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八甲田演習<5普連>

陸軍歩兵第5聯隊の遺訓を学ぶ

写真:アキオを曳航し行進


 第5普通科連隊(連隊長・伊藤裕一1陸佐=青森)は1月17日及び21日、幸畑陸軍墓地及び八甲田山周辺地域において、「令和6年度八甲田演習」を実施した。
 本訓練は、「陸軍歩兵第5聯隊の遺訓を学ぶとともに、積雪寒冷地の生地における部隊の基本的行動の練度向上を図る」ことを目的として実施した。
 17日、幸畑陸軍墓地での参拝において、連隊長は「謹んでこの地に眠る210柱の勇士の御霊に哀悼の誠を捧げます。積雪寒冷地部隊としての練度向上を図るとともに、国民の信頼に応え得るよう、第5普通科連隊が一丸となって「あらゆる事態に即応し、強い意志をもって必ず事を成し遂げる部隊」となるべく、決意を新たにしてまいります」と出発の辞を述べた。
 21日、スキー行進では、初参加者17名、女性自衛官12名を含む隊員約500名が本演習に参加した。各隊員は、重さ約20キロの背嚢を背負い、4人1組で灯油、水缶、ストーブ及び宿営資材を積載した重さ約100キロのアキオを、息を合わせて曳行した。行進経路は、陸軍歩兵第5聯隊が行進した経路の一部を使用して往復約8キロの道のりを約3時間かけて完歩した。当日の気象はマイナス4度、風速毎秒1メートル、時折、陽射しが差す安定した天候にも恵まれ計画通り行進することができた。じ後、車両で移動、後藤伍長像に対して拝礼し無事任務を完遂した。
 引き続き、八甲田の第5普通科連隊として積雪寒冷地における基本的行動の練度向上、郷土部隊としての伝統の継承及び使命感の醸成を図る。

演習に参加して
新隊員 第3中隊 根深1士「次回は後輩をサポートしたい」
 私が今回初めて八甲田演習に参加して感じたことは2つあります。
 1つ目は、新補職者訓練で実施したスキーの基礎の重要さについてです。スキーは小学生以降乗ることもなく過ごしており、久々のスキーに最初は慣れず転倒を繰り返し、このままでは上手くなれるのか不安でいっぱいでした。しかし、部隊スキー指導官の方に丁寧に解り易く教えていただき、スキー検定も無事に3級を合格することができ、その成果が八甲田演習で十分発揮することができたので、とても達成感を感じています。
 2つ目は、しっかりと物の準備をすることです。八甲田は、とても標高が高くて気温も低く対策をしないと凍傷になってしまうため、数多くの八甲田を経験してきた先輩方の助言を頂き、万全の準備で参加することができ、とても良い経験をすることができました。
 本訓練を終えて、次の八甲田演習に参加する際は、後輩隊員に背嚢入組品や服装等、物心両面の準備をしっかり教え、万全の態勢で参加できるようにサポートしたいと思います。

自衛隊サイバー防衛隊司令、木村陸将補
「日加サイバーオペレーションシンポジウム」を開催

写真:自衛隊サイバー防衛隊司令木村陸将補(右)とカナダサイバーコマンド司令のヤーカー少将(左)


 自衛隊サイバー防衛隊司令の木村顕継陸将補は、12月2日から6日の間、市ヶ谷駐屯地内において、カナダ軍サイバーコマンド司令のヤーカー少将他、16名と「日加サイバーオペレーションシンポジウム」を実施し討議を行った。

 これまで自衛隊サイバー防衛隊とカナダ軍サイバーコマンドの防衛交流を実施してきたが、本シンポジウムは、カナダ軍サイバーコマンドの他、カナダ国防省、カナダ外務省、カナダサイバーセキュリティセンター、カナダ騎馬警察等の参加を得て、国家としてのサイバーに係るシンポジウムを開催するに至った。

 議題については、日加それぞれのサイバーに関する戦略レベルから、戦術レベルまで幅広く取り扱うとともに日加相互の課題について議論し、多大なる成果を得ることができた。


UNMISS司令部要員が帰国
「国連での勤務経験を活かしたい」

写真:吉森3佐(左から3人目)と鈴木1尉(同4人目)


 2月13日、国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)の司令部要員として約1年間、首都ジュバで勤務した陸上自衛官2名が、森下泰臣陸上幕僚長に帰国報告を行った。兵站幕僚として、UNMISSの活動に必要な物資の調達・輸送等を担った吉森雅哉3陸佐と、航空運用幕僚として、UNMISSが運航する航空機の飛行計画の作成等を担った鈴木若菜1陸尉が元気な姿を見せた。

 森下陸幕長は「陸上自衛隊のみならず、日本がしっかり国際平和協力に貢献しているということを証明してくれた」と労をねぎらった。吉森3佐は関係各位に感謝の気持ちを述べるとともに「今後の勤務では、UNMISSでの国連勤務経験を活かして頑張っていきたい」と語った。鈴木1尉は「多国籍の環境の下で1年間勤務し、様々な職歴や文化をもつ方々と交流して相互に理解を深めることができた」と貴重な経験を振り返った。2名は今派遣での功績が認められ、第3級賞詞を受賞した。

 現在、陸上自衛隊はUNMISS司令部に兵站・情報・施設・航空運用の幕僚として1名ずつと、2024年からは追加でUNMISSの人事・評価・訓練を担当する副参謀長(1陸佐)とその補佐官(2陸曹)を1名ずつ派遣している。


機略縦横(89)
補給統制本部
准陸尉 井上 喜雄

目標と目的

 2025年を迎え皆さんは年の初めに目標を立てたでしょうか。年頭の朝礼等で「年の初めに目標を立てて一年間を有意義に過ごしましょう」と訓示等があると思いますが、皆さんは今年の目標は何でしょうか。

 目標はなぜ立てる必要があるのでしょうか。私は目的を達成するのに必要不可欠であると思っています。

 なぜなら、目標を設定することで、目的達成に向けて道筋が見える事によって可視化され、効率的となり、目標を一つ一つクリアしていくことで達成感を味わいながら目的を達成できると思っているからです。

 目的は抽象的であるために、具体的な事項を数値化して定めて目標として設定する必要があるのではないかと思います。皆さんの目標は「〇〇したい」「〇〇する」などと抽象的になってないでしょうか。目的達成の為に、具体的な目標を定め、年間の目標を月の目標へ、月の目標を日々の目標へ、日々の目標を時間の目標へと細分化して目標やその先にある目的を達成し充実した生活を送りましょう。

 私も補給統制本部最先任上級曹長として、夫として、父親として、目的達成のために具体的な目標を定め、充実した生活を自ら実践してまいります。


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