11月9日に「さらぎり」「とわだ」は11月25日にそれぞれ日本から出航、遠く離れた海域で3ヶ月以上にわたる支援活動を続けている。

(写真=指揮官の本多2護群司令が支援活動の概要を説明)


厳しい任務を遂行する隊員・給油が長時間に及んでも休む暇はない


米補給艦には「はまな」から約5時間かけて燃料が送油された(2月21日)


「はまな」(右)から米補給艦へ洋上給油・後方は護衛する「くらま」


給油準備のため、パイプの先端を収納袋から取り出す派遣隊員


洋上給油を終え、手際よく離脱開始する米補給艦


互いに散髪


互いに散髪


スポーツでストレス解消


派遣期間中に「くらま」乗員のうち8人に子供が誕生しました。喜びのコメントなどは防衛ホーム紙面でご覧ください

第2航空群で海氷観測

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厳冬のオホーツクにP3-C飛ぶ


海上自衛隊第2航空群の第4航空隊では2月7日、気象庁に対する協力として行われている海氷観測のマスコミ関係者を対象に体験搭乗を実施した。午前10時過ぎ、海上自衛隊八戸航空基地を離陸したP3-Cは一路オホーツク海へと向かい、昨年12月27日に50年ぶりの早さで海氷が現れた海域などを飛行した。海氷観測は昭和35年1月29日から実施しており、今年2月6日までに通算908回を記録している。また、毎年12月下旬から4月下旬まで、年間25回を基準に行われ、観測結果は札幌管区気象台と函館海洋気象台に送られ、航行船舶の安全確保に活用されている。


第1空挺団初降下訓練

陸上自衛隊第1空挺団による「初降下訓練」が1月13日、習志野演習場で行われた。穏やかな天候にも恵まれ、予定していた102名の隊員が華麗に落下傘降下。新年の爽快なスタートをきった。視察に訪れた仲谷元・防衛庁長官は、団長・最年少隊員らと共に大型ヘリコプターに同乗し、訓練前に実施された指揮官降下を上空のヘリから見守った。また、竹河内統幕議長、山口東部方面総監ら高級幹部も多数訪れ、総観客人数は地元住民なども含め6,000人を超えた。支援部隊として空自航空支援集団、第1ヘリコプター団、東部方面航空隊が参加。総人員350名、車両20両、航空機23機の規模により潜入・偵察から敵の撃破に至る戦闘訓練の一連の行動を展示した。


C-1から次々と降下する隊員


CH-47から降り立ち観閲台に向かう中谷防衛庁長官、左は直海空挺団長


大型ヘリコプター2機が車両などをつり下げ進入

中谷防衛庁長官「年頭の辞」

2002年を新たな飛躍の年に

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 防衛庁では1月4日、中谷元・防衛庁長官の「年頭の辞」を全国各地の隊員に向け放送した。

 国際貢献、不審船事件などをふまえた領域警備、日米の強固な関係維持、国際的テロ、サイバー攻撃などの新たな脅威に対応するべく早急な「省」昇格への期待などを骨子とする内容で、防衛庁、自衛隊の更なる飛躍となる年であることへの祈念の言葉で締めくくられた。

(全文は防衛ホーム1月15日号に掲載しています。ご購読ください。)